アフリカマラウイの小学校にブラック校則はある?①【校則編】
今、日本でホットな話題のブラック校則。多文化共生社会が進み、価値観が多様化していく中、髪型の強制や服装の細かすぎる決まりなど、時代にマッチしていないものも多い。それらを大急ぎで見直している最中だ。
遠く離れたアフリカのマラウイでは、校則問題はないのだろうか。また、日本とどんな違いがあるのだろうか。自分が現地で見てきた情報に加えて、マラウイ人の知り合いから、校則やきまりについて色々情報を集めてみた。
マラウイの校則いろいろ
マラウイの小学校の校則は、たいてい職員室の壁の目立つところに大きく掲示されている。
日本では、最近になって校則を公開する動きがあるが、マラウイではすでに、でかでかと分かりやすく掲示されているから、公開されているようなものである。
首都の学校や農村部の学校など、5つの学校の校則を紹介する。
校則1
この学校では、掲示物としてではなく、ペンキで職員室の外の壁に書かれていた。この校則をみると、ルールというより日本の学校での「目標」に近いものが多い。髪型のことは「身だしなみ(Neat)」にも含まれる。
校則2
薬物乱用、性的関係についての項目が明記されているのが特筆すべき点だろう。小学校といっても、日本とは違い8年制であること、留年があることを考慮すれば、妥当だと思う。
校則3
「授業中は、教室の中にいなくてはいけない」というのが当たり前すぎて、おもしろい。おかゆの配給は、ある学校とない学校がある。朝7時登校は、日本より1時間も早い。
校則4
8年生まであるから、やはり喫煙・飲酒のルールは必要だ。お弁当持参のルールがあるということは、おかゆ配給がない学校なのだろう。お弁当を持ってこられずに、午後2時過ぎの下校時刻まで、腹をすかしたまま授業を受けている子どももめずらしくない。
☆☆時間割についてはコチラの記事☆☆
校則5
この学校は首都の市街地にある小学校。比較的裕福な家庭が多い地域だから、電子機器を持っている小学生が多いのだろう。また、ファッションや化粧についても決められているところに、首都らしさが出ている。
「いつでも英語を話します」は、英語教育の観点からは素晴らしいルールなのだろうが、母語を大切にするという面では、果たして良いのかどうか判断は難しい。
マラウイでは、英語はただの外国語ではなく第2公用語だ。さらに、小学校5年生から全教科英語での授業となる。また、高等教育機関では、友人同士の会話においても英語が推奨されている。ちなみに、国歌も現地語バージョンと英語バージョンがあり、私の勤務先の大学の集会では英語バージョンを歌っていた。
マラウイでの英語重視策は、日本でのかつての「方言禁止」を彷彿とさせる。日本では、共通語教育が重視されるあまり、方言の使用が学校で禁止されていた時代がある。沖縄県では、学校で方言を使うと、罰として「方言札」と書かれた板切れを首に掛けさせるというようなことがあった。
社会に出てからも、きれいな英語を話せることがステータスの1つとなるマラウイ。英語は公用語でもあるし、重要度が日本とは比較にならないのは言うまでもないが、それでもやはり、母語は大切にしていってほしい。
5つの校則の共通点
ここまで見てきた、5つの小学校の校則には共通点がある。
そう、マラウイが最も苦手とする「時間を守る」ことについてのきまりが、どの学校でもトップに来ているのだ。それでもやはり、様々なことがマラウイタイムで進んでいくのが、マラウイらしさなのだが。
今回は校則全般について紹介した。次の記事では、マラウイの小学校での髪型のきまりについて紹介したい。
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