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蒼海18号の好きな句

蒼海18号は2022年12月末刊行。

今号から堀本主宰の新作句が10句から20句に増えました。

招待作品の俳句は岸本葉子さん、短歌は岡野大嗣さん。

会員の句の外部評を、なんと漫画家の本田さんが執筆してくださっています!(『ほしとんで』ファンの方、蒼海に入れば本田さんに自分の句を取り上げてもらえるかもです!

↓  めちゃくちゃ面白い俳句青春漫画の『ほしとんで』(全5巻)(俳句監修は堀本裕樹主宰)

蕊に蟻入り乱れをり紅芙蓉  堀本裕樹
滑り落ち夜間返却口朧  岸本葉子

こころまだ稿にありけり水羊羹  福田健太
晩夏光拍手で送る霊柩車  朝本香織
八月十五日重版決定  浅見忠仁
はばからず父の日の父抱きしめむ  平林檸檬
甲冑のごと糊固き浴衣かな  中村想吉
蚊を殺め自動蛇口に差し出す手  後藤麻衣子

眠れぬ子へでたらめな蛾の物語  すずきなずな
大西日重くなりたる揚げ油  福嶋すず菜
戻れぬと知らずにくぐる茅の輪かな  鈴木トモオ
縁側のビールの父の隣へと  会田朋代
紅生姜盛りつづけたる敗戦日  牛尾冬吾
逆転無罪くま蟬の尿煌めけり  河添美羽
大南風自転車搾るやうに漕ぐ  小谷由果
星になるかにナイターのホームラン  佐復桂
夏帽の内より正す凹みかな  杉澤さやか
藍甕のくきりと臭し半夏生  つしまいくこ
逢へるかもしれぬと思ふ蟻地獄  福田小桃
胡麻豆腐練り上がりたる西日かな  曲風彦
旅は終盤牧場のソフトクリーム  山根優子
あきくさを妻の窓辺に生けにけり  狩野壽郎
十一の原子炉過ぐる帰省かな  三橋五七
青梅や父の口座に金を入れ  杉本四十九士
蛇苺こどもにもある夕ごころ  犬星星人
髪洗ふ指に残れる怒気すこし  西木理永
瑠璃蜥蜴威風堂々糞りにけり  白山土鳩
日盛りや路地で見返す診断書  土橋胡翔
夜のプール上がり一礼する嫗  南波志稲
三味線のとぎれとぎれの涼しさよ  霜田あゆ美
竈に火一条残る涼しさよ  土屋幸代
ビルの影四掻きでよぎる水馬  濱ノ霞

もっとたくさん好きな句がありました。


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