見出し画像

公務員はコロナ禍でテレワークはできたのか(殴り書き)

結論:できませんでした

あくまでサンプル:1として見てください。

コロナ禍が始まった当初

COVID-19が猛威を振るい始めたのは、2020年の初旬でしたでしょうか。
最初の段階ではコロナウィルスがどのようなものなのか、手探り状態が続いて方針が定まらない、そんな感じでした。
私の役所では、「ぎりぎり退職の送別会ができたわー。良かったー」といったレベルの意識の低さだったので、何とも言えないですね。

はっきりと対策として始まったのは、2020年度が始まってから。
職場内の密度を下げましょうということで、同じフロアの人数の半分まで出勤して、残り半分は在宅勤務にする方針になりました。
「ほうほう、テレワークか。機材どうするのかな」と思ってその後の通達を待っていましたが音沙汰無く、こちらからどうするのか確認したところ次のような回答が。

個人情報を始め、職場以内の情報資産の持ち出しは許可しない。自席のパソコンを持ち帰ることも認めない。テレワークは各自出来ることを考えてやってください。

思わず自分より年齢が干支一回り上の職員の方に向かって「マジかよ」と口走ったことを覚えています。

言いたいことはわかります。個人情報を持ち出して流出沙汰になったら目も当てられません。持ち出した情報を悪用する職員も出始めることも想定されます。この時はまだ体制が整っていませんでした。しょうがない。
(たとえば「自治体テレワークシステム for LGWAN」が始まったのも2020年の12月でしたっけ)

じゃあ何するの、せめてオフラインのパソコンくらい持ち帰らせてよ、持ち帰れないなら補助金の資料作成も出来ないし会議録も書けないじゃん、工事の設計も積算も出来ないじゃないですか、何すりゃいいんですかね?といったことをぶつけると、「自分で考えろ」「他自治体の先進事例を調べるとかあるでしょう」と。マジか。ただのやってるアピールでした。
そんな薄っぺらいやり取りをしただけ私はマシだったのかもしれません。
他の職員は意気揚々と「在宅勤務します!」と宣言したので、何をしたのか後日聞いたところ「編み物をしていた」「庭の草刈りをした」とかいうふざけた回答を頂きました。それ給料泥棒だから
そんなんだったら普通に出勤させてよと訴えましたが、分散勤務はトップからの決定事項であったため、結局自分は土日出勤して代休で平日の2日を潰して、なるべく職場に出勤するようにしました。どうしても在宅勤務扱いになる日は有休にして良心の呵責を抑えていました。なんですが、これは業務が非常に効率が悪かったです。出勤しても一人なので、書類作成はスムーズにいっても、その後の決裁を取るまでにタイムラグがあり、また修正事項が発生するとそこでストップするのでダメでしたね。

分散勤務は途中で終わる

誰かが号令をかけたわけではないのですが、夏が始まる頃には分散勤務が終了していました。
アクリルのパーテーションが設置され、隣の席との境が出来ました。それで良しとなったのかもしれません。
自宅から在宅勤務出来ないので、結局文書の決裁が進まないことが一番の原因だったのかもしれません。
あと、他の職員から離れたエリアに「作業ブース」なるものが用意されましたが、誰も使わずいつの間にか撤去されていました。

テレワーク用端末が導入される・・・が

2021年になりかけのころ、「テレワーク用端末が用意されました」とのアナウンスが。
どんなシステムなのかは割愛しますが、ざっくり言うと外部から職場のパソコンをリモートで操作するタイプのやつです。
「ほうほうじゃあテレワークしてみましょうかね」となるわけですが、端末の数が何故か10台程度。
職員の数はその50倍はいますね。

しかもテレワークする場合は事前に申請書()を書いてその審査を受けたうえで、テレワークしたい前の週までに許可を得ないといけないとのこと。
許可条件は、電車通勤であることとか家族がエッセンシャルワーカーであることとか、wi-fiがダメでケーブル接続じゃないとダメだとか条件が厳しかったことを覚えています。
いやうちの職員ほぼクルマ通勤だよね?

そんなんで私が職場をやめる2022年度末時点での稼働実績は100人日も行ってないはず。やってるって話を本当に聞かなかった。何のために導入したんですかね…。

代わりにコロナ休暇が充実する

分散勤務は無くなり、テレワークも煩雑化し形骸化しましたが、うちの職場はこの点は素晴らしいと思います。
コロナに罹患した時点で、十分な休暇が取れました。長い人で1か月近く休めたと思います。
またワクチン接種する度に2,3日程度休みが取れました。副反応出ても安心です。
微熱が出たら出勤しなくてオッケーでした。家族がコロナの「疑い」が晴れるまで同じく職免です。優しい。
(その間に溜まった仕事については誰も助けません)
「だから安心してコロナになっていいよ!」というわけではないんですけどね…。

テレワークは公務員になじまないのか

実際、県庁や他市町村ではテレワークが定常的に実施出来ていたわけなので、出来ないはずはないんですよね。もっとも友人からの話ではテレワークの弊害もあるそうですが、うちの職場の場合はハナからテレワークすることを諦めていた節があるので論外です。

ではなんでテレワークはなじまなかったのか。
ある席で上の人と、「なぜうちの職場はそこまでテレワークに拒否反応を示すのか」ということについて話したところ、情報資産の扱いについてもそうですが、職員のコントロールが出来なくなることを恐れている感じを受けました。上司の目が届かない、業者とどのような連絡をしているかがわからなくなる、仕事の進捗がわかりづらい、そんな懸念を聞かされました。心配しすぎではと思いましたが、編み物をしているような職員を思えばさもありなんですね。なので、手続きを煩雑化してテレワークさせないようにしていたのかなと今では思います。(人材の問題と言ってはいけない

また、職員間の不平等感についても考えないといけないですね。在宅勤務するということは、窓口業務を一切しないということになります。苦情の電話も受けなくていいです。すごく仕事が捗ると同時に、ストレスから解放されます。でも代わりに窓口業務をしている人がいるんです。その人のことはだれか気にかけてくれるのかな?となります。それこそ交代で在宅勤務する?でもそのシフト組める?組めないよね・・・ということも。

最後に

私みたいな文句だけ言う口だけの人よりも現場はもっと考えているとは思いますが、人事にはテレワークをやると言った以上は、テレワークの実施体制について真剣に考えてほしかったなと思っています。考えたうえで「出来ませんでした」なら納得できます。実際、窓口業務がある部署でテレワークを実施する方策は私には思いつきません。
それでもパソコンだけ用意して「テレワークできます(※1※2※3)」みたいなのはダメですよね。それこそコロナ禍で実施されたテレワークの先進事例を調べてほしいなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?