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蒼を望む

3.11から10年

人はそれぞれに生きていく。

ことばは刃 ではなく ことばは愛だ。

それぞれの空の眺めが、少しでも彩りに満ちていくような言葉で、距離と時間を越えたい。


あの日
冬を越えて春が来るはずだった
思い出すあなたの後ろ姿
何年経てば笑って話せる
満点のテスト丸め水平線に投げる
カーテン越しに射し込む日の光
ベッドの上 夢見悪く目が覚める
痛み 悲しみ 季節過ぎて未だにやりきれない怒り
もういっそゲームのラスボスみたいな存在だったらいいのにって
海を前に声を大に叫ぶ無力な独り
潮風が優しすぎて 嘘つくなと揺れる瞳
寄せては返す波と記憶の断片
関係ないはずがない自然と人間
循環の一部なのか繰り返す輪廻
その腕に抱かれてる君に届けメッセージ

生命は儚くて人生は短い
昨日と同じような今日を生きる
二度と来ないって確かに知ってる
尊いから大切にそれだけは言い切る

どうせおまえには解らないからって
分かち合えない痛み抱えた友に何を送ろう または何を祈る海を前に
時が洗い流したものもあるが誤魔化した いや隠した感情だだ漏れだよ馬鹿野郎
そりゃあ広くて大きい 夜みたら恐ろしい
だけど凪ってて朝日浮かぶ 息をのむほどに美しい
生きてるここに おまえとおれありがとう
あれから十年もう一つ大人に
あいつに子ども空見上げモノローグ
失うことで強くなんてなれてない 目を背け耳を塞ぎ歩いてきただけのこれまで
灯台が照らし出すあの道の向こうに
光ある未来を今一度信じてみたい
じじばばからガキんちょ 新しく紡ぎたい
次の時代何ができる 心に問いたい

意見すら言いにくい空気が充満
言ったら最後 火の車銃弾
ことばはやいば いや ことばはあいだ
想像しな風が吹く
巡り巡り花が咲く
暖かくなるのを待つ きみの隣波が立つ
またもしかしてなんてざわめきが胸にある
それでも繰り返す泣き笑いの中で
塗り替えていける この空と海の眺め

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