りきごれん

大学教員・研究者。元は有機化学ですが今は複合領域でいろいろと。 読了した書籍、論文の復…

りきごれん

大学教員・研究者。元は有機化学ですが今は複合領域でいろいろと。 読了した書籍、論文の復習がてら記録を残したいと思います。

最近の記事

キーボード:HHKBのキーマップについて

HHKBを使い始めて、 1. コンパクトであること(ファンクションキーの行がないのが実に大きい) 2. にもかかわらず、ちゃんと十字キーがある 3. 打鍵感が良い(この点はREALFORCEの方が好みだが、それでも十分) という素晴らしさを実感している。  一方で少々慣れない部分もあり、今後を踏まえて悩んでいるのがCtrlキーについて。HHKBのCtrlキーは、デフォルトでは普通のキーボードのCapsキーの位置にある。  どうしても従来の指運びを体が覚えてしまっているので

    • HHKBとREALFORCE

      新しいキーボードとして何を購入するか迷っていた。 https://note.com/chikara36/n/naa4cc7514c5d 結局、家電量販店や専門店などに行って試し打ちする時間も取れそうにないので、気になっていたREALFORCEとHHKBの両方とも買ってみることにした。有線のみで良いと思っていたのだが、HHKBは上位モデルでないとキーマップ変更に制限があるみたいので、結果的に無線もできるモデル。 ・HHKB Professional HYBRID Type

      • 【おすすめ書籍③】有機化学の理論

        有機化学の理論(第4版補訂)―学生の質問に答えるノート  今は第5版が出ている。この本を読んだのは確か大学院生に入ってからだが、本当に助けられた。なかなか良さを具体的に説明するのが難しいのだが、特定の内容というよりも、有機化学における頭の使い方について、大きな気付きがあった本である。  有機化学を学び始めた人が最も多くつまづく箇所の一つは、電子論→軌道論に移行する際なんじゃないかと思う。少なくとも自分はそう。軌道論自体は学部の授業で出てくる内容で、別にエチレンのHOMOやL

        • キーボード Realforceにするか、HHKBにするか、それ以前に・・・

          タイピングって、皆どうやって身に着けているんだろう。ちゃんとした指使いをどこかで習っているのだろうか。独学者の方が多いのだろうか。 そもそも研究者は、書籍や論文執筆をはじめ、文章を書く機会は多いけれど、こういうタイピング能力はそれらの業務処理能力にどの程度影響を及ぼしているのだろうか。タイピングが速ければ順当に論文執筆も速くなる気もしなくはないが、書く内容や文章構成を決める過程や、英文構築などが律速になって、タイピング速度はそれほど重要ではない気もする。 実際のところタイ

        キーボード:HHKBのキーマップについて

          【おすすめ書籍②】物理の散歩道

          最高の本だった。 何十年も前の文章だというのに、軽快に読めるし、全てが新鮮で面白い。電車に押し寄せる人ごみの話から始まり、靴は本当に1日置きに履いた方が持ちが良くなるのか、とか、日常のありとあらゆることを興味の向くままに、あーでもない、こうでもない、と物理学者たちが議論を展開していく。日本語文法について、など、物理と全く関係ないトピックもあったりして、それはそれで自由で、アクセントとなっていて良い。 最近は何でも分野融合やらビッグデータ、AIやらでどんどんコトは複雑になっ

          【おすすめ書籍②】物理の散歩道

          2023年末~2024年2月に読んだ、良かった理学書・技術書等まとめ

          忘備録も兼ねて。吟味して買っても、良かったと思える本って三割くらい。 データ解析のための統計モデリング入門  数式は少ないが説明は丁寧で、一気に読んで概略を掴むのには非常に良い本。Rのコードと説明は必要最低限で、R言語の勉強に適した本ではない。 リーダブルコード きれいなPythonプログラミング 2つの本で内容に重複する部分も多いが、どれか一冊は一読しておいて損はない。プログラミング仲間のいない独学者にとっては特にこういうのはありがたい。 入門者のLinux 素

          2023年末~2024年2月に読んだ、良かった理学書・技術書等まとめ

          左手デバイスで研究者のデスクワーク効率を向上する試み② 特殊記号をワンタッチで入力

          Stream Deckシリーズの快適さに感動し、2台目を購入した。その後はデスクワークをしながら、繰り返し作業になっている箇所に気づく度に、この左手デバイスに落とし込んで最適化を試みています。 以前の記事でも取り上げたマルチアクションの機能はなかなか優秀で、例えば最近は、論文を読む際に(論文管理ツールはpaperpile)に、「選択した文章にハイライトを付けて、さらにObsidian(メモアプリ)にその文章を貼り付けて、元のpaperpileの画面に戻る」という一連の操作を

          左手デバイスで研究者のデスクワーク効率を向上する試み② 特殊記号をワンタッチで入力

          【おすすめ書籍①】ゲノム・オデッセイ

          ゲノム・オデッセイ 診断のつかない患者を救う、ある医師によるゲノム医療の記録  以前、知り合いの研究者(米国人)がこの本の原著を強く推していた。興味があったものの、英語で読みきる時間もなさそうだったので買わずにいたが、いつの間にか羊土社から日本語訳本が出ていました。非常に良い本だったので、専門的な記述はなるべく抑えつつ、少しnoteに書いてみます。 ゲノム医療、といったときに、なんとなく「個人個人の遺伝子(ゲノム)の情報を元に、それぞれの患者に最適な治療をしてくれる」位の

          【おすすめ書籍①】ゲノム・オデッセイ

          左手デバイスで研究者のデスクワーク効率を向上する試み

           研究者として、一日のなるべく多くの時間を、研究・学問のことを考える時間を使いたいと考えています。いかに没頭できるかが大事なので、他の作業をどう快適にしていくかが非常に重要です。一方、研究やプレゼンテーションに必要なアプリ・ツールの種類は多く、また魅力的なものが次々と登場するため、操作を覚えるだけでもひと苦労。どうにかならないかと考えていました。そんな中、「左手デバイス」というものの存在を知り、熟考の末、”Stream Deck MK.2 (https://www.elgat

          左手デバイスで研究者のデスクワーク効率を向上する試み

          異分野の学習は自分の学術研究に活きるのか

          私は大学研究者で、最近、いろいろと悩みながら勉強しています。そんな中で「私たちはどう学んでいるのか ─創発から見る認知の変化(鈴木 宏昭 著)」を読了しました。 https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480684318/  10年来、私は自分の研究領域(主に化学、ときどき生物)に特化・偏重した学習をしてきました。が、少々その状況に閉塞感を感じてきた(というよりはちょっぴり飽きてきた)こともあって、ここ数年は意識的に、研究分野

          異分野の学習は自分の学術研究に活きるのか