オーストラリア留学の裏話①~認定私費留学とは~

英語圏への大学や大学院留学となるとやっぱりアメリカとイギリスです。語学留学となると、オーストラリアやニュージーランドが少しずつ候補に上がってくるかもしれません。日本の真南にあり、時差がほとんどないオーストラリア。広大な大地、多様な自然、珍しい動物、魅力的な観光地、陽気なオーストラリア人、住みやすい都市、、、「アジアに近く、親日家も多く、とても留学しやすい国」と言われるオーストラリア。そんなオーストラリアに1年間留学し、オーストラリアを専門に扱う留学代理店でアルバイトをし、大学院での研究テーマとしてオーストラリアのアート事情を扱うことにしたからこそ、伝えることのできるオーストラリアの魅力や裏事情を少しずつ伝えていきます。

第一回目は、認定私費留学についてです。認定私費留学とは、日本の大学を休学しながら、(または日本の大学のプログラムの一環として、)私費でオーストラリアの大学に留学することをここでは指しています。オーストラリアでは、このプログラムのことを「スタディ・アブロード(Study Abroad)」と呼んでおり、このプログラムに参加する学生のことを「スタディ・アブロード生(Study Abroad Student)」と呼んでいます。ちなみに留学生のことは「International Student」といいます。交換留学生とスタディー・アブロード生のステータスはほぼ同じ。違う点は、現地の大学の学費が発生するかしないかということです。現地の大学にて、授業を受け、課題(Assignment)をこなし、試験を受け、成績証を受け取ることができます。

「いやでも、待てよ。学費が発生するならば、交換留学でオーストラリアに1年間留学した方がお得ではないか!」と思われた人。その通りです。しかし、実際にはこのプログラムを利用する大学生がとても多いのです。

①所属大学がオーストラリアの大学と交換留学協定を結んでいない

そもそも、交換留学協定とは、大学間での学生の交流を指します。日本の大学にとって、「交換留学協定」を結ぶことは日本人学生に大きな負担をかけず送り出すことができるため、メリットが大きい。実際、オーストラリアの大学スタッフの日本の大学への訪問に付き添いすると、必ず交換留学協定の話しを日本の大学が持ち出します。

しかし、オーストラリアの大学にとっては、英語での教育基盤が整っていない日本への学生送り出しは魅力的ではない。しかも、交換留学協定を結ぶと授業料免除となるために、オーストラリア側は交換留学協定を渋るということになります。

最近の日本の大学の動向として、在学中に留学を必須とする大学が増えています。よって、日本から海外に(=特に英語圏)に学生を送り出したいが、送り出す先がないという状況が生まれるのです。この様な大学は、学生に私費での留学を推進せざるをえないのです。(この様な留学を協定留学や派遣留学と呼んでいます。)もちろん、大学によって留学中は日本の大学への学費免除をしたり、奨学金を設けたりしています。しかし、それでも学生の負担はとても大きいと言わざるをえません。

②日本の大学生のほとんどは、オーストラリアの大学に直接入学できる英語要件を満たせない

オーストラリアの大学の入学要件はIELTS6.0~6.5です。これが、日本人の留学への壁となっています。交換留学の場合、英語学校等ではなく大学に直接入学することを条件としています。この英語面の入学要件を満たすのは並大抵ではありません。

そのため、ほとんどの日本人学生はまず大学附属の英語学校に10~20週間所属して英語の勉強をします。特定のコースを要求以上の成績で修了することで、IELTSやTOEFLのスコア提出なしで大学に進学することができるのです。

そのため、認定私費留学の方が交換留学よりも圧倒的にハードルが低く留学できるということです。


「スタディー・アブロード」というプログラムのおかげで、多くの日本人の大学生たちはオーストラリアの大学に1年間という期間留学することができるのです。


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