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#048【治療終了94日経過】身体に起きた様々な変化を確認する

2019年8月16日

昨日は一ヶ月ぶりの定期検診で頭頸部外科へ。前回新たに発見された右側の腫瘍らしき影の正体を突き止めるべく再検査を受けたのだけど、前回となにも変わっていないとのことで、今回も結論は持ち越し。また来月様子を見ましょうとのこと。

悪くはなっていないのだけど、消失したわけでもない。なんとも煮え切らない結果だがそれが現実なのだろう。たとえ今回のこの影が限りなく良性なものであったとしても、ほんの少しでも悪性の可能性があれば医者はそれを「大丈夫」とは断定しない。結果として患者の気持ちは宙ぶらりんのまま、また来月、また来月・・・と持ち越され続ける。なんだかだんだん気持ちが疲れてきたよママン。

味覚がおかしいのは相変わらずなんだけど、これももう毎回文章に書き記してもしょうがないよね。ひょっとしたらずっとこのままなのかもしれないな、なんてだんだんと諦めの境地に入ってきている。悲しいことに美味しかった味の記憶というのが徐々に自分の中で薄くなってきていて、美味しかったはずの様々な食べ物や飲み物がかつてはどんな味だったのかを思い出せなくなりつつあるのだ。いつの間にやら苦味と酸味でコーティングされたような抑揚のない味わいが自分にとって標準になりつつある。食への興味はすっかり薄れ、美味しい食べ物を口にした際の幸福感もすっかり遠い記憶となってしまった。人生ってこんなに味気なかったっけね。まさに文字通り「味気ない」だ。笑っちゃうよな。

唯一の救いは味覚以外の体調は好調であるということ。ちょっとまだ体力的にはおぼつかない部分もあるけれど、ほぼほぼ日常生活はこなせるようになってきた。ただなんというか、若干身体の細かいコントロールがいまいち効かないというか、ちょっと違和感を覚える時がたまにあったりする。具体的にいうと右足の足首がうまく動かない。いわゆる足関節の背屈、足首をのけ反らせるという行為が右足だけ上手くできなくなってしまった。足首が反らないというのは歩くときにつま先が持ち上がらないということで、何もないところでつまづいてコケたり、無意識にサンダルが脱げてしまったりといった想定外の事態が起こる。

それ以外にも自覚している症状はいくつかあるのだけれど、いずれも日常生活において致命的な弊害はもたらさないのだけれど、地味にストレスにつながる部分だ。ジジイになって自分の身体が思い通りに動かせなくなった時の苛立ちがよく分かる気がする。これで名実ともにジジイの仲間入りだ。

あとは放射線の影響なのか何なのかよくわからないのだけど、いくつか身体の機能や特性が変わったところがある。

ヒゲが濃くなった。
元々体毛は薄い方で、ヒゲも数日放置していてもさほど目立たないくらいだったのだけど、1日剃らないだけで黒々と目立つようになった。坊主にヒゲって、何というか「いかにも」な感じで自分としてはあまり伸ばす気にはならないのだけれど、将来的に伸ばす気になった際には良いのかもしれない。

耳垢が粉タイプになった。
人間の耳垢は粉タイプと液状タイプと2種類あるそうで、俺は生まれてこのかたずっと液状タイプだったのだけど、いつの間にやら粉タイプの耳垢になっていた。一説によれば耳垢のタイプは遺伝で決まるものらしいのだけど、抗がん剤や放射線というのはそのような根本的な遺伝情報さえも塗り替えてしまうというのだろうか。地味に恐怖を感じる。
ちなみに日常的には何も困らないのだけれど、風呂上がりに綿棒でスッキリ♪といった爽快感が薄れた気がする。やはり耳かきを使わなければいけないのだろうか。

ベロが右に回転できるようになった。
何をいってるのかわからない人も多いと思うが、YouTubeで動画を見つけたので、興味ある方はこちらをどうぞ
これも一説によると出来る出来ないというのは遺伝で決まっているらしく、出来ない人は訓練しても出来るようにはならないそうだ。俺も以前は左にしか回転できなかったのだけれど、いつの間にやら右にも回転できるようになった。これも遺伝情報が塗り替えられた結果なのだろうか。

耳が動くようになった。
もはやギャグでしかないというか、全くガン治療とは関係ないような気もするが、左側の耳をピクピクと動かせるようになった。
動かせるのは放射線を照射されていた側の左耳だけで、右はどんなに力を入れてもピクリとも動かない。というかどこに力を入れていいのかすらわからないのだけれど、左はだいぶ大きく動かすことができる。
小学校の同じクラスに田中くんというお調子者キャラがいて、彼の持ちネタが「なんちゃって〜」と言いながら白目をむいて舌を出して両耳をピクピク動かすというものだったのだけれど、35年ぶりくらいに彼のことを思い出した。
まだ田中くんのように両耳は動かせないけれど、片耳だけでもそれなりにウケるかと思い、夜中に鏡の前でこっそり「なんちゃって〜」をやってみた。
全然面白くねえよ、なんであの頃はあんなに盛り上がったんだ?


これらの身体の変化は何を示唆しているのだろうか。
また気がつくことがあれば報告します。


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美味しい食べ物とか、子供達へのおみやげとか、少しでもハッピーな気持ちで治療を受ける足しにできれば嬉しいです。

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野田 力(Chikara Noda)

2児の父。産前産後の女性の身体を整えたり、整え方を教えたりするのがおしごと。2019年2月に中咽頭がんの告知を受ける。自分を見つめ直しながら癌を乗り越え、克服していく過程を綴っていけたらいいなと思います。

治療終了後

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