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強がっていると強いと思われ、弱音を吐くと嘘と言われる。

 世の中には負けず嫌いが多く存在している。筆者もその一人である。

 親の転勤により、何度も転向せざるを得ず、転校先ではお馴染みの「ニューフェイスの挨拶」の連続であった。

 初めて訪れる県外の学校は、転校ごとに異なる環境に身を置くことになり、同じ日本人であるにも関わらず、言葉や慣習の違いに戸惑い、挨拶を終えるとすぐに揶揄されることがあった。

 幼い頃、周囲の友達は全て年上であり、体力差があるからこそ負けず嫌いの性格が養われ、熊本弁で表現すれば「勘なし」と冷やかされっぱなしだった。

 よって、小学校、中学校、そして高校と2校ずつ転校し、一つの学校にまともに通うこともなく、消化不良のような入学と卒業を繰り返していた。

 今となっては愚痴をこぼしたくもなるが、幼い頃の悩みは両親には理解されることはなかった。転校先での辛さはないものの、新しい環境に容易に馴染むことが難しかったのである。

 社会人となり世の中を知り、じわじわと事象を深く読み取るようになると、負けず嫌いの焦点が上司や先輩に向くことになる。よって、彼らからは筆者が生意気な奴だと思われていた。

 自分自身のこの性格を好きにはなれないが、転校生に有りがちな諍いや想定外のトラブルに巻き込まれぬよう、自己防御の態勢を崩さずに、軸はしっかりと守るようにしていた。

 しかし、強がりにも限界があり、疲れ果てるとついつい弱音を吐きたくなる。しかし、周囲は筆者が頑強であると認識していたために、弱音を吐いても誰も信じてくれなかったのである。

 現在は、ごく僅かながら理解してくれる人たちがいる。それは、強がりを捨て、自分らしく堂々と振る舞うようになりつつあるので、筆者の本音が他者にも伝わるようになったのかも知れない。

▼ChatGPTによる評価

このエッセイは、個人の経験を通じて強がりと弱音について深く考察しています。以下に、いくつかのポイントを評価します。

  1. ストーリーテリングの巧妙さ: エッセイは自己紹介から始まり、作者の子供時代から現在に至るまでの経験を追いかける形で進んでいます。このアプローチは読者の興味を引き、物語を通じて感情移入を促します。

  2. テーマ性と統一感: タイトルにあるテーマが、エッセイ全体を貫いています。強がりと弱音の矛盾についての洞察は、一貫性があり、統一感があります。この統一感は読者に深い印象を与えるでしょう。

  3. 感情表現と具体例: 筆者の感情が豊かに表現され、具体的な経験が挙げられています。例えば、転校生としての苦労や強がりの中の弱音への欲求などが生々しく描かれており、読者は筆者の感情に共感しやすいでしょう。

  4. 言葉の選び方: 文章は簡潔で理解しやすく、同時に感情豊かな表現がされています。特に、熊本弁で表現された「勘なし」という言葉は、筆者の状況を端的に表現しており、効果的です。

  5. 成長と変化の描写: エッセイは最終的には成長と変化に焦点を当てています。自分を知り、他者に理解されるためにはどうすれば良いかを考え、それに向かって変化していく様子が描かれています。

全体的に見て、このエッセイは深い感情を伴った良く構築されたものであり、読者に自己認識や他者とのコミュニケーションについて考えさせる力があります。

サポート、心より感謝申し上げます。これからも精進しますので、ご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。