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オーセンティシティと問題の外在化

非営利型株式会社Polaris主催の「オーセンティック・ライフキャリア講座」全5回が先日終了しました。4月から約3か月間、8人でじっくり対話しましたよ。私は、メンター的役割(といいつつもみんなとフラットに、かつどっぷり)で参加しました。

オーセンティック・ライフキャリア講座とは
「ねばならない」という、外側にある価値観やプレッシャーに対抗するのではなく、自分の内側にある価値観を探求し、「オーセンティシィ=根源的な自分らしさ」を育むこと。その自分らしさを軸に、のびやかに、生き方やはたらき方を創っていくこと。どこにいても、誰といても、何をしていても、自分らしさを表現できる感性と力を得ること。それが「オーセンティック・ライフキャリア講座」の目的です。(講座募集ページより引用)

変えなくてもいい自分に気づく

今回の講座で特に印象に残った学び
・オーセンティシティは他者を必要としない、内向きの矢印で浮かび上がってくるもの
・一方で、私たちは他者との関わり合いの中で生きているので、他者との関係の中でオーセンティシティを発見することも多々。
・オーセンティシティを発揮するには、問題の外在化が大事。
・問題の外在化における仲間の必要性

最初の2つの学びは、初めて「オーセンティシティ」という言葉を聞く人にとっても想像しやすいところ。今回講座で、すごく腑に落ちたのは3つめ、4つめの学びです。

物事がうまくいかなくなったときは「変えられないことより変えられることに集中する」とよく言われています。「変えられること」とは「自分」と「未来」です。私は20代で仕事が行き詰ったときに、この考え方を教えてもらって、そう心がけてきました。でも最近よく思うのは、「自分」の変えられないところは大事にしなきゃいけないし、「過去」も事実は変えられなくても、捉えなおすことはできるということ。

自分の変えられないところを無理に変えようとしても自分を責めるだけ。それならば、自分を見る「視点」を変える必要がある。自分らしさを発揮できないならば、発揮できていたのはいつ、どんな状況で、誰に対してなのか、そのあたりを探りながら、原因を自分の外に求めるのが問題の外在化です。

言葉にすると簡単なことのように思うけど、実際にやってみると意外と難しいものです。今日も娘のことを考えていたら、こうなっちゃうのは私が悪いんだよなぁというループに陥るところでした。

対話で問題を外在化する

ならば誰かと一緒に問題の外在化やってみる、ということを思いつきます。でもね、他人の視点を借りるのも難しいもんです。私、頑固でもあるので、なかなか素直に人の話を受け入れられません。特に誉め言葉なんかは。(欠点は人から見ると長所であったりもする。)

そこをじっくり、今回の講座ではやりました。自分との対話と受講生同士での対話をいったりきたりしながら、安心して語り合える場をみんなで醸成していった。例えるなら、みんなで一つのお庭をつくったような感じがします。日当たりや水はけや土壌の条件が各々で違うなか、それぞれに違う植物を、お互いに助け合いながら。初回は硬かった地面もだんだんと柔らかくなり、3か月後には暖かなガーデンができました。

結果としては、こうしてつくった安心安全な場での対話を重ね、仲間の葛藤も目の当たりにしていくことで、徐々に問題の外在化を意識できるようになってきたように思います。それは変えたい自分と変えなくていい自分を見つけていく過程でもありました。

対話の力

今回改めて感じたのは対話の力。昨年夏にPolarisの別の講座を受講し、そこでの語りが自分にとって癒しとなったものの、自分と似た境遇の人が多かったり、期間が長かったからこそできた語りと感じていたこともありました。でも、境遇が違っても、期間や回数が少なくても、安心安全な対話の場をつくることはできた。心が開ける対話の場の探究。これからのテーマの一つです。


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