心の傷にもちゃんと、かさぶたはやって来るのだろうか?
昔、今よりずっとおてんばだった私は、身体のあちこちに傷を作っていた。
特に多かったのが、転んでできる膝こぞうのすり傷。
どんなに転んでも決して涙は流さない、つよい子だったらしい。唇を噛みしめ、足を引きずって帰り着き、自分で怪我の手当てをした。
傷口を水で洗い流すと、全身にびりびりと電気が走る。
膝こぞうには、ぺたりと貼られた絆創膏。濡らしてたまるものかと、必死にバスロマンの波から守っていた。
そんな「おてんば」の勲章を、ときどき、剥がしたくなった。
ゆっくりと絆創