子どもを授かると言うことパート4(全前置胎盤)

全前置胎盤だと診断されたハイリスク妊婦です。
全前置胎盤と診断されるのは、宝くじに当たるような確率と聞いて、違うことに運使いたかったなぁ〜ともんやり思う、妊娠9ヶ月。

全前置胎盤の場合、胎盤が子宮への癒着だけでなく膀胱への癒着も考えられると言う。この癒着が起こっていた場合、なにが怖いかというと無理に胎盤だけ取ろうとすると大量出血が起こるのだ。胎盤を残すこともできないから、癒着が起こっている箇所ごと切除となる。子宮への癒着は、手術してみないと分からないとのこと。(癒着が見られたら子宮摘出となる。)膀胱については、MRIを撮ってある程度わかるとのことで、早速検査へ。

結果は、『膀胱への侵入が見られる』と言うことで、確実な次の検査へ。
尿道から、カメラを通して、侵入が見られる部分を直接見ると言うもの。

私「え!?尿道からカメラ!?麻酔使うのですか!?痛いのですか!?」
ともうパニック状態。

看護師「麻酔使いませんよ。男性と違って女性の場合は尿道短いからスッと入りますよ。」

となだめてくれる優しい看護師さん。
それでもやんややんや騒ぐ私に、最終的に出てきた慰めの言葉は
看護師「出産より痛くないですよ〜」だった。

『なんだーそうか〜出産よりは痛くないか〜』と納得しかけたが、いやいや、私、出産したことないからわかんねーわ!参考にならんわ!と後々思う。

結果そんな痛くはなかった。良かった。

自分の膀胱内の映像をモニターで見るという不思議な体験。
結果は、胎盤の血管が侵入していたと言うことでおそらく一部切除となる可能性が出てきた。もし、膀胱を一部切除した場合、今後の生活に支障はない。しかし、切除する場所によっては、人口の尿道を通して定期的に交換に行かなくてはいけないらしい。
まあ、膀胱全摘出じゃなくてよかったよねとちょっとほっととし、変な前向きになる。最悪ケースを考えておくと、それよりもマシな状況に救われる。

夜、帰宅した夫に検査の結果を話す。
めちゃくちゃ心配してくれてて、仕事のお昼休憩に電話くれたほどの夫。
コウノドリ(産科医療漫画)を熟読しているし、全前置胎盤と診断されてからネットで調べまくっていてくれたらしい。最悪の場合や、症状、現状はどうなのかと言うのを私より重く受け止め、把握している夫だった。

私はというと、2人目欲しい気持ちがそんな事言ってらんない状況だと言うこと、そもそも1人目の出産が無事に終わるのかと言うリスクがある事、子宮全摘出・膀胱一部切除が起こる可能性がある事、出血多量の場合母体の命にも関わる事などなどやっと現状を把握して、覚悟は決まっていた。

そして、結構楽観的だったので励ますつもりも込めて

「赤ちゃんが無事産まれてくるなら、自分の身がどうなろうといいって思うようになったの。でも、夫くんを残してはいけないなって思うから頑張る。なにをどう頑張ればいいか分からないけど、赤ちゃんと2人で頑張るね。気持ちを強く持つね。」

と言ったのだが、自分のこと以上に私の事を心配してくれる夫の姿に、ついつい感極まってしまった。それにつられるかのように、夫もポロポロ。
2人で抱き合ってしばらく泣いた、いい夫婦の日(11月22日)だった笑

私「初めて泣いているとこみたよ〜」
夫「俺は泣き虫ですよ。」
と言うもんだから、突っ込んで聞いてみると1番最初、全前置胎盤と診断が出された日の夜、1人でお風呂に入っている時、最悪の事態を想像して涙していたらしい。その次の日の仕事は手につかなかった程だったらしい。

知らなかった。。。知らなかったけど、その日帰宅してきた夫がやたらハイテンションだったから、『どうしたんだろう。なんか、急に1日1日を大切に生きようとしている人になっちゃったみたい。何か自己啓発本でも読んだのかな。』と妙に思ったのを覚えている。案の定『俺がメソメソしてちゃダメだ!』と気持ちを切り替えて帰ってきたらしい。

健気よね、そしてわかりやすくて可愛いよね。
そんな夫との絆は確実に深まった気がしたのでした。

そして赤ちゃんはものすごく順調。
体重も適正体重だし、心臓も背骨も臓器もエコーで見る限り出来始めているとのこと。
そして、毎日元気に動き回っている。この頃では、しゃっくりもし始めてて、それは、それで、ものすごく支えになっている。本当に出産って命懸けね。想像以上だった。仕事している時、妊婦さんたちを考慮してきたつもりだったけど、もっともっとしても良いぐらいだったなぁ〜と思うぐらい。

あと、ちょっと。ここまできたら、お腹の赤ちゃんに会いたい。無事に産まれて欲しい、このまま何事もなく乗り切りたいと思いつつも、いつでも最悪の事態を想像しながら冷静に対処できるようイメトレする私でした。

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