伊藤整「日本文壇史」

この本を読むのは2回目で最初は古本屋で単行本で読んだ。読んだといっても中途でやめてしまった。
30年くらい前に文庫本で出て全巻買っておいたがなかなか読むことが出来なかったが去年末から読み始めた。
去年の12月中頃から1月の初めまでで約半分の9巻まで読み進んだわけでなかなかのペースではないかと思っている。
感想を一言で言えば「面白い」に尽きる。明治の有名な文人だけでなく聞いたことのない文人のその生涯迄詳しくそして短くまとめられていた。作者の思いはそれほどなくて出来事が淡々と綴られているので抵抗なく読み進めることが出来る。
明治の文人は有名無名に係わらずしょっちゅう引越しをしている。そして病気に苦しめられ家庭に問題がありそして貧乏だ。そしてなによりも自分の進むべき道を迷い続けてしかしいつも希望を持っている。精神は不安定で自信だけは満々である。
明治という時代は日本の近代史の中では青春の時代だといった人がいる。そういう意味では明治の文人はその青春という言葉を体現しているとも言える。
この伊藤整の「日本文壇史」は多くの人にこれからも読まれるべきだ。様々な人間の生きざまが描かれている。私にとっては最高の人生論的作品とも言える。

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