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#2 ロシアンボーイ アントン現る

世界一周二日目の朝は船の上で迎えた。



今日もあまり寝れていない。



夜中にトイレに何度も行っては時計を見つめて、「寝られへん…」と一人で呟いた。



世界一周に出たからと言って寝起きが良くなる訳ではない。



眠気眼をこすりながら荷物をまとめていると朝御飯を食べ終えたケェヨンさんが戻って来た。



朝御飯は食べないです、と言っていた俺らに気を使いパンとジャムと韓国のりの差し入れをしてくれた。



どこまでええ人やねん!!笑



するとケェヨンさんが、その代わり一つお願いがありますとのこと。



ケェヨンさん「ガッチリ系ワックスの使い方を教えて下さい!」

俺「全然ええっすよ!!俺もあんまり分からんすけど!!」

俺「もっと上を立てたらどうですか!?前髪は横に流すのもええっすよ!!」



全く的確ではない俺のアドバイスを素直に聞き入れケェヨンさんのヘアースタイルが完成した。



こちらを見てニヤリ、俺はとりあえず親指を立てておいた。笑



韓国のトンへに到着。ケェヨンさんとはここでお別れ。



俺らはこのままロシアのウラジオストクに向かう。





ケェヨンさん!名前あってるか分からんけど笑、ホンマにお世話になりました!

ありがとうございました!



旅客ターミナルでの乗り継ぎ時間にWi-Fiが飛んでいたので家族、彼女と連絡を取る事が出来た。



彼女の声を聞いて少し心が落ち着いた。



時間が経ち再び船に乗り込む。



部屋に戻るとロシア人のおじさんが寝転がっていた。



少し緊張する。デカイな…。



片言の英語と日本語で少し挨拶を交わす事が出来た。



無口やけどいい人そうで良かった、、、と一安心。



するとそこに息子のアントンがやって来た。



アントンにも挨拶をすると恥ずかしいのかすぐにベッドに入りカーテンを閉めた。



俺らがアントン!アントン!と、呼ぶとカーテンの隙間から恥ずかしそうにこっちを見て来る。



ミツが折り鶴をアントンに折ってあげた。



アントンは大喜び。



俺らに慣れて来たアントンはギターを指差して弾いて見て!とジェスチャーして来る。



リズム良くスタントバイミーを弾いてみた。



アントンはテンションが上がって踊り出し、自分にも弾かせて!と言ってくる。



いや、俺らよりギター似合ってるやん…笑





アントンは嬉しそうに滅茶苦茶にギターを掻き鳴らした。

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