マガジンのカバー画像

蒼海のすきな句

23
俳句結社誌「蒼海」のなかでの個人的すきな句を冊子ごとにまとめました。
運営しているクリエイター

記事一覧

蒼海23号 好きな句

蒼海23号は2024年4月刊行。 招待作品は、俳句が浅川芳直さん、短歌が睦月都さん(現代…

ちーかま
2週間前
23

蒼海22号 好きな句

中空の痣のごとくに葛の花 堀本裕樹 口笛を吹きつつ囮置く子かな 堀本裕樹 主宰の作品「濃…

ちーかま
3か月前
24

蒼海21号の好きな句

人に相山に相あり涼新た 堀本裕樹 風鈴や敬語の取れぬ妻と母 小野あらた(招待作品「帰省」…

ちーかま
6か月前
12

蒼海20号 好きな句

2018年にスタートした「蒼海」が5周年を迎え、第20号が刊行されました。 麗かや丘のか…

ちーかま
9か月前
27

蒼海19号 すきな句

初夢の牛頭馬頭の傍すり抜けむ  堀本裕樹 ブランドの金文字寒波来りけり  堀本裕樹 招待…

ちーかま
1年前
17

蒼海18号の好きな句

蒼海18号は2022年12月末刊行。 今号から堀本主宰の新作句が10句から20句に増えま…

ちーかま
1年前
10

蒼海17号の好きな句

蒼海17号は2022年10月刊行。 堀本裕樹句集『一粟』の大特集号かつ第3回蒼海賞の発表号(小谷由果さんおめでとうございます!)であり、いままでにないほどの厚みのある号になっています。 樹液透けかなぶんの翅ぎらぎらす  堀本裕樹(連作「いかに揺れども」より) めづらしき瓜盗人やまづは撮る  堀本裕樹(連作「いかに揺れども」より) 牛乳の蓋舐めてゐる野分かな  岩田奎(招待作品「瘤」より) 力瘤見せて戻せる刈田かな  岩田奎(招待作品「瘤」より) 人に人の影映りをる花月夜

蒼海16号 すきな句

窓に鳩ぶつかる音や春隣  堀本裕樹 連作「聴くごとく見よ」より。鳩の異常行動を冷静にみつ…

ちーかま
1年前
12

蒼海15号 すきな句

冬蜂のしがみつきたる乳鋲かな  堀本裕樹 乳鋲とは門の扉や蔵の壁に付ける、乳首に似た形の…

ちーかま
2年前
12

蒼海14号 すきな句

去る者も来る者も身に沁むものぞ  堀本裕樹 連作「ブリュックの蝶」より。蒼海俳句会を去る…

ちーかま
2年前
16

蒼海13号の好きな句

匙に開く吾子の口より夏めけり  堀本裕樹 離乳食の匙を近づければ素直に口をあける赤子の生…

ちーかま
2年前
28

蒼海12号 すきな句

ちょっといろいろ忙しくて遅くなってしまったのですが、蒼海12号すきな句です。 蒼海12号…

ちーかま
2年前
13

蒼海11号すきな句

蒼海11号は2021年3月発行。おもに秋の句が掲載されています。招待作品10句はなんと鴇…

ちーかま
3年前
17

蒼海10号すきな句

蒼海10号は2020年12月発行。掲載句はおもに夏です。 コロナの収束が見えない、2021年のはじまり。 蒼海10号を読んでいると、俳句にはこころを癒す作用があると感じます。 砂一つ四つ八つ落つ蟻地獄  堀本裕樹 蟻地獄はうすばかげろうの幼虫。砂のすり鉢状の穴を巣として、その穴の奥に潜み、巣に落ちてきた蟻の体液を吸います。掲句は蟻地獄の巣に蟻が捕まって吸い込まれてゆく様子を、まわりの砂粒に焦点を当てて描写しています。一→四→八という落ちる砂粒の増え方にリアリティーがあ