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フィールドワークとKA法_振り返り

京都で行われたX デザイン学校 校外研修に参加。
研修内容は、フィールドワークでファクトを集め、KAカードと価値マップで情報を整理/分析、価値パターンを抽出し、ペルソナを作成する という一連の流れを体系的に学ぶことができる贅沢な学びの時間であった。

研修の流れ

今回の経験を通して、改めて「わたしは 自分で見て、聞いて、感じる、一次情報を収集することが好きだな」「チームメンバーと対話を重ねながら情報を整理したり、分析することが楽しいな」と感じた。また、今回「もうすこし〇〇できたらよかった」「〇〇が足りなった」など多くの反省点や、失敗からの学びを血肉に変えていけるよう経験を書いたり、一緒に学んだメンバーと話すことで深めていきたい。また概念化することで、ひとつひとつの経験をいつでも引き出したり、他の経験と併せて使えるようにしていきたいと思う。noteには、フィールドワークと講義の振り返りを書いていく。


フィールドワークに行く前は準備を入念に行い、視座を持って臨む

フィールドワークに行く前には、やらないといけないことが盛り沢山。
準備を入念に行い、視座を持って臨むことが重要だと感じた。具体的にはテーマに対して、地理的条件/経済の流れ/その地域に関する論文などから、「どの観点でフィールドワークを行うか(視座)」を考えることが不可欠であり、視座が質の良い情報を得ることに繋がると思った。
また、フィールドワーク中は「なぜこの人はこういう風にしているのだろう?」と問いを立てながら観察するが、暮らしの中でも「なぜ?」を習慣化させることで訓練できそう。


ユーザーのエクストリームな価値観に引っ張られてはいけない

エクストリームな価値観を対象にしているサービスは、スケールしない恐れがあるため、フィールドワークやインタビューでは常に「この行動をする人が100人/1000人いるのか?」「この発言は多くの人に共通するのか?」を考えなくてはいけない。今回のフィールドワークで、珍しい人を見つめるのは簡単だが、特定の集団がもつあるある(当たり前のこと)を見つけるのは難しいことだと知った。


フィールドワークのやり方は人それぞれ

今回はフィールドワークの一環で、街頭インタビューのように見ず知らずの方にたくさん声をかけた。インタビューというよりは、人との出会いを頼りに街の方と対話を重ねることで行動の裏にある真意を発見していくイメージ。見ず知らずの方に話しかけることに対して抵抗感はさほど無く、人々の生の声をじかに聞くことは、面白かった。ただ、良い情報を聞けたのかという観点ではまだまだ足りていなかったように思う。
また、フィールドワークを一緒したメンバーの中には、わたしのように行動に対して声をかけて聞く人もいれば、対象者の行動をじっくりと時間をかけて観察する人がいた。インタビューやエスノグラフィーのやり方は固有性に左右され、ひとそれぞれであると感じた。さらには、お話を聞く方との相性によっても聞き出せる情報量は変化すると感じた。

<インタビュー>
報道記者などが取材のために人と会って話を聞くこと。また、その記事。
国語辞書

何人にも話しかけていくうちに、自分なりのやり方を見つけ、コツを掴んだ?ように感じた。
具体的には挨拶をして返してもらった際の、表情/雰囲気/声のトーンからどんな方なのか?お話を聞けそうな方なのか?を感じる能力が高まっていった気がする。もちろん聞く相手にもはあるが、1秒でもはやく心を開いてもらい、気持ちよくたのしく話していただける雰囲気づくりはとても大切だと痛感。インタビューは、お時間をいただいているからなるべく早めに終わろうと思うとうまく行かなかったため、焦らずにその方とのつながりポイント(共通点)を見つけたり、自分のことやその土地に関するにエピソードを少しでも話すと、心を開いてくれるまでのスピードが上がり、結果的に得られる情報量が増えると感じた。また、決して恥じらいは持たない!対象の方に適したちょうどよいレベルの自己開示が必要であった。
沈黙は、ただ黙り込んでいるのではなく、何かを思い出したり考えている時間であることが多いため、活かしていくことも大事なことだと学んだ。

また、先生から「ダンゴ(列)になって歩いてなかったか?」と聞かれた。話しかけられる側の立場になったとき「数名から話しかけられるより、1人の方が身構えず話しやすいよな」と思ったので、今回はひとりで声をかけるタイミングが多かった。
「グループで視ると集団浅慮が起こり、観察結果の角が丸くなる」とのこと。人といると感性のアンテナが下がり、尖ったものが見つからない可能性があるようだ。今後リサーチにおいて、心に留めておくべきことだと思った。


リサーチは「調査」でない「研究」である

世間的に当たり前の話なのかもしれないが、わたしはリサーチを「調査」と言い換えていた。これからは「調査」ではなく「研究」と言い換え、意識を変えていきたい。研修での経験があるからこそ、言葉の意味がすんなりと頭に入ってくる。

<調査>
物事の実態・動向などを明確にするために調べること。
<研究>
物事を詳しく調べたり、深く考えたりして、事実や真理などを明らかにすること。また、その内容。
国語辞典

言葉の意味を正しく理解して使う。当たり前に大切なことをまた先生から教わった。


研究には「トライアンギュレーション」が必要

<トライアンギュレーション(三角測量)>
複数の調査者、データ、手法を用いることで、創出された分析結果を確かなものにし、研究の妥当性をより高めていくことである。
カタカナ語辞典

研究する際は様々な手法を組み合わせ、複数の出所のデータから真実を見つけ出すことが重要。

とくに質的調査で収集できた一次情報を扱う際は、解釈して整理したり、分析する過程でリサーチャーのバイアスやインタビューイーの価値観が影響するため、トライアンギュレーションが求められると感じる。
リサーチャーは真実の正確性を高めるためにも、3種類以上の方法の結果を重ね合わせて検討することが大切であることを学んだ。


さいごに

知ることがよい行動に繋がりそれが結果につながる。何事もまずは知ること/学ぶことは大切だと改めて思った。最近は文化人類学のラジオを聞くことにハマっている。新しいことを知ると、興味の幅も広がってたのしい。
今回もたくさんの学びがあったので、業務に活かしたり、自分の暮らしに結びつけたりして、じっくりと深めていきたい。

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