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死ぬときに後悔する5つのことと、酔いつぶれて寝込んでしまった同級生の話

医療関係の仕事の経験はまったくなかったブロニー・ウェアBronnie Wareは、興味を持てて(a job with a heart)家賃が払える仕事を探していて、終末パーソナルケアに行きついた。余命3週間から12週間くらいの人を、かれらの家で世話する仕事だ。

ここで彼女は、ある発見をした。彼女の仕事である、かれらの食事や入浴の世話は、二次的なものであり、彼女の本当の役割は、かれらの話を聞くことなのだと。

さらに驚くべき発見は、かれらが彼女にとってすばらしい教師であり、彼女自身の祈りへの答えをあたえてくれた、ということだった。

かれらはごく普通の人々であり、ちがうのは、今死の直前にあり、自分の人生を振り返っている、ということ。そして全員とはいわないが、かなり多くの人が、自分の人生を後悔していた。この事実は彼女に、深い影響をあたえた。かれらの教訓を自分の人生に生かさなければ、自分も後悔することになると。

そして、かれらの苦しみや痛みをみて、そうならない方向に自分が行くように勇気を持たなければならない。すべての後悔は、そういう勇気を持たないために起こるのだ、と思った。

彼女の話でさらに興味深かったのは、自分が完璧ではないし傷つきやすく弱いということを受け入れること、過去の自分を後悔するのではなく、思いやりを持ってそれを受け止める、ということだった。後悔しないためには一歩踏み出す勇気をもつ、というだけでなく、過去を後悔するよりそういうものとして受け入れる、ということも、彼女は学んだようである。

彼女のTEDトークはこちら。英語字幕がついているし、わかりやすい英語なので、英語の勉強にもよいと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=tAcQfn96yFk

彼女のホームページの、Regrets of Dying(死ぬときの後悔)という記事によれば、死ぬときの後悔は、次の5つ。

1. 他人が自分に期待する人生ではなく、自分に真実な人生を生きる勇気を持っていればよかった。(I wish I'd had the courage to live a life true to myself, not the life others expected of me.)

2. あんなに一生懸命働かなければよかった。(I wish I hadn't worked so hard.)

3. 自分の感情を表現する勇気を持っていればよかった。(I wish I'd had the courage to express my feelings.)

4. 友人たちと関係を保っていればよかった。(I wish I had stayed in touch with my friends.)

5. もっと幸せでいいと自分に許可を出していればよかった。(I wish that I had let myself be happier.)

昨年の末に同級生が、ガンで亡くなった。わたしは日本にいなかったので葬儀に参列できず、本当に無念だった。わたしが最後にかれをみたのは数年前のOB会で、かれははしゃいで飲みまくった結果、意識がなくなるまで酔いつぶれた。同級生が彼女のタクシーチケットを切ってやり、かれの住所を運転手に見せて送ってあげた。

かれはよき父、よき夫、よき息子として家族を大切にされていて、「家族のことは何も心配していない。思いのこすことは何もない」、と言って亡くなったそうだ。そういえばかれも、介護関係の会社を自分で立ち上げたか何かのはずである。おそらくかれは、家族を大切にし、好きな仕事をえらぶ勇気を持ち、それを実践していたのだろう。

#ブロニーウェア #死ぬときに後悔する5つのこと #介護 #終末ケア #田中ちはる

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