人間関係で悩む人へ(その2)

人間関係の悩みは誰でもかかえる永遠の問題です。数回にわたり、その悩みについて一緒に考えていきたいと思います。

前回の記事では、

人間関係づくりは、①多くの場合は”家庭”で学習することをお伝えしました。そして、土台がとても大切であることも書かせていただきました。

それでは、人間関係づくりの技術を考える際に、「4つの関係づくりの力」を知る必要があります。

1「繋がる力」

2「断る力」

3「許す力」

4「尊重する力」

その中でも今回は、1「繋がる力」について説明します。

ポルトマンの提唱した説に”生理的早産”という言葉があるように、人間は他の哺乳類に比べて、生まれた時に歩くことも何もできない状態で出生します。子どもは親に完全に依存しなければ生きていくことすらできないのです。その依存している時期をはじめ、小さいころに愛情をたっぷりと感じながら、安心感を得て人間関係の土台を作ることで、人と安心して繋がる力が育まれていきます。安心感がなければ、子どもは親から巣立っていくこともできません。

「繋がる力」が育っていない場合、自分も他人も信じられなくなります。

自分自身も愛せていませんし、誰からも愛されていないと感じます。

迷惑をかけてしまっていると感じてしまうし、自分から離れていってしまうと感じていることも少なくありません。

結果として、依存症や人と距離が近くなることに対する恐怖や関係性を維持する事への不安によって浅い人間関係になってしまいます。

この「繋がる力」は何度も繰り返しますが、人間関係の土台となる部分なので、ここを蔑ろにした状態で次のステップへと進んでも、すぐに人間関係で行き詰まります。

家族との間で「繋がる力」の発育が不十分な場合は、やはりそのことを理解している専門家と繋がる必要があります。

多くの場合は心理職(公認心理師)がその役割を担ってくれるケースが多いでしょう。専門家と一緒に「繋がる力」が育たなかったことについて一緒に振り返ることが大切です。

本当に傷ついたとき、苦しいとき、寂しいときに、「あの人は、傷に塩を塗るのではなくて、暖かい言葉をかけてくれたな」と思い出せる人ができること、その経験を増やしていくことが「繋がる力」を育ててくれます。

「繋がる力」で困っている人は、家族との関係性でできなかったことを育て直していくのも一つかもしれません。





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