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警察から封筒が届いた話

夫の転勤で、新天地に引っ越して一年が経った頃の話である。
アパートのポストに1通の封筒が届いた。
宛名は夫、裏の差出人は1年前まで住んでいた県の警察署だった。

警察からの郵便物、何事かと即座に開封してみると横書きの長い文章だった。

内容は
・夫が乗っている原付と同じ車種が、ひき逃げ事故の犯人が乗るものと同じで、未だ捕まっていない。
・県内に同じ車種が◯台登録がされていて、持ち主にはひき逃げ容疑がかかっている。
・心当たりがある場合は直ちに出頭するように。

こんな内容だった。
まるでひき逃げ犯と決めつけられているような文面に、夫と2人で唖然とした。
出頭?いやいや、私たちは現在何百キロも離れた場所で生活しているわけで。
よく読めば、同じ車種の持ち主全員に同じ文面が送られているようだ。
同じ車種を持っているというだけで、ひき逃げ容疑がかけられるんだ…という驚きと同時に、警察というのは強気だなぁと思った。

もう少し相手を驚かさないような気遣いのある文章は書けないのか。
とりあえず警察署に電話をかけることにした。
「この日のアリバイとか聞かれるかな?」と少し緊張気味の夫だったが、一年前に県外に引っ越していて、もちろんひき逃げには心当たりがないことを説明したらすぐ電話は終わった。
「容疑が晴れたわ」と笑い話にした夫だったが、
謝罪とかないのか?と思ってしまう私だった。

でも今となってはいい経験だ。
これを思い出したのは、家の近所の交差点で事故があったのだろう、事故現場の道路脇に『◯月◯日ここでの交通事故の情報をお持ちの方は連絡ください』と、立て看板がされたから。
この事故も、寄せられた目撃情報から車種が特定されれば、今回のように県内の同じ車の持ち主に封書を送りつけるのかな。
いや、その出来事はかれこれ10年前の話だから、今は改善されていたらいいなと思う。

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