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back number「スーパースターになったら」の秀逸さ【ヤマシタのおたより#24】

私は、バンド「back number」が好きです。
なかでも、デビューから数年の間に発表された楽曲は、なんとも彼ららしさ全開で、好き。

彼ららしさとは。
これはあくまでも私の思う「らしさ」ですが、とにもかくにも、だめだめな男性、なよなよな男性を描くのが抜群にうまいんです。

なかでも秀逸だと思うのは、今回紹介する「スーパースターになったら」

もうタイトルの時点で、「~したら」という逃げ逃げな姿勢。

期待できます。

歌詞を見てみましょう。

ー----
このまま終わってしまうのは

絶対嫌だなって思ってて
それでも何もせず変化を
待ってたら君もいなくなって

君に嫌われる理由など
山ほど思いついてしまうけど
優柔不断と口だけの
二重苦がきっと決め手だった

君を取り戻す手段はひとつ
また好きにならざるを得ないような人に

スーパースターになったら
迎えに行くよきっと
僕を待ってなんていなくたって
迷惑だと言われても
スーパースターになって
男らしくなった新しい僕で
迎えに行くから

世界の流れは速いから
たとえ僕の足が折れるまで
思い切り走ったとしても
置いていかれて
恥をかくだけだ

そうやって理由を見つけて
仕方ないよなとため息ついて
今まではここで終わってた
守るプライドを間違っていた

君がどこの街に住んでいても
遠くからでもよく見えるような光に

スーパースターになったら
迎えに行くよきっと
僕を待ってなんていなくたって
迷惑だと言われても
スーパースターになって
君の事ずっと大事にするんだ
口だけじゃないから

二度と何ひとつ諦めない
もう一度好きに
ならざるを得ないような人に

スーパースターになったら
迎えに行くよきっと
僕を待ってなんていなくたって
迷惑だと言われても
スーパースターになって
男らしくなった新しい僕で
迎えに行くから

作詞:清水依与吏
作曲:清水依与吏
ー----

お分かりいただけますでしょうか、この、だめだめっぷり。
「そういうとこやぞ」と言いたくなる、ツッコミどころの宝庫。
(褒めてる)

一つずつ、詳しくみてみましょう。

ー--
このまま終わってしまうのは

絶対嫌だなって思ってて
それでも何もせず変化を
待ってたら君もいなくなって

「絶対嫌だ」と思うわりに、何もせんかったんかい。
ほんで彼女失ってるわりに、他人事やな。
だいたい、変化なんて勝手に起こるわけないがな。
ー--
ー--
君に嫌われる理由など
山ほど思いついてしまうけど
優柔不断と口だけの
二重苦がきっと決め手だった

ここまで分かってて何もせんかったんかい。
山ほど思いつくくらい嫌われる理由あるん…?

じゃあもう自由にさせてあげえや。
だいたい、それを直そうともせんかったんやろ?

ほんで○○苦って言うな。
それは、自分ではどうしようもない苦難を指すねん。
ヘレンケラーの三重苦みたいな。
優柔不断も口だけも、自分次第やろ。
ー--
ー--
君を取り戻す手段はひとつ
また好きにならざるを得ないような人に

取り戻す手段、とか言うてる時点で自分のことしか考えてないやん。
ー--
ー--
スーパースターになったら
迎えに行くよきっと
僕を待ってなんていなくたって
迷惑だと言われても
スーパースターになって
男らしくなった新しい僕で
迎えに行くから

待ってないのに迎えに来られても困るし、迷惑や言うてんのにしつこく来るのは、それストーカーなのでやめてください。

ほんで、こんなんばっか言うてるやつ、スーパースターになんてなられへんから。「男らしくなった新しい僕」なんて、一生なれへんから。


…スーパースターってなに!?!?!?!?!?

