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宮崎千尋のコンサル・プロデュースFAQ

Q.どんなクライアントから依頼がありますか?

A.大手外食産業からラーメン専門店まで幅広い業界・業種からご依頼をいただいています! 「沖縄そばをプロデュースしてほしい」という依頼もありました。 

大手外食産業の『ミスタードーナツ』からフードコート業態の『沖縄元祖ラーメン横丁』、そして『ストライプヌードルズ』『真武咲弥』などのラーメン店まで、幅広い業態のプロデュースをしてきましたが、ラーメンとはまったく無縁の企業から、ラーメンではないプロデュースの依頼もあります。それが、2017年にプロデュースした沖縄そば屋『真打田仲そば』。こちらは『ハワイアンパンケーキハウス パニラニ』という、沖縄で人気のパンケーキ屋さんからの依頼でした。

 『パニラニ』の社長とは博多のデパートの催事がご縁で知り合ったのですが、いきなり依頼を受けたわけではありません。まずはFacebookでつながったのが良かったと思います。僕はビジネスの展開、興味を持っている外食産業のトピックス、食べ歩きまで積極的に情報発信をしています。そこで、『ミシュランガイド東京』で、3年連続でビブグルマンを獲得したことに興味を持っていただき、パートナーとしてプロデュースさせていただくことになりました。


Q.クライアントはどんな課題、悩みを解決したかったんですか?

A.開発技術や創意だけではなく、キャッチコピーにうたえる「実績」も求められました。

『真打田仲そば』では、伝統を守りつつ革新も意識した、新しい沖そばをやりたかったとのこと。そこで浮かんだのが宮崎千尋の顔だったそうです。僕は、毎年の年越し限定企画で沖縄そばを提供し続けてきましたし、沖縄そばの食べ歩きもアップしています。さらに、これまでの限定づくりの実績も評価いただいたというわけです。沖縄そばのスタンダードを踏まえつつ、革新を感じさせる味への挑戦ができる。そして、店舗のPRでは「ミシュランのビブグルマンを取った職人のプロデュース」というブランディングもできる。総合的な評価をいただき、元味「昔ながらの沖縄そば」、真味「洗練された現代風の沖縄そば」という2つをメインメニューに、新たな沖縄そばを提案させていただきました。


Q.レシピだけなら、他のラーメン店、コンサルタントも教えられるのでは?

A.「料理の基礎」「一定以上のキャリア」が必要。そして、それをクリアできる人材は意外に少ないんです!

宮崎はこれまで200種類以上の限定ラーメンを開発してきましたが、それだけの数の限定を繰り出せる職人は、全国に何万店とあるラーメン界でもほんの一握りではないでしょうか。たとえば、『饗 くろき』の黒木さんが、『ラーメン巌哲』の平松さんが、あれだけ限定を繰り出せるのはなぜか? それはしっかりとした料理の基礎があるからです。『麺や庄野』の庄野君もそうだと思いますが、僕も職人として研鑽し、限定を創り続けてきた実績がある。だからこそ、今なお限定を繰り出し続けられている、という自負があります。

かつて僕がプロデュースしたラーメン店でも、プロデュース契約が切れた後、自分たちで商品開発を進めるようになったところがあります。しかし、残念ながら、コンセプトがぐらぐらで定まっておらず、チグハグ感のある限定ラーメンだったり、盛り付けがすごく汚かったり、そもそもベースになる豚骨スープのレシピが間違っていたり、残念な結果に終わってしまったところも多々見てきました。

ラーメンは、表面的な勉強だけで理解できるものではない、と僕は思っています。しっかりとした料理の下地だったり、ラーメン職人として地道にキャリアを積んでいたりしないのなら、むしろ基本を抑えたコンサルタント、プロデューサーに依頼したほうがいいラーメンができる。これは明らかです。結果として、それがお客さんにしっかり喜んでもらえる商品になるのではないでしょうか。


Q.「良いコンサル」の条件は何だと思いますか?

