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医療と福祉の間で

新しい世界へ。

4月から週に2日ほど医療と福祉の間に携わることになりました。

年間のフリーランスサイクルに医療的ケア児童さんとの時間を、自身の心の糧として取り入れます。

歓迎してくださったのは、米光の人権啓発冊子を手にとってくださっていた保護者様でした。
ご夫婦で施設を運営し、小さな命と向き合い、育み、そして涙しながら見送ってきた経験や痛みを打ち明けてくださいました。

「本当に大丈夫なの?」
「ママ、ちゃんとできるの?」

夫と息子にやや厳しく諭されるも、

現場のご夫妻の尊い働きと志に心が震え、
気持ちは100%この子ども達に向いていました。

振り返れば、小学生の時から夢中になっていた伝記漫画。

ナイチンゲール、
奇跡の人アン•サリヴァン、
マザーテレサ…

福祉、教育、医療の現場に愛ある証を見てきました。
 
同じ偉人のストーリーなのですが、

違う漫画家さんのタッチの作品をワクワクしながら読比べていました。

そんな、ちょっと変わった小学生でした。

今思えば、私にとってこれらの伝記漫画は最高のキャリア教育でした。

中学生時、トライやるウィーク(職業体験)で選んだ職場は病院でした。

その時はナース服への憧れが強かったのです。

何とも単純な動機で命の現場に足を踏み入れたのでした。

14歳の私が初めに体験したのはお爺ちゃんの入浴介助でした。

衝撃でした。

介助されるお爺ちゃんも恥ずかしそうでしたが、

私も赤面しながら額から汗が吹き出して止まりませんでした。

半ば無心になって、お爺ちゃんの身体を洗ったのでした。

しかし、笑顔で「ありがとうね。」

と言ってもらった瞬間、何とも言えない晴れやかな気持ちになりました。

痴呆病棟の患者さん達とも歌を口ずさんだり、

手を繋いで院内をお散歩しました。

職業体験が終わる頃には患者さん達が涙を流して見送ってくれたのを

まるで昨日のことのように覚えています。

その時感じたのは、

「心が響き合う瞬間がこんなにもクリアに可視化される現場はそう簡単に出会えない。」

ということです。

高校の進路希望時、中学生ながらに看護や医療に必要な知識や理系の知能が乏しいと悟り、

その道には進みませんでした。

経済的にも厳しいと理解できました。

もちろん、美術教育の道に進んだことに全く後悔はありません。

図工美術の先生は天職だと思っています。

が、学校現場にいながら福祉医療関係者との絆が切れないばかりか、交流が深まっていくことに

必然性を感じてならないのです。

しかも、医療の世界で決まって仲良くなるのが薬剤師さんです。

もしかしたら、美術教師と薬剤師さんの相性はすごくよいのかもしれません。

「素材の調合過程が作品制作に似ているのかな。」

というように、勝手なイメージを繰り広げて楽しんでいます。

小さな頃に出会った伝記漫画。

偉人たちへの憧れが、新たな挑戦のステージへと導いてくれているようです。

〝人〟という最高傑作に深く、

深く関わりたい。

職場を選ばず、私から会いに行きたい。

たとえ寝たきりになった方でも、

守られるべき尊厳と、声なき声に耳を傾ける日々を体験し、その方たちが残す足跡を一緒に数えていきたい。

Footprints…

寝たきりの子ども達の表出を受け取りたい。

受け取ったものを色と形というエネルギーに変えたい。

その願いが生えるように

頑張りたい。

願生りたい。

米光智恵

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