ー--
ー--
世界の流れは速いから
たとえ僕の足が折れるまで
思い切り走ったとしても
置いていかれて
恥をかくだけだ

違うで。世界の流れどうこうじゃないねんで。
ここでもまた、他責思考出てもうてるやん。

自分は頑張ってる、でも周りが合ってないって思ってるやん。
ー--
ー--
そうやって理由を見つけて
仕方ないよなとため息ついて
今まではここで終わってた
守るプライドを間違っていた

お!!!!!!!!!!!!!!
分かったんや!!!!!!!!!
よしよし!!!!!!!!!!!
ほんなら私かて、応援するでい!!!!!!
ー--
ー--
君がどこの街に住んでいても
遠くからでもよく見えるような光に




ん…?
ー--
ー--

スーパースターになったら
迎えに行くよきっと
僕を待ってなんていなくたって
迷惑だと言われても
スーパースターになって
君の事ずっと大事にするんだ
口だけじゃないから

こんなやつ、絶対口だけやねんて…
ー--
ー--
二度と何ひとつ諦めない
もう一度好きに
ならざるを得ないような人に

スーパースターになったら
迎えに行くよきっと
僕を待ってなんていなくたって
迷惑だと言われても
スーパースターになって
男らしくなった新しい僕で
迎えに行くから

…。
彼女、逃げてー----------------!

ー--
ー--
とまあ、こんな感じでしょうか。

ここで繰り返したいのは、私はこの感じが、好きだということ。
いいんです、彼らはこれが。これで、じゃなくて、これが。
「花束」もおすすめです)

もちろん、同年に発売された「幸せ」「思い出せなくなるその日まで」といった心をわしづかみにされる曲も好きですし、「クリスマスソング」や「オールドファッション」といったキュンとする曲も好きです。

でもやっぱり、彼らのすごいところと言えば、こんなダメダメなよなよ人間(すごい言いぐさ…)を愛らしく描けるところだと思うんです。

それは、メロディや声、歌い方、リズムの取り方、ギターベースドラムのバランス、一体感、すべてが相まってのこと。

これらを説明すると膨大な量になるので割愛しますが…
特にダメダメなよなよ曲のときは、これらがよく活きてるなあと思います。

だから、back number にしか出せない味になっていると思うのです。

あとリアルですよね。
ふと周りを見渡せば、案外この歌のような男性って多い気がします。

しっかりせい!!!!!!!と言いたくなるような。

ちなみに、はじめにこれを聞いたとき、彼は亡くなっているのかと思いました。スターになって君が見つけられるように輝くよ、って。

だけど、それだとしたら、「迎えに行くよきっと 僕を待ってなんていなくたって 迷惑だと言われても」ここの部分がものすごくホラーになってしまって。
なので、ああやはり、ダメダメなよなよ人間の歌なんだなと、思ったわけです。


この曲が発売されたのは2011年秋なんですけども。
2000年~2010年代前半までって、割とストレートでガッツにあふれる曲が多かったと思うんです。

スキマスイッチが「とめどない血と汗で乾いた脳をうるおせ」と鼓舞し(すごい歌詞やな…)、Aqua Timezが「百万回の愛してるなんかよりも一度ギュッと抱きしめた方が早いだろう」と態度で示し、SPYAIRが「どんくらい辛くても歯食いしばって生きていくのはおまえ自身なんだよ」と喝を入れていた時代です。

そこに突如現れた、buck numberの「花束」「スーパースターになったら」。

花束に関しては、はじめて聴いた大学2回生の私はイライラしました。
「なんやねんこいつ」、「こんな素敵な曲に載せないでよ」と思っていて。

でも、社会人になって少し経った頃、突然好きになったんですよね。
このリアルさがええねんなあ、絶対私はこんな人と付き合わへんけどな、と思いつつ(笑)

さて、もしもまだ、「スーパースターになったら」を聴いたことがない方がいらしたら。
ぜひ、今すぐ聴いてみてください。
アルバム収録曲だからか、公式YouTubeにはなかったので、各々サブスクやTSUTAYAでどうぞ。

もしかしたら、聴く方によっては、ダメダメなよなよなよだ、と思わないかもしれません。
それはそれで、色んな感想を見てみたいです。

よかったら、皆さんの受け取り方、コメントで教えてくださいね◎

※タイトル画像引用…公式サイト

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