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テラスハウスで人間力を学ぶ

みなさん、食わず嫌いなものってありますか。

わたし、食わず嫌いするという行為が嫌いで、食べ物とか「これ嫌いだから食べない」みたいなことを言う人がいると、すかさず「最後に食べたの、いつ?」と聞き、
「こ、子どもの頃……」なんて言うものなら「美味しいよ! 子どもの頃と今じゃ味覚変わってるから食べてみな!」と、無理やりに食べさせるという迷惑な行為をしがちです。

なんでそんなことするのって言ったら、昔、父に「食わず嫌いの多い人は、人に対しても好き嫌いをしてしまう。あまり接したことがないのに、すぐに嫌いと決めつけるからよくない」と言われたことを、ずっと覚えているからなのだった。(きっと父は適当に言ったことなのだろうけど)

それを聞いてわたしは、確かに! 何事も経験だ、ちゃんと経験してからものごとを判断しないと偏見の多い人生になる! と、そのとき思ったのだった。

そんなことから、
「色んなジャンルの人と接しよう、何でも一度は食べてみよう、やったことないことにも挑戦してみよう、すなわち色々な経験をしよう!
という人生のスローガンを掲げて生きてきたのだけど、

わたし……そんなことできていなかった。

テラスハウスという番組が、下らないものだと、一度も、ちゃんと見てもいないのに決めつけていたのだ。


テラスハウスが地上波で始まった頃、ザッピングをしていたらたまたまやっていたので、チラリと見たことがあった。

お洒落な映像に、ドラマのようなカメラワーク、一軒家に住む若者たちの日常を映し出すリアリティ番組。

パッと見た印象は、これがリアリティ番組? カメラワークとか、行く店とか、完全に予定組んで許可とって撮影してるじゃーん、というのが正直なところだった。

その後テラスハウスは大流行し、テラスハウスに出演していた人は次々に有名人となり、周りの友人からも、テラスハウス見てる? という声がちらほら聞こえた。

みんな、若者たちのおしゃれでキラキラした恋愛模様が好きなのね、見たらハマるんだろうけど、何だかそんなものにハマってる自分、嫌だし、ハマっちゃったら見てる時間もったいないし、見ないでいいや、と思い続けていたのである。


それから時は経って、去年の夏。

友人宅に遊びに行くと、友人はテラスハウスをテレビで流した。
ああ、テラスハウス見たことないんだよね、あれってどうやって撮ってるの、台本あるでしょ、とわたしが言うと、
いやでも、みんな反応とかめちゃくちゃ自然だし、やらせじゃないと思うんだよね! と友人。

そうなんだ、どれどれ、と流れで見ることに。

6人の男女が一軒家に次々と現れ、挨拶をしていく。今どきの、芸能人やモデルのような容姿の整ったお洒落な若者たちだ。

初めは、自己紹介、誰が第一印象がいいだとか、誰が誰をデートに誘うだとか、そんなゆるい何気ない日常が流れていたのだけど、何話も続けて見ていると、徐々にバトルが勃発していった。

6人の中で、誰かと誰かの馬が合わず、イライラして裏切りのような問題行動を起こしてしまったり、人の日々の行動や思想を見てそれは間違っている! と責めて喧嘩をしたり、そんな恋愛とはあまり関係のないような揉め事が、次々に繰り広げられていた。

それを見て、山里さんやYOUさんなどのスタジオメンバーが、人間関係を考察していく。
この人のこういう言い方は良くなかっただとか、この人は実はこういう人なんじゃないのか、とか。

それで、自分も一緒になって考えてみる。

6人の見た目や話し方、普段の発言や行動などを分析して、この人はどんな人なのか、どういう気持ちなのか、揉め事があったら、誰が悪いのかどうしたらよかったのか……
なんかまるで道徳の授業と言うか、ディベートの授業のような気持ちになってくる。

もちろん番組を盛り上げる為に面白く誇張され編集されているのだろうし、本当にどんな人間なのかなんて自分が接してみないとわからないのだけど、まんまとハマって、出演者がどんな動きをするのか、本当はどんな人間なのか、続きが気になってしまう! のである。

そんなこんなで、私はテラスハウスにハマり、今までの食わず嫌いを反省し、家でも暇な時に過去のシリーズも色々と見漁っていた。

それで思った。テラスハウス、本当に人間関係の勉強になる。為になる!

こういう時はこの人みたいにこうしちゃいけないんだな、と反面教師的に見たり、この人のこういうところ素敵だな、と参考にしたりもするし、入居しては卒業していく人を何人も見ていると、本当に良い人とダメな人を見極める力、みたいなのもついてくる、気がする。


それで、わたしなりに色々気づいたことがあって、それは、

テラスハウスに出てくる人間の種類は、だいたい、ダメな人、モテる人、良い人、普通の人に分かれるんじゃないか、ということ。

ダメな人は、人に迷惑をかけたり意味わからない行動をとって人間関係を壊す人。

モテる人は、わかりやすいキャッチーな魅力のある人。
(それはルックス・色気・センス・ユーモア・親しみやすさ、という、その人の持っている雰囲気みたいなこと)

良い人というのは、賢くて人間力が備わっている人のこと。

普通の人は、そのどれにでもちょっと当てはまり、ちょっと当てはまらない人。(まあつまり……普通の人だよね)

それで、テラスハウスの1シーズンにいつも1人くらいいる、「うわあ、どんなときもこの人って素晴らしい立ち振る舞いをするな!」という、良い人の持つ、人間力みたいなものってどういうことなんだろう、と考えてみた。

何がどうなっているから、良い人~!って思うのだろうか、と。良い人の仕組み、みたいな。

それで私が考えたのは、以下4つ。

1.空気を読む力があること

2.人の立場になって考えられる思いやりがあること

3.自分の考えを持って意見をきちんと言えること

4.決して感情的にならないこと

つまり、周りを見ることができて、自分と違う価値観を受け入れる優しさがあって、その上、ただ同調しているだけでなく自分の意見が言える人、怒ったり泣いたりせず冷静で公平な目で見られる人、というのが人間力の高い人なのではないでしょうか。

でも、どんなに良い人でも、モテる人の持つ、キャッチ―な異性としての魅力がないと、良い人で終わってしまってモテなかったりするんですよね。

モテる且つ、良い人っていうのは最強ですね。恋人としてもパートナーとしても、ずっと上手くやっていけそう。そんな完璧な人はなかなかいないのかもしれないけど。


本来そういう人間力って、自分が身を持って色んな人と関わって、人間関係で良いことも悪いことも経験して、揉まれて身に着くものだと思うけど、テラスハウスは自分でそんな経験をしなくても、見て学べるから良いですよね。
様々な人間関係を疑似体感させてくれるテラスハウスって、なんだかすごい壮大な人間関係教育の授業のような感じがする!(……言い過ぎた)

しかもこうやって人間を観察、分析する力がつけば、今の高校生とかって将来、良いパートナーを簡単に見つけることができそう、ダメな人に引っかからなさそう、なーんて思ったり。

新しい道徳の授業で、テラスハウス見てディスカッションする、とかどうですか、ね!


現在、テラスハウスは、コロナの影響で撮影を休止するとのことなので、ちょっと寂しい。

復活を楽しみにしています!

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