【詩】outline
人が人であるためのこと。人が人の輪郭を保つために何が必要なんだろうかと思う。例えば、見えないだけで、さも其処に居るかのように、振る舞えてしまえる文字みたいに。其処にはもう居ないのに。上から流れてくだけの川面、束ねられた文字の中に紛れ込む彼らが、誰かに向けて語りかけていても、それは本人でさえ気づいてはいないのだろうし、間違って、違う誰かの心に響いたとしても、それは既に思い出なのだとそう思う。彼、彼女らの指先から離れたその時から、時間が無くなってしまう。例えば、「逢いたい」という