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悪役・魔法使いの、こじらせ

日曜日、買いたいものがあるという夫に付いて、ブックオフへ行きました。なかなか本屋さんでは親の思惑もあってそうもいきませんが、ブックオフではひよこに、ひよこ自身が「これ!」と選んだ絵本を1冊買ってあげることにしています。

「プリキュアにするの~!」と意気込んで絵本コーナーに向かったひよこが選んだのは、「白鳥のみずうみ」。あのクラシックバレエの、です。プリキュアがなんたるかをまだ知らないひよこにとって、「プリキュア」とは、フリフリのドレスを着たお姫様がでてくるものの総称なのかもしれません(?)。

とにもかくにも、ピンクのフリフリのドレスを着たお姫様に一目ぼれした様子。せがまれて、絵本コーナーで2回も読まされました。家に帰ってからも、日曜日と昨日の2日間で、もう20回くらい読んでる気がする。。細かい設定や言いまわしは「???」が浮かんでいるものの、大筋のストーリーは理解しているようです。

わたしは、バレエ鑑賞と縁遠い人生でした。「白鳥の湖」のストーリーも、それこそこういう絵本レベルでしか知りません。今回、おそらく30年ぶりくらいにストーリーに触れたのですが、大人になってあらためて読んでみると、悪役の魔法使いの「こじらせ」の凄まじさにしか目がいきません。かいつまんで言うと、

・王女に求婚し、振られる
・振られた腹いせに、王女(と侍女たち)を白鳥に変えてしまう
・王子が王女(夜だけ人間の姿に戻れる)に出会うと、その場を襲撃する
・自分の娘を王女のそっくりさんに化けさせて、王子に求婚させる(王子に求婚されると王女の魔法がとけるカラクリ)
・↑のうっかりミスに気づいた王子が本物の王女のところへ向かうと、またもやその場を襲撃する
・王子に討たれる

です。いちいち襲撃するところは「見とるんかいな!」やし、王子を罠にひっかけるところは「自分の子どもつかうんかいな!」やし。王女のこと、ほんまに大好きやってんやろなぁ。てゆーか、子どもおったんや……。

「わっはっは。おまえは わしのむすめに けっこんを もうしこんでしまったのだ。もう、オデットひめとは けっこんできないぞ」
と、わらい声を のこして、まほうつかいの おやこは きえさりました。

(翻案)平田昭吾「白鳥のみずうみ」

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