#64 親がこんな感じでした

仕事をしていると本当にさまざまなご家庭に遭遇する。
特に印象的だったのが「とにかく勉強させる親」。

小学生で中学受験などを考えておらず、親が無理矢理塾に入れたり家庭教師をつけたりすることがある。以下A,Bとする。

Aは「勉強すること=偉いこと」という考えのご家庭。本人はもっと遊びたいらしいが毎週決まった曜日に2時間も学校外で学習し、さらに宿題も出る。完全にやらされている状態だった。ある真冬の日、その子は薄着で家の外で泣いていた。理由を聞くと「宿題をやらないから怒られて外に出された」とのこと。さらに別の日には「ママに怒られるから勉強してるの」と言う。そう、このお母様は何かを勘違いしていた。

Bは小学校低学年の女の子がいるご家庭。指導初日に「こいつバカで勉強できなくてムカつくんでバシバシ指導してください」とお母様が言ったことは今でも鮮明に覚えている。指導してみると全然馬鹿ではなく、寧ろ理解が早く発想力もある素敵な子だった。指導中は和気藹々とした空気感だったが、指導が終わりお母様が現れるとその子の表情は一変。完全に萎縮している。このお母様の言葉はいつも威圧的で子どもの自尊心や自己肯定感を下げるものばかりだった。

両ご家庭とも「他の家庭よりうちを最優先にして」という感じで、既に退会していただいた。

勉強ができなくなる理由の一つに家庭環境があげられる。どんなに本人が努力しても親がそれを認めず貶したり否定したりすると本人の自信は損なわれていく。こんなに悲しいことはないだろう。

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