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デンマークの大学院出願・大学環境について

こんにちは、Chisatoです。

1月に大学での秋学期試験が終わり、私のコペンハーゲン大学での修士課程も残すところ1学期間となりました。
最終学期は、学生らしく、論文執筆に追われている毎日です。

最近は、自分の大学院生活を振り返ったりするのですが、そもそも2年と少し前、私がデンマークの修士課程にアプライした際に、デンマークの大学生活について巷で得られる情報は、非常に少ないなあ、と思っていました。

フォルケホイスコーレ留学に関しては、インターネット上でも結構出てくるのですが。

実際大学院に進学してからも、大学の授業で日本人と関わることは全くないので(デンマークには交換留学生は結構いるようです)、そもそも日本人のデンマークの大学への進学は少ないとも感じています。

例えば、自分の学科に日本人は他におらず、以前過去の資料を見たときに、もしかしたら日本にルーツのある学生が一人いたのかも?といった感じでした。

こんなことを考えているうちに、今回の記事では、自分の専攻学科での経験を含めて、デンマークの大学院の出願や大学環境について紹介することしました。

これからデンマークにいらっしゃる方や、大学機関で学ばれる方の参考になればと思います。


ちなみに、私はデンマークの首都コペンハーゲンにある、コペンハーゲン大学の修士課程、M.A. in Advanced Migration Studies(応用移住研究)に2022年9月から在籍しています。

デンマークでは、修士課程レベルになると、英語で研究可能な専攻学科が多数あり、Advanced Migration Studiesもその一つです。

デンマークの修士課程は現時点で原則2年間のプログラムがほとんどです。

また、かなり限りがありますが、Københavns Professionshøjskole(略称KP)やCopenhagen Business School(略称CBS)等では、学士課程レベルでも英語で学位の取れる学科があると聞いたことがあります。


デンマークの大学院出願について


デンマークの大学入学試験は、オンラインでの出願になります。

私の場合は、デンマークとカナダの大学院のプログラムいくつかに応募したのですが、IELTSやTOEFLなどの英語のスコアや、学士課程の英語の成績表と卒業証明書、過去に書いた英語論文の提出、志望動機書(研究計画書)、学士課程で受講したすべての授業のシラバスの英訳などなど、準備するものがたくさんありました。

(ちなみに、デンマークでは最初から研究室に入ることはなく、修士論文を書くときに指導教官が決まりますが、カナダの大学院は出願前に指導教官に承諾を得る必要などがあり、国によって出願スタイルが非常に異なる実感でした。)

当時日本でフルタイムの仕事をしていましたので、出願時期の約7か月前からゆっくりと準備を始めました。

出願書類の確認については、出願年度や学科によって異なりますので、ご自身で大学の出願ページで確認することをお勧めします。

私が特に準備に時間がかかったのは、学士課程で受講したすべての授業のシラバスの英訳でした。

私が日本で学士課程を修了した大学のシラバスは、日本語でしか残されておらず、大学にお願いしてもダメでしたので、130単位分くらいの授業のシラバスをすべて探し出し、文章を翻訳しオリジナルと英訳版の長~いPDFを作成するという地道な作業に追われました。

聞くところによれば、コペンハーゲン大学の出願の際にはどこの学科でも皆さんこのようにして提出されていた様でした。

また、EU圏内の人とEU圏外の人の出願時期が異なります。

デンマークの大学は、EU圏内の学生は学費無料な上に、出願も入学の数か月前まで受け付けていますが、EU圏外の人は入学の半年以上前が出願締め切りになるので、各学科の出願ページで要確認です。

EU圏外出身者は学費はかかりますが、アメリカやカナダ等の大学院と比べれば額が小さいです。

私の場合、1年間で75,000デンマーククローナ(2024.2月時点のレートで約164万円ちょっと)ですが、ビジネス大学や理系分野は年間80,000デンマーククローナ(約175万円)を超える様でした。

ヨーロッパ諸国でも学費に関しては様々で、フィンランドやドイツではEU圏外出身でも学費無料なプログラムもあれば、デンマークやスウェーデン等の国では学費がかかります。

また、合否の通知も決まった日程はなく、忘れたころに突然メールが届きます。

これも人によって本当に様々で、私の場合は1月の頭に出願して3月には通知が来ましたが、6月頃に通知が来たと話していたEU圏外出身のクラスメイトもいます。

合格通知が来ると承諾するか否か返事をすることになりますが、数週間の期限内に返事をしないと合格取り消しになります。

返事をした後は入学の直前まで、ビザの申請をすること以外特に大学側から連絡もなくほったらかしでしたので、私は大学全体のオリエンテーションにも参加せず、学科のどうしても参加しなくてはならないオリエンテーションの数日前まで日本で仕事を続けました(笑)

大学環境について

デンマークの大学院に進学する学生のバッグラウンドは様々ですが、学士課程卒業からストレートで修士課程に進学している人は少ない印象です。

これは分野にもよるとは思いますが、特にデンマークではギャップイヤーや職業経験を経てからアカデミアに戻ってくる学生が大半ですので、年齢の幅は広いと思います。

私の専攻プログラムが英語であることもありますが、さまざまなバックグラウンドを持つ学生の授業でのディスカッションでは、色々な視点での意見が出てきて非常に面白いです。

また、毎授業で課される課題の量はかなり差がありますが、私の所属する修士課程の授業では50~100ページくらいの論文の量でした。

基本的な授業の流れは、これらを読んできて、授業中にディスカッションをして理解を深めます。

一つの論文内容を一人が10分程度の長さにまとめてきて授業中に発表する、といった授業も過去にありました。

とにかく、日本の教育の場とは違い、生徒が主体の時間が非常に長いです。

特に意見を言わないときは「あなたはどうなの?」と突然ふられてヒヤリとしたこともありました(笑)

大学の学習環境設備は、大学やキャンパスによって様々ですが、私が主に使っているコペンハーゲン大学の南キャンパス(Islands brygge駅目の前)は、大体平日20時(土日休館)まで開館しており、建物の設計も吹き抜けや窓の大きいお部屋も多く、作業がしやすいです。

コペンハーゲン大学南キャンパスの図書館

修士課程以上の学生専用のエリアもあり、私はそのエリアが静かで、他の学生も頑張っていてモチベーションが上がるので、お気に入りです。

コペンハーゲン大学南キャンパス法学部のスタディスペース

デンマークの公共図書館は、平日は18時閉館・土日は15時閉館など、カフェ勉もお値段が高くて勉強場所がない!と困ることがざらにありますが、DTU(デンマーク工科大学)の図書館は24時間365日開館していたり、CBS(コペンハーゲンビジネススクール)の図書館は土日でも22時まで開館していたり、いつも何とか工夫して皆さん作業場所を探しています。

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他にも、デンマークのことで皆さんが知りたい内容がありましたら、コメントでお知らせください♪
良い一日を!






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