見出し画像

第8話 不動産屋らしくない不動産会社

中古物件を買ってリフォームする前提だからリフォームと物件紹介を同時に行ってくれる企業を探した。それで探すと結構あるものである。ネットで見繕って何軒かそういう会社を訪問したうちのひとつが今お付き合い頂いているひとたちだ。担当者は二人一組になっていて、一人は営業担当の林さん、もう一人はリフォーム担当の建築士海野さんである。どちらも仮名です。前述した物件横取りで憤慨したのもこのお二人である。

ひとによっては不動産会社を何軒も掛け持ちしてとにかく自分の気に入る物件さえ手に入ればいいと考えるひともいるだろうが、僕たちは違う。一つの会社、一人の担当者ととことん付き合う。自分で言うのもなんだが結構義理堅いのである。江戸っ子の血がそうさせてしまうのだから仕方ない。だから担当者との相性というのが実に重要になるが、恵まれてよいひとたちに巡り会うことができた。お二人は不動産会社の人間というイメージを良い意味で裏切ってくれたのである。不動産会社のイメージって一体どんなイメージだよと思われるむきもあろうが、ここはこれ以上突っ込まないので各自想像されるがよろし。

実はこのお二人に会うのは実に三年ぶり、いや四年ぶりである。正確には覚えていないがそのくらい結構前のことである。ぼくたち夫婦の移住したいブームがその頃にあって、リフォーム兼物件紹介会社を調べたのもその頃のことである。結局そのときは引っ越しするまでに至らなかった。その後僕らの間に二人目が生まれてそれどころじゃなくなって時間が経ってしまったのであった。しかしお二人の印象がとてもよかったので、今度また時が来たらぜひあの会社、あの二人にお願いしたいとずっと思っていたのである。

数年ぶりにメールをしたが、どちらもメールが届かないようだった。ウェブサイトをみると合併して社名が変わっていた。そこで代表メールにその旨を書いて送ったのである。ほとんどラブレターである。するとどうだろう、林さんと海野さんに繋がったではないか!それも運良く、一度コンビを解消していたが、つい今しがた再結成(て言うのか?)したばかりであるという。これもきっとなにかのご縁であろう。こうしてぼくらは数年ぶりの邂逅を果たしたのであった。

もしよろしければサポートをお願いいたします!サポート費は今後の活動費として役立てたいと思います。