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Slackの "Hummus" って何なん? と思って調べたら想像以上にテキトウな起源があった

今年に入ってから、Slackで妻と連絡する用に「倉田家」ワークスペースを作りました。今までLINEで連絡していたのですが、買い物やら結婚式の準備やら話題が飛び飛びになるので、思い切ってSlackに乗り換えたわけです。

ただ少し困ったのが、仕事などでもSlackを使っていること。PCで作業をしている時に妻から「牛乳買ってきて」などの連絡が来るのですが、仕事の連絡に埋もれてしまうんですね。

そこで、Slackの通知音をカスタマイズしてやろうと思い立ちました。なんなら仕事用のワークスペースも通知音を分けて、通知音だけで「〇〇の連絡だ」と分かるようにしてやろうと。

謎の通知音「ハマス」を発見

Slackと言えばなんとなく「シュッポポポ」(Knock Brushという名前らしい)って通知音のイメージがあるのですが、もう僕の中ではビジネス関連の音って印象が強すぎる。そもそもビジネスチャットツールですからね、Slackは。

かといって「ピコン!」と鳴るザ・通知音って感じの音もつまらん。何か面白い音ないかな~と思って見ていたら、通知音リストの一番下に「Hummus」の文字が。なんじゃこれ。

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試しに聞いてみると、女性が「ハマス」と言うだけの通知音。なんじゃこれ。

サラッと調べてみると、「Windows 版 Slack - リリースノート」にこんな記述が。

「Ding」「Ba-dum tsss」「Plink」「Boing」「Hummus」などなど、癒し系から「?」なものまで、いろんな種類の通知音を用意しました。気分にあわせて変えてみるのもいいですね。

より「?」が深まったぞこれ……。

Annaさんが関係してるらしい「ハマス」

Hummusが何なのか調べてみると、「ヒヨコ豆、練りごま、ニンニク、オリーブオイルなどをペースト状に加工したもの」の名前だそう。欧米では主にディップソース(パーティでクラッカーとかパンとかに塗りたくるやつ)として使うらしい。

日本語では「フムス」「ハマス」「ホンモス」など色々な表記があるようで、Amazonでは「フムス」として売られているものが多いですね。

※Slack通知音の発音に合わせて、引き続き「ハマス」と書かせてください。

で、なんで「ハマス」が通知音になっているのか。海外のSlackユーザーですら「なんじゃこれ」となったようで、2016年頃にTwitterでも話題になっていたようです。Slack公式アカウント(英語)に「これ何なん」とメンションを飛ばした人もいて、その答えがこちら。

Slack「私たちがAnnaを愛してやまなくて、彼女の素敵な声を後世に残したかったからだよ。それに、『ハマス』だしね」(意訳)

あー分かんないぞ。そういうことが聞きたいんじゃないのよ、Slackさん!

Slackチームのノリ軽すぎィ!

Slack公式さんの言う「Anna」さんとは、どうやらSlackのエディトリアルディレクター(リリースや出版物などの責任者で、「Slackっぽい言葉遣い」を作った人)であるAnna Pickardさんのことらしい。

Annaさんは先程のSlack公式さんとユーザーの問答がある前から「なんか自分のSlackの通知音がハマスになってるんだけど。自分が『ハマス』って言ってる通知音」とツイート。

ツイート時点でAnnaさんは「自分のチームのワークスペースにだけ実装されている」と思っていたようで(実際、18ヶ月間はSlackチームのみに実装されていたとのこと)、「ユーザーの皆さんも使いたかったらSlack公式に連絡してね~」と補足しますが……SlackのソフトウェアデベロッパーであるAni Bettsさんが「(以前)アップデートしたときに『ハマス』のMP3ファイルも配信した」と告白します。

Annaさんの声が、いつの間にか世界中のユーザーに行き届いていたわけです。

そもそもなぜ「ハマス」が実装されたかというと、イギリス人であるAnnaさんの「hummus」の発音が、Slackチーム内のアメリカ人たちの耳に “素敵” に聞こえたからだそう。

アメリカ英語とイギリス英語で「hummus」の発音がどう違うかは、「hummus pronunciation」でググってみましょう。

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少し誇張してカタカナで表現すると、イギリス英語では「フンメス」、アメリカ英語がむしろ「ハマス」っぽい感じですかね。正直、そこまで “素敵” な違いには思えませんが……。とにかく、「Annaの『ハマス』おもろい」となって冗談半分で実装された内輪ネタ機能が、本リリースされてしまったわけですね。テキトウか!

通知音としては結構優秀

思っていた以上にテキトウな意味しかなかった「ハマス」ですが、通知音としては結構いい感じです。というのも「ピコン!」「シュッポポポ」などの効果音とは違って、「ハマス」って謎の単語をしゃべる声が急に聞こえてくるので、「ハマス」のことを忘れた頃に通知が来ると背筋が凍るんですよね。

特に、オンライン会議してる最中にヘッドホンから小声で「ハマス」って聞こえるとビクッてなります。通知音を「ハマス」に設定したての頃は、ガチで「すみません今変な声聞こえたんで」と言って少しだけオンライン会議を中断してもらったこともありました。少しだけね。

妻からは買い物のお願いや帰宅時間の共有など僕的に優先順位が高めの連絡が多いので、ビクッてなるくらいがちょうど良いんですよね。ちゃんと注意してないと見逃しちゃうから。

ということで、みなさんも通知音をカスタマイズするときは優先順位が高いワークスペースに「ハマス」使ってみてはいかがですか?

締めがテキトウじゃないかって? 良いんですよ、「ハマス」だし。

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