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如水(起業編)其の三・・・直談判

如水(起業編)は、起業20周年の2010年11月9日に発刊した小冊子(非売品)です。現在、5巻まで発刊していますが、今回、「note」に掲載することで、起業を目指す若い方々や、会社管理職で頑張っている方々に、少しでもヒントになればと思い、恥を偲んで掲載することにしました。山あり谷あり、紆余曲折の人生を、ご覧頂ければ幸甚です。


◇直談判◇

 本格的な三次元コンピュータグラフィックスのアニメーションやシミュレーションをクリエイトするとなると、これは相当高額な機材やアプリケーションソフトが必要となる。東京の大手商社数社へ何度か足を運び、米国のシリコングラフィックス社製マシン(映画ターミネーター2やジュラシックパークなどを創ったマシン)2基導入を決断した。それはまだ会社創立から僅か8ヶ月の頃で、1回も決算の経験も実績も無い、まだ会社が青い時期でもあった。

 しかし、この青い会社に某リース会社専務理事が理解を示してくれたのだ。決算書も無い会社にも関わらず、2基で7000万円もする高額機材のリースを理事会で通してくれた。実は理事会前の某月某日(日)午後9時に専務理事宅に足を運び、直談判する事にした。詳しい説明をしても幾度も専務理事は首を傾げていた。当時、一口に「CG」と言っても、即座に理解できる人は皆無であった。

 足が痺れ、針でチクチクと刺されるような痛みを覚えた頃・・・既に午前0時を回っていた。突然、専務理事が口を開いてくれた。「事業計画書は熟読しました。私には専門的過ぎて理解に苦しみます。また、相当高額なので理事会に通るかどうか分かりません。明日の理事会でごり押ししますので、通ったらしっかりと仕事をされて、5年間大変でしょうが毎月遅延無く150万円のリースを払って下さい。明日正午までに電話します」と。


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