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高値売却の成功事例

今回は「高値売却のためのー」シリーズを監修されている渡部直人さんの成功事例を紹介します。事例をもとに「どんなことが高値売却に繋がったのか」「どれくらい効果があったのか」を実感していただければ幸いです。

[ 情報の拡散 ] 吉祥寺のマンション チャレンジ価格で開始した「分譲時価格+1,300万円」に申し込みが殺到

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吉祥寺駅徒歩10分のマンション。売れる要素が詰まっていた。
武蔵野市吉祥寺駅から徒歩10分以内、築2年のマンション。室内は使用感が少なく綺麗な状態。光が注ぎ込む明るいリビングが魅力的で、室内に入ったときの印象が抜群。不動産業者ながら「こんなマンションに住みたい」と思わせるほどワクワクする物件でした。立地、環境、マンションのグレード、室内の状況、売れる要素が詰まっている物件でした。売り出し価格は「分譲時価格 + 1,300万円」のチャレンジ価格。三鷹駅にある大手仲介会社の知り合いから「高すぎるって」「ホントにその金額で売れると思ってるの?」などの批判とも忠告ともつかない意見がありましたが、結果としては販売開始すぐに内覧件数は50件を超え、満額申込6件の大成功となりました。「もう少し高くても良かったのかも」などと売却主さんと話しつつ契約を迎えました成功事例です。

物件情報を拡散すること。売却主の利益を追求すること。
これほどの物件です。欲しい人が山ほどいることは明らかでした。ここで高値売却を実現させるために行なったことが「情報の拡散」です。不動産業者は人が集まることが想定できる物件は「囲い込み」することで両手仲介を目論む場合があります。売却主の利益よりも自社の利益を追求しようとするのです。例えば「情報は法律に則って掲載するけれども肝心な販売図面は載せない」「他業者から問い合わせがあっても『契約予定です』と伝える」など、違反を指摘されない範囲で行われることがあります。このようなことは今だに行われているのが2019年の現状です。その逆に「情報を拡散する」とは大手・中堅・独立系に関わらず情報を惜しみなく提供することです。スーモやホームズなどの不動産ポータルサイトへの掲載はもちろんのこと、撮影した写真や図面を他業者にも提供することで吉祥寺周辺の多くの不動産会社のウェブサイトに掲載、さらには新聞折込広告をいれてくれる会社もありました。それによって物件が売り出されていることを「より多くの人に届けること」ができ、内覧50件申込6件の成功に繋がりました。

物件情報がREINSに登録されているか確認する
不動産業界の慣習上他業者へ情報を提供することを望むのは難しいでしょう。しかし、最低限のラインとして「囲い込み」をされていないかチェックすることができます。REINS(不動産業者が共有する物件登録サイト)への登録が状況が確認できます。不動産業者がREINSに登録する際に発行される証明書に専用の「URL」「ID」「パスワード」が掲載されています。媒介契約を任せた不動産会社からそれらを受け取り掲載状況を確認することができるのです。(専任媒介契約、専属専任媒介契約の場合のみ確認が可能です。)特に確認が必要なのは「掲載状況が『公開』になっているか」「図面が掲載されているか」です。掲載状況が「申し込みあり」になっていたら他業者は物件の紹介を諦めてしまいますし、「図面」が出来上がっていないと内見ができないものだと考えてしまいます。情報の拡散の第一歩はREINSへの登録です。他業者が購入希望者に紹介してくれる最も重要な広告ツールだと考えてください。

オススメのアクション
・情報を拡散することに積極的な不動産業者を選ぶ
・情報がREINSに登録されているエビデンスを得る


[ 商品の意識 ]  業者を代えて3週間 1年間売れなかった一戸建てが「200万円値上げして」売却

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売れない理由は「思い込み」だった
最寄駅から徒歩7分の閑静な住宅街にある中古戸建。有名なハウスメーカーの建売住宅で築年数は8年。状態は良好でした。土地の形は旗型地(敷地延長)で隣地と少し高低差があることが事前に分かりました。図面をみると隣の家に囲まれていて、1年間預けていた不動産会社の販売図面には暗い室内写真が載っているだけでした。「1年間売れなかった原因は室内が暗いからか」と思いました。しかし、それは思い込みでした。室内に入ったところ驚くほど明るかったのです。道路向かいが月極駐車場で解放感があったこと、南側が隣地のお庭になっていたことで室内に光が注ぎ込んでいました。「これはもっと高くても売れるはず」「なんで1年も売れなかったのか分からない」「本当にこの写真の家なのか?」と思える物件でした。大手で販売活動を続けて1年間売れなかった物件でしたがもっと高値で売却できると確信し、200万円「値上げ」して再販売。すると3週間で申込が2本入り、2番手だった方と30万円引きで契約するに至りました。

商品の魅力を伝える。商品を磨く。
1年も売れ残った原因は「物件=商品」という意識の欠如でした。それまでの販売図面では暗い室内写真を一枚載せているだけで販売する意欲が感じられないものでした。そこで、物件=商品の魅力を最大限発揮するために午前中と西日が入る午後の2回に分けて撮影。全部屋の明るい写真を撮影しました。加えて、散歩ができる公園、最寄りのスーパーなど生活がイメージできる施設も撮影。これらの写真を使い、現地の魅力を文言でも表現した販売図面を作成しました。そして、商品を磨くために「ハウスクリーニング」「 不具合箇所の補修」「植栽のお手入れとアプローチ部分の清掃」「スリッパ、芳香剤の設置」「電気と水道を使えるようにする」「切れている電球の交換」に取り組みました。もちろん売却主さんと一緒にです。物件の内見はスペック以上に「印象」が購入の検討を左右します。特に第一印象は重要です。玄関扉を開けたときに明るく清潔感を感じること、水周りから悪臭がしないこと、夏場であれば冷房が効いていること。小さなことですが「印象」として残り、購入候補に入れるか否かの判断基準にします。

