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今こそ、ちゃんと言葉に向き合いたい|【読書メモ】瀧本哲史伝説の東大講義

瀧本さんは以前から知っていて、著書も読んだことがある。

この本もすごく分かりやすくて、いつか子どもに読ませたいなあと、本棚にしまってあった。

瀧本さんのことをもっと知りたいなあと思ったのは昨年急逝された時、Twitterやnoteでフォローしている方々が、人柄やエピソードを交えて紹介しているのを読んで、ぐっと引き込まれたからだ。文章からはめっちゃ論理的な人だ!と思っていたけれど、「情の人だ!」と紹介されている文章を読んで、実際にお話を聞いて見たかったなあと思っていた。

その願いを叶えてくれたのが、この本だった。

もっと早く読んでいても、私の人生は変わらなかったとは思うんだけど、不必要な悩みのいくつかは消え、チャレンジの回数は間違いなく増えていたんじゃないかと思う。

言葉は最強の武器である

もともと、言葉には真摯に向き合ってきた。英語も大事だけど、それ以前に母国語でどう伝えるかを学ぶことがまずは大事なんじゃないかと考えていて、読了後、ますますその思いを強くした。

オバマ大統領やクリントン大統領を例にあげ、何もないところから、言葉の力で社会に変化を生み出してきた人たちが紹介されている。

私自身は心が動いた時に、その気持ちを表す語彙が少なすぎて苦しむことが多い。感動したとか、共感したとしか言えなくて実際の熱量を伝えられない。

そんな時に、もっと自分の気持ちにフィットする言葉で、伝わる言葉で伝えたいと思っていたのだけど、改めてもっと言葉と向き合っていきたいと思った。

また、私とあなたはは同じ意見を持っているかもしれない。けれど、そのこと自体は言葉を介したコミュニケーションでしか伝えられない。たとえ同じ考えを持っていても、選ぶ言葉が違えば、分かり合えないかもしれないし、むしろ敵対してしまうかもしれない。だからこそ、自分の気持ちや考えにフィットした言葉で伝えられるようになりたいと改めた思う。

パクられないのは自分自身の人生

私のじいちゃんは、先生だった。それもあってか、私自身、父には「「泥棒がとって逃げられないのは人の頭の中だけだ。だから勉強しろ。」って言われて育てられたんよ〜。」と話してくれたことがあった。警察官だった父が話すとますます説得力があった笑。

子ども心になるほど〜と思って聞いていて、今もふと思い出すけど、同じように、自分の生き方とそれに付随する経験も、誰にもパクられないんだよなあと改めて思った。

親友が若くして亡くなった
家族が病気になった
自分自身がいじめられた

そんな属人的な体験や経験こそが、自分の人生を使ってやりたいことを見つけるきっかけになったり、やりたいことを続けるエネルギーになったりするのだろう。

実際に自分もそうだし。だから、改めて自分のやりたいことに忠実に生きていきたいと思った。

この本は、若者におすすめしたい古典になる可能性を秘めてると思う。特に会場からの質問に瀧本さんがバシバシ答える章がとてもおもしろかった。(パクられないのは自分自身の人生~というのも、質問者への回答だ)

熱量の高い講義を1冊にまとめてくださった星海社さんに感謝🙏

実際に2020年6月30日に東大で行われるであろうイベントも楽しみだなあ。


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