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読書録: 『ピボットストラテジー』

アクセンチュアが実際に経験してきた「事業転換」をはじめとした、様々な企業のケースが盛り込まれた本。通説との対比に留意して、この本のメッセージをまとめるなら、下記の2つになるだろう。

デジタル技術の進化によって、成熟産業・衰退産業とされていても、新たな価値の創出が可能になっている。そのため、「新規事業に集中」するのではなく、過去の事業(衰退産業)や現在の事業(成熟しつつある産業)にも投資を行い、新たな価値を創出し、新規事業に振り向けるための利益を得る必要がある。

・イノベーション、財務規律、企業文化は、決して「大胆に振り切ればいい」のではなく、既存事業と融合させながら、「レバーで調整するように」ケースバイケースで対応する必要がある。

この2つの主張を補強するために、古今東西(フィリップスの白熱灯事業から、任天堂のSwitchまで)様々な実例をまとめている。ただ、同じことの繰り返しも目立つので、若干飽きるかも。

前も書いたかもしれないが、ビジネスモデルのストックを目的として読んだので、「企業戦略の大枠」について述べられたこの本は少し期待外れだった。ただそれは、自分が持っていた期待値に合っていなかったというだけで、この本の評価を下げるものではない。ただ、正直に言えば、「新しい枠組みで御社のイノベーションを加速させるために、アクセンチュアに相談してね!」という宣伝本に見えてしまったような気もする。まあ、本を書く目的の一つなんだから当たり前なんだけれども。

自分が何か組織や事業を任された時に、考え方のヒントを得るような本だと思う。僕のようなぺーぺー平社員にはまだ早いのかもしれない。

おすすめ度: ★★☆☆☆


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