不動産業者に任せ過ぎない。売るのは「自分自身」。
不動産業者は複数の物件を同時に扱っているので、売れそうな物件から順番に力を注ぎます。この事例では日当たりが悪いと勘違いされたことが1年間売れ残った原因だったのかもしれません。また、その勘違いから担当者がやる気を持っていなかったことも売却主さんから聞きました。しかし、それを不動産業者の所為にしていても埒が明きません。できあがった販売図面をみたときに「我が家はこんなに暗くないのに」と思ったならば率直に伝えるべきです。プロではありますが、不動産業者も人間ですので至らないこともあります。そして、誰よりも物件の良さを知っているのは売却主である自分自身です。良い点はどんどんアピールしなくては数多ある不動産のなかに埋もれてしまいます。「こんなに良いところがあるから販売図面でアピールしてほしい」「売却状況はどうなっているの?」と積極的に働きかけてみてください。

オススメのアクション
・物件=商品という意識を持ち、物件磨きをする
・写真や文言を用いて商品の魅力を伝える
・業者任せにしないで、売却主である自分自身が積極的に働きかける


[ 空室の効果 ]  住み替えを成功させる空室の効果「購入価格+470万円」が1週間で売却

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住み替えで二重ローン
東京23区にある築4年の一戸建。道路が新設してあり、複数の建物を同時に建築した現場だったために雰囲気良好。北道路物件は暗くなりがちですが南傾の明るい家でした。全室6帖以上の4LDKを確保できていた点には稀少性があったものの、決してスペシャルな物件ではありませんでした。高値売却のために上記で紹介させていただいた「情報の拡散」「商品磨き」そして「空室の効果」を実行しました。販売開始から1週間で、4年前に購入した価格より470万円上乗せしての成約となりました。

● 勇気をもって空室で販売
「それくらいのことで」と思うかもしれません。ですが、実際に販売するとなると二重ローンになることから現実的に空室にできないことが少なくありません。今回の事例は、奥様が産休・育休から復職することになり、ご実家近くへ引越されるためのお買い替えでした。購入物件を探す前から販売をスタートさせることはもちろん、契約直後に販売スタートすることもできましたが、空室の方が高値売却の可能性が高まることを話し合いお引越し後に売却活動を開始しました。居住中と比べ、空室の方が落ち着いて内見できます。物件を気に入っても居住者様がいると気を使って早く退出しようとします。購入確率は、お部屋の滞在時間に比例して高まる傾向にあるのです。そして、「物件磨き」で不用品を撤去、室内の掃除、スリッパ・芳香剤・部屋を飾る小物(観葉植物など)を購入・設置、電気・水道は使えるようにしておき、照明器具はLED電球をつけました。 「情報の拡散」で他業者を巻き込んだ販売活動を行うことで購入希望者が急速に集まりました。売却が長引けば二重ローンの期間が長くなってしまい、生活を圧迫します。まさに勇気をもった空室での販売が成功を招いた事例でした。

売却主も勇気が必要。不動産業者も勇気が必要。
「空室にした方が高値売却できる可能性が高まる」なんて常識的に考えれば当然です。しかし、いざ二重ローンを組むとなると「二重ローンに耐えてまで空室にする必要があるの?」「居住中でも販売はできますよね?」と考え直してしまいます。人間は損をすることを極端に嫌うと言いますから、心理的な負荷をかけてまで行う必要はないかもしれません。もし、高値売却を目指したいときには勇気を持つ必要がある、ということです。目論見通りに売却が進まなかった場合、不動産業者にも心理的な負荷が掛かります。同時に不動産業者にも勇気が求められます。売却主と不動産業者が一緒に綿密な売却プランを立てることでリスクを最小限にすることができるはずです。

オススメのアクション
・高値売却の要因になるのでできるならば空室にしたほうが良い
・二重ローンになる場合は勇気と綿密な売却プランを立てる


まとめ

成功事例に共通していること
紹介させていただいた成功事例は良い事例です。上手くいかなかった事例もあります。また、成果を保証するものではありません。ですが、成功事例に共通していることは売却主と不動産業者が協力して「情報の拡散」「物件磨き」「空室」を行なっていることです。今回紹介しなかった成功事例も同様です。この3つのアクションは不動産業者が手をこまねくものです。正直なところ面倒なのです。売却主から積極的に働きかけることが成功への大きな一歩です。また、不動産業者を選ぶときは3つのアクションを前向きに取り組んでくれる方を選ぶと良いでしょう。

具体的な高値売却のメソッド
高値売却のために具体的にどんなことをしたら良いのか。不動産業者への「問い合わせ手法」から「高値売却の案内前準備」「申込の受け取り方」「後悔しない契約準備」などを執筆していく予定です。興味のある方はぜひご覧いただければと思います。また、ご質問などがあればお気軽にご連絡ください。すべてにお応えできないかもしれませんが、できるかぎり一生懸命にお応えいたします。


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