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GLOBISの乱読帳2022年3月~GED編~

グロービスの様々な部門の書き手が毎月書籍を紹介します。今月は法人向けの新規営業・商品開発などを担うグロービス・エグゼクティブ・ディベロップメント(GED)の2名(結局、豆大福に戻ってくる髙橋、QOLが上がる家具のレイアウト探しにはまっている阿部)編です。

年度末でバタバタと過ごしていた方も多いであろう3月。忙しいからこそ、「新しい年度はどうスタートを切ろうか」について、読書で改めて考える時間を作ってみてはどうでしょうか?

『マインドセット―― 「やればできる!」の研究』著:キャロル・S・ドゥエック、訳:今西 康子

(推薦:髙橋)

仕事や試験で思い通りの成果が上げられなかったとき、あなたの頭にはどんな言葉が浮かんできますか?もしかして「自分はダメな人間だ」「拒絶されているような感じがする」とかでしょうか?
こんな風に感じてしまうのは、あなたが"硬直したマインドセット"の持ち主だからかもしれません。かくいう私もその一人でしたが、この本を通して"しなやかなマインドセット"を持つことの大切さについて学ぶことができました。

本書では、人間は次の2ついずれか、あるいは両方の持ち主であるという説について、数々の事例を交えて紹介しています。
1つ目は、自分の能力は生まれもってのものであって、固定的で変わらないと信じる人=硬直したマインドセットの持ち主である説。そして2つ目は、人間の基本的資質は努力次第で伸ばすことができると信じる人=しなやかなマインドセットの持ち主である説。

著者は2つ目の説、しなやかなマインドセットを持った方が間違いなくうまくいくと伝えています。しなやかなマインドセットの持ち主であれば、結果に一喜一憂することなく、「困難に感じるときこそ成長の過程」と捉える考え方ができるのです。これはビジネス・スポーツ・人間関係・子育てにも通ずるものと書かれていて、どの場面においても参考になるのではないでしょうか。

事例には様々な人物が登場しますが、私の大好きなバスケの神様マイケル・ジョーダンがしなやかなマインドセットの持ち主として紹介されていたのが印象的でした!(彼はバスケの才能以上に努力家だったことで有名です)

この本を読み始めた時点では「自分は硬直したマインドセットの場面が多いな」と複雑な気持ちになりました。しかし、読み進めていくと「だからこそ、しなやかなマインドセットに変えていければ、まだまだ成長していけるってことだな!」とポジティブに考えられるようになっていきました。この考え方も、しなやかなマインドセットを持てた証だと思います。

大人になっても、まだまだ成長できるものだと背中を押してくれる一冊です。新生活のスタートに一読されてはいかがでしょうか。

『名著17冊の著者との往復書簡で読み解く 人事の成り立ち 「誰もが階段を上れる社会」の希望と葛藤』海老原 嗣生、荻野 進介

(推薦:阿部)

――日本型雇用の良さは気づくのも説明するのも難しく、だから日本型は批判ばかりされることになります。こうなると、日本型擁護論者はへそをまげて、日本型の問題点を素直に認めなくなってきます。
これでは改革は進まないでしょう。だから、一度、日本型の良さ、欧米型の悪いところをしっかりまとめておこうと思ったのです。

上記は本書のカバーを折り返した、そでに書かれた文章です。これを目にして、私は日本型雇用の良さをしっかりと捉えることができていなかったのだと痛感しました。

本書は戦後から現在までを6つの時代に分け、日本の雇用制度について歴史的な背景を含めながら解説しています。各時代の日本型雇用に関連する名著17冊の著者と、筆者である海老原氏との往復書簡をまとめたという特徴的な構成になっています。

そして、日本型雇用と欧米型雇用を比較してのメリットデメリットがわかりやすく記載されています。例えば「日本企業は強い人事権がある一方、ジョブ型の欧米企業は職務限定雇用で、企業が勝手に働く人の職務を変更できない。そのため、役職も給与も変わらない異動は本人に同意してもらいにくく、企業は人員補充に難渋することが多い」といったものです。ジョブ型を代表とする欧米型雇用は新しさからかよいものであると思いがちですが、その実情や、デメリットについても考えを巡らせることができていたのか?と、自分の先入観と向き合うきっかけになりました。

上長から1on1ですすめられ本書を手に取ったのですが、一読するだけで完全に理解するのは難しいと感じたのが正直なところです。ですがグロービスのセールスとして、人事という分野に対し、常に自分の誤った印象や認識をしっかり正して向き合いつづけることの必要性を実感した一冊でした。

人事に関わる方はぜひ本書を手に取って、改めて日本型雇用と欧米型雇用について考えてみてはいかがでしょうか。

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いかがでしたか?皆さんも読書を楽しんで下さい。
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