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アイスクリームフィーバー、デザインのこだわり

昨日解禁になった特報は、
僕が監督しています。
「千原さん、予告はどこに発注しますか?」と聞かれて、え!?監督がやらないの!?って思ったと同時に、そこに「作業」を感じてしまいました。
自分がお腹を痛めて産んだ子供の教育を他の人に任せるなんてできないし、そこにすら、見たことない感覚を持たせたいと思うのは当然。
この特報は、みなさんのアイスクリームフィーバーの初見になります。
このイメージが公開まで、
映画の世界を引っ張っていくので、大切な存在です。

ポスターも僕がデザインしています。
「ポスターのデザインはさすがにやられますよね?」って言われて😂
僕は、グラフィックデザイナーでもあるので、今までも何度かたのまれて、映画のポスターデザインをしています。
ただ、新しいアイデアや僕がやることの意味をもたせるのが難しいジャンルのお仕事です。
出演者のパワーバランス配置位置、文字の大きさなど、かなり制約があります。
面白いアイデアよりは、宣伝チームの宣伝しやすさが重視され、ほとんどの映画が同じようなデザインになります。
斎藤工さんがある邦画のポスターを酷評したように、真ん中に主人公、左右に脇役、タイトルが斜めにあがる手書き文字。内容がある程度わかるキャッチコピー。
ほとんどが同じフォーマットにハマっていきます。
最近のテレビ番組も、あざとくて何が悪いの?が流行ったので、ほとんどの新番組のタイトル文字がピンクと水色のカラーです。
いかに、新しい考え方を生み出そうというよりは、「作業」になっているということです。
世の中に夢や感動やセンスを産むエンタメのデザインがそれでいいのか?という思いは、どのジャンルに対してもあります。
もちろん、すべてのものがそうという話ではないですが、、、。

今回、アイスクリームフィーバーは、
通常宣伝チームがつくるポスターのセオリーを壊しています。顔がだれかわかりづらい、顔に文字がかかっている。カタカナ表記がない。意味がわからないキャッチコピー。
そうではなく、ただ、なんか面白そう。
この映画なんか見てみたい。という意識を目指してます。
アメリカにA24という映画制作会社がありますが、今1番人気で面白い映画を作ると言われている会社です。
僕はこの映画会社の「なんか気になる」の秘密は「デザイン」にあると思っています。
映画の世界観の中にちゃんとデザインの個性を持たせていることがわかります。
面白い映画を目指すのはもちろん、もう一つ何をプラスするなら「デザイン」の力だと思います。
デザインは、どこにでも目に入る空気のように存在するので、重要視されにくいジャンルです。
映画だけではなく、TikTok、youtubeの世界の中でもデザインのクオリティを意識したものはすくないです。

ただ、僕はデザインで人の視点が変わったり、視野が広がったりできると思っています。
この映画のポスターには、そんな思いを乗せています。
ぜひ、その意図、世界観も楽しんで欲しいです。

ちなみにこの映画のために、書体もデザインしました。
アイスクリームフィーバーFONTです。
A〜Z、数字からすべて作りました。
これからさまざまなものに反映されて、
映画の世界を1つにしていくので
ぜひ書体も楽しんで欲しいです。

そして助監督から編集作業までマルチにこなす奥田啓太くん(ぶんちん)は、クリエイティブに対し、すべてにプロフェッショナルかつフレキシブルで、感覚を理解してくれて本当に助かっています。

映画は総合芸術と言われます。
作ってみて感じたのは、
フィルムのなかで起きることだけが総合芸術ではなく、広くはお金の集め方、デザイン、PR方法、グッズ制作、公開までの準備、すべて含めて総合芸術なんだと。

これからも、まだまだこの芸術にうもれたいです。
公開は7月14日。
ぜひ劇場でみてほしいです。

ポスターデザイン:千原徹也

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