Sanzen-Ichi

「都市と記憶」/ストリートフォトグラファー

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「都市と記憶」/ストリートフォトグラファー

最近の記事

2024.05.02 ストリートスナップ 新宿

前日にずぶ濡れになりながら撮っていた影響があったのか、途中で体調が悪くなってしまいすぐ帰宅してしまった。それでも悔しくて家路についている間サブカメラで近所を撮りまくった。ジュースを左手に、カメラを右手に持って気楽に撮ってたら脳を騙せることが判明した。ダメな日はカメラを変えるという荒木経惟の論は正しいらしい。気負いすぎて重いカメラでやると、体調がカメラに影響されちゃうこともあるようだ。やっぱ軽さは正義なのか?いずれはPENTAX 67Ⅱを使いたいところなのだが……。

    • 2024.05.01 ストリートスナップ 新宿

      新しいカメラを買ったから試し撮りをするために新宿へ向かった。土砂降りの雨はテストにぴったりだった。そのカメラは防水性と耐衝撃性を売りにしているカメラで、泥水でも海水でもへっちゃらという人体みたいなカメラである。こっちも負けていられないから、傘を持っていかずこちらもズブ濡れになりながら撮影した。傘を差さないで濡れながら写真を撮るのはあまりにも快感だった。もはやシャッターを押さずに雨に打たれることが目的になっていたまである。「俺は貴様らとは違う――」とでも言いたげな風体だったであ

      • 2024.04.28 ストリートスナップ 新宿

        日差しが暑すぎて早々に引き上げてしまった。晴れているからといって歩きまくって撮りまくれるとは限らない。どこか涼しいところに行って涼めばいいのに、写真なんて撮って何をやっているんだろうと自分にイライラしてくるし何を撮っているのか分からなくなる。写真を撮っているときは楽しい時間ではあるけれど、同時に悩ましい時間でもある。考える時間が増えると写真は撮れなくなる。個人的には、一日で何枚撮ったかはあまり気にしないけれど、400枚以下の日は少ないと思う。そしてそういう日は、やはり自分が不

        • 2024.04.26 ストリートスナップ 新宿

          やったぜ晴れてる!と喜ぶも束の間、新宿に着いてすぐに曇り始めてしまった。ぼくは曇りが全天候の中で最も嫌いである。薄曇りであろうが厚い曇で覆われていようが関係なく気分は下がる。しかも晴れから曇りに変わる瞬間、疲労が押し寄せてくるよね。あのさ、光があるから写真に時間が記録されンじゃん?地球さん頼みますよ。 いや、光はいつどこでもあるしそんなことはわかっているんだ。ぼくが欲しているのは光と闇だ。光から闇、闇から光へと至る循環が生と死を写真に記録する。曇りの日は死のみ写ってしまう。

        2024.05.02 ストリートスナップ 新宿

          2024.04.25 ストリートスナップ 渋谷

          この日はアッジェをしようと決めていたから新宿ではなく渋谷に向かった。やっぱり渋谷は難しい街だ。もはやイメージが完全にこびりついている街であるがゆえに、写真から「渋谷という場所」以外の要素を見出すことはほとんどできない。「<私>が見た渋谷」ではなく普遍的な風景写真に陥ってしまうことが多い。街と行き交う人々のディテールを全て記録するというくらいの気概でなければ違いは生み出せないし、伝わらない。だからといって技巧派になったり批判や告発をするイメージにしてもシラケるだけである。写真は

          2024.04.25 ストリートスナップ 渋谷

          写真探し 渋谷アッジェ 2024年4月号

          ヴィム・ヴェンダース監督のドキュメンタリー映画『東京画』の中で、インタビューを受けている映画監督のヴェルナー・ヘルツォークは、東京タワーから見える東京の風景について「地上に残っているイメージなんてほとんどない。ここ(東京タワー)から見渡しても、視界は全部ふさがっている」と語り、さらに「もうこの地上には昔のように、映像に透明性を与えるものは見出しえない。かつて存在したものはもうない」とも語っている。 『東京画』が公開された1985年の時点で、すでに東京には何も残っていなかった

          写真探し 渋谷アッジェ 2024年4月号

          2024.04.22 動作未確認ガチャで買ったフィルムカメラの結果

          ちょっと前に撮って現像せずに放置していたフィルム3本を現像してCDに入れてもらった。中古で買ったコンパクトフィルムがちゃんと使えるかのテストをするために撮ったフィルムだ。残念ながら、見た目が好きで買った「Konica Big Mini 135 NOU」の方はレンズが壊れているみたいで、盛大にフレアとハレーションが発生している。まあ、使い物にならないわな。今回の動作未確認ガチャには敗北ってわけだ。 安いコンパクトフィルムカメラを買っては決して安くないフィルムを詰めてパッと撮る

          2024.04.22 動作未確認ガチャで買ったフィルムカメラの結果

          2024.04.20 ストリートスナップ 新宿

          ヨドバシでOLYMPUSのTG-7を少し触ってきた。あれは便利でいいね。軽量コンパクトでマクロも撮れる。ちっちゃいストロボも付いてるし1200万画素あるから画質の心配もいらない。本音を言えばファインダーが欲しいけれど、オートフォーカスが付いてるんだし、モニターを見ないで腕を伸ばしてポンポンと撮るのが粋ってもんだろう。小さいカメラは記録を残すことが最たる用途だと思われる。そしていま、ぼくはまさにカメラとなって肉体を捨て去りたい時期である。写真私情派だからこそ、只管に記録に徹する

          2024.04.20 ストリートスナップ 新宿

          2024.04.19 ストリートスナップ 新宿

          写真を撮る日はいつも15kmくらい歩く。時間で言えば約3~4時間歩いていることになる。ちょうどそれくらいが疲れのピークに達する時間で、それ以上だと足が痛くなりすぎて写真どころじゃなくなってくる。帰りの電車が辛い。だいたい混んでるから立ちっぱなし。15km歩いた後に電車で30分も立つのは地獄よ。しかも、駅に着いてから家まで歩いてまた30分。バスという乗り物は好かないので歩かざるを得ない。苦行。 いつか12時間とかやってみたい。夜の撮影はほとんど行わないから、朝から晩まで写真漬

          2024.04.19 ストリートスナップ 新宿

          2024.04.17 ストリートスナップ 新宿

          新宿で撮影するときは、だいたい中央公園から抜弁天あたりをうろついている。スナップでは歌舞伎町の周辺が人通りも多くて人気だけど、繁華街以外でも写場はけっこうある。でも徒歩で全体を歩くのは疲労がとんでもなくなるから、地点を絞る必要がある。ぼくにとっては上記のエリアがちょうどいい。どういうわけか新大久保とか高田馬場には行く機会がない。この二つはいずれ通うようになりたい。 新宿でひと通り撮影したあと、原宿に向かい荒木経惟の「病院ノ窓」という展示を見に行った。タイトルでドキッとしてし

          2024.04.17 ストリートスナップ 新宿

          2024.04.15 ストリートスナップ 渋谷

          久しぶりというわけではないが、渋谷に行った。平日から観光客がたくさんいて撮影に集中ができない。おまけに春とは思えない暑さで頭が混乱してしまう。気づけば同じところをぐるぐる行ったり来たりしてしまうのも渋谷の魔性である。何回スクランブル交差点を往復すればいいんだろうか。 渋谷は明るい雰囲気があるからネガティブにならなくても済むけれど、物足りなさを感じてしまうのも事実だ。もっと緊張感が欲しい。しょうもないナンパ師やスカウトはもう見たくない。角を曲がったら懐剣を隠していそうな人々と

          2024.04.15 ストリートスナップ 渋谷

          2024.04.13 ストリートスナップ 新宿

          新宿の北村写真機でライカを見ていたら、デカくてかっこいい黒人の人に話しかけられた。どうやらライカのアクセサリーを探しているようで、尋ねられたときは島国根性で「I don't know」と言ってしまった。そう言ったあと、それではダメだと思い直し、西口にあるマップカメラを教えてあげた。「ちっちゃいけどライカブティックだしきっと見つかると思う!」と教えたら喜んでくれて、激アツのグータッチを交わした。その人はライカQ3を使っており、発売からまだ1年も経っていないのに、使い込まれて塗装

          2024.04.13 ストリートスナップ 新宿

          2024.04.11 ストリートスナップ 新宿

          写真のことばっか考えてもしょうがないから、別のことをしようと思っても気づいたら良さそうな写真集をメルカリで探してるし、Internet Archiveで写真集を読み漁っている。何もしてないときほど写真のことを考えてしまう。もっと目を向