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ちょっと面白い中国語の話「三日坊主」

似たような言葉なのに、日本語と中国語で意味が違う言葉があります。
その背景には文化の違いがあり、比較してみるとなかなか興味深いです。

最近、中国人の先生に「三天打鱼,两天晒网(sān tiān dǎ yú, liǎng tiān shài wǎng)」という言葉を教えてもらいました。
これは「三日出漁すれば、二日網に干す」、転じて「すぐに飽きて長続きしない、三日坊主」と言う意味です。(中日辞典 小学館より)

でもこの言葉、字面だけ見ると「三歩進んで二歩下がる」に似ていると思いませんか。
「三歩進んで二歩下がる」は、後退しながらも少しずつ進んでいくというポジティブな意味です。

しかし三天打鱼,两天晒网にはポジティブな意味は全くなく、思いつきで行動するもののやる気が続かずにすぐに怠けてしまう、という意味だそうです。

「『三天打鱼,两天晒网』を続ければ、少しずつ仕事を進められると思いますが?」と聞くと、先生には「働いている時間と休んでいる時間が大体同じで、遅すぎる」と言われてしまいました。

私が中国で働いていて思ったことなのですが、中国人にとっては「スピード=やる気」です。

日本では確認を取ってから行動することが多いため、正確さや一貫性がある反面、スピーディさに欠けます。

一方で中国ではとにかく見切り発車が多く、決めるのも行動に移すのもスピーディです。スピート感は素晴らしいのですが、朝令暮改ばかりで全く一貫性がなくめちゃくちゃだと感じることもありました。

日本では早いことが必ずしもいいことではなく、たとえ遅いからといって「やる気がない」ということにはなりません。(本当はやる気がないだけのこともあるとは思いますが)

むしろ、多少遅くても正確に着実に進む方がよいとされています。

このような考え方の違いが、「三天打鱼,两天晒网」「三歩進んで二歩下がる」の意味の違いに表れているのかな、と思いました。


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