◇午前四時、虚ろ

夜中にふと目覚めてしまいました。台所で水を一杯、渇いた身体に流し込んで。ふと目にした時計は午前四時を示していました。
ふたたび布団に潜り込んだけれど、どうにも寝付けない。眠れないだけならいい、頭がひどく不愉快な感覚に苛まれていた。意識を夢の世界に置いたまま、現実世界に戻ってきてしまったような。白だけが頭の中を支配している。虚ろ。じわじわ脳に這い寄るのが痺れなのか痛みなのかも分からない。
じっとり汗がマットに、ブランケットに染みゆく感覚が不快で、そっと寝床を抜け出しました。

そうしてごろん、と、畳の上にうつ伏せに。少し肌がちくちくしたけれど、構いません。まとわりつくブランケットよりはましだった。ふいに鞄が目に入って、iPod touchを取り出す。音楽を聴くのではありません。
Twitterで、検索をかける。自分のアカウントIDに、作品名をプラスして。
ずらりと並ぶ、感想のことば。
滾った。昂ぶった。愛おしい。涙がこぼれた。心を締め付けられた。驚嘆した。奮い立った。胸を衝かれた。……etc.
わたしの感情が動いたその時を、言葉が留めてくれている。文字をなぞるうちに蘇る、その時の感情。心の動き。だんだんと、痺れとも痛みともつかない感覚が鎮まっていく。真っ白だった頭の中に、意識が戻ってくる。ふっと身体の力が抜けた。瞼が下がりはじめる。iPod touchを戻す前に時刻を見る。午前五時。

それから一時間半ほど微睡んで。意外にも、すっきりとした目覚めでした。日中もとくに眠気と戦うこともなくて。
いったい、あの感覚はなんだったんでしょうね。魂が抜けてたのかな。