A.ラーメン業界に通じていて、商品開発だけではなく経営までワンストップで見られる。それが良いコンサルではないでしょうか。

プロデュース料、コンサル料がバカ高く、ラーメン業界のケースを把握していない。この手のコンサルはおすすめできません。豊富な事例を知っているようでいて、それが一般的な外食産業の例ばかりでは、参考になるかは疑問です。ラーメン業界ならではの経験値がなければ、安心して任せることはできないのではないでしょうか。さらに言えば、単店舗ではなく多店舗展開をしていなければ、エリアやお客様などのシーン、タイプに応じた多彩なラーメンを提案するのは難しいかもしれません。

そして、ラーメン界で実績が豊富であったとしても、商品開発、メニュー開発に特化しすぎている人もいます。それはそれで素晴らしいラーメンができるかもしれません、しかし、おいしいラーメンのレシピを持っていても、その店のスタッフ、アルバイトを啓発し、そのラーメンを理想の味でがお客様に提供できなければ意味がない。そして、現代はSNSを駆使したブランディング、集客も必須です。メニューのクオリティがいくら高くても、お客さんに知ってもらい、足を運んでいただかなければ価値を感じていただくこともできません。

ラーメンコンサルとは、経営的な観点、スタッフの教育や採用といった人材開発面、さらにはSNSにおける情報発信やマーケティング、告知などの戦略に長けた人でなければ、2020年代のラーメンプロデュースには留保がつくかもしれません。ラーメン店を経営していくというトータルで知見を持ち、その全体を見据えながら商品開発をしていく、その感覚を持っている人はどれだけいるか。

僕は、『一風堂』の修業時代に商品開発、人材開発、店長もマネージャーも経験してきました。そして、SNSでの拡散力、マーケティング戦略も熟知しています。オペレーションの簡素化、仕組み化を進め、それをマニュアルに落とし込むことも意識してきました。
ヒト・モノ・カネ・情報という経営資源をどう生かし、どう戦略、メニューに落とし込んでいくか。その観点が重要になってくるのではないでしょうか。


Q.ベストな商品開発って何でしょう?

A.ストーリー、コンセプト、店主の思いを乗せた開発がベストです!

ラーメンづくりには、完成度を上げるための技量、オリジナリティあふれるものを創り上げる創意が大切です。しかし、そればかりに重きをおいていては、自分の味を長くお客様に届けていくことはできないと僕は考えています。つまり、職人気質が立ちすぎるあまり、使いたい食材をバンバン使って作りたいラーメンを作る。原価計算をすろこともなく、オペレーションも想定していない。そんな店主がいたらどうでしょうか。自分一人で作るならいいけど、スタッフ、アルバイトが手がけるときには時間がかかり、理想の味で提供できないかもしれません。それでは本末転倒でしょう。

技巧を極めたり、食材を追求し続けるというのが第一義ですが、トレンドとしては、「化学調味料を使う」「タレもOEMでオーダーする」「スープの外注もあり」という流れも無視できないものになりつつあると思っています。工夫とイノベーションで調理時間、コストを最適化していく。その上で味は妥協しない。そのバランス感覚です。職人気質だけでおいしいラーメンを作り、行列になるというのは、ほんの一握りの店です。

プロデュース、コンサルを手がける中で、「ベジソバをうちの店でもそのまま提供したい」という方もいらっしゃいます。ソラノイロのフラッグシップメニューということで、「お金のなる木」だと思っている方は少なくない、ということです。しかし、ベジソバは僕が思いを乗せ、自分のストーリーを踏まえて、「2011年の麹町」で生まれたもの。そのまま、他エリア、他の店主が提供して売れるか、といえばそんなに甘くはないでしょう。

オーナーがどんな思いを持ち、どんなエリアで、どんなお客さんに、どんな気持ちになってもらいたいラーメンを作りたいのか。ストーリー、コンセプト、運営する人の思いが乗っていないラーメンは、ただのモノでしかないのです。


Q.プロデュースの良し悪しはどこに出ますか?

A.「なぜこのラーメンを出すのか?」という哲学が問われます。

イベントに顕著ですが、肉を盛ったり、カニやエビなどの海鮮づくしで攻めたりするラーメンがありますよね。ビジュアルを良くしたり、ボリュームをガッツリ盛ればお客さんが来る、と思っているパターンです。そこには何の思想も哲学もない。なぜこのラーメンを出すのか? なぜこの具材、麺を選んだのか? 必然性がなく、説明ができないプロデュースを僕は評価しません。そこには「○○杯売れさえしたらいい」という金勘定しかない。「儲かりますよ、これなら当たりますよ」という、その場だけの姿勢ではダメ。それは商売の原理原則を無視したプロデュースでしかありません。

確かに、数字は大事です。しかし、その根底にはお客さんに愛されたい、地域一番店を目指したいという姿勢がなければ商売を長く続けていくことはできません。そして、プロデュースする側も長期的な視点でサポートしていくべきだと考えています。メニューを作って終わり、店がオープンしたから終了、では真のプロデュースではない。契約の段階で相談することですが、「味を定期的にチェックする」「シーズナルな限定メニューづくりを支援する」といったように、継続的に関わっていくようなお話をしていければ、理想的です。依頼する側・コンサルタント側といったドライな関係にとどまらず、パートナーとして協力しあい、僕も学びながら歩んでいきたいですね。


Q.コンサル、プロデュースはどんな流れで進むんですか?

A.オープン日から逆算し、チェックリストにそって進めます!

まず、ヒアリングから始まります。出店エリアを聞き、どんなコンセプトでいくかを聞き、時には意見を出してすり合わせ、商品に落とし込んでいきます。多店舗展開とプロデュースの経験がありますから、開店までのチェックリストもお任せください。厨房器具はレイアウトを考えて発注が可能です。発注するものは丼や券売機など備品もありますね。あとはユニフォームのデザインを確定して数量を用意しておく。ポップ、ポスターの発注、手配も欠かせません。開店に向け、SNSやPR、集客戦略のアドバイスもできます。

次はスケジュールです。オープン日から逆算して開店準備をアシストしていく。最近の沖縄のプロデュースを例に取ると、だいたい10日前ぐらいから店舗に詰めて味の最終仕上げ、オペレーションの完成度を上げていくのが流れです。教育・研修でスタッフにある程度の商品知識、サービスのマニュアルなどを含めてお伝えするなら10日程度の準備期間がいただければ十分でしょう。商品だけではなく、店舗をイチから作り上げるための総合的なプロデュースができる。それが僕の強みだと考えています。


Q.依頼の際、よく聞かれることは何ですか?

A.「コスト」と「ビフォア・アフター」が多いですね。長くお付き合いできるパートナーとして協力できればと思います!

やはり、「費用」に関することが最もよく聞かれます。「飲食店コンサルティング」のページに料金表を明示しているので参照いただければと思いますが、パートナーシップの結び方はケースバイケースです。メニュー単品の開発なのか、総合プロデュースなのか。国内か海外かだけで大きく変わります。先に言及した通り、パートナーとして長くお付き合いし、僕も刺激を受けることで成長していきたいと思っています。協力のしかたもそれぞれで考えていければいいですね。

効果の検証というか、プロデュースのビフォア・アフターでどれだけ貢献できたのか? という点もよく聞かれます。例に挙げた『真打ち田仲そば』は沖縄県名護市というロケーションもありますが、平日1日20杯程度のところ、プロデュース後は60杯まで増加。週末は1日100杯を超える日もあります。一番最初にプロデュースした『ストライプヌードルズ』は月商が倍増しましたが、喜んでいただけたのは、安定した利益に貢献できたことです。一過性の打ち上げ花火に終わらず、しっかりとお客さんをつかむ。長期的に売り上げに貢献していく。それが僕のプロデュースの目指すところでもあります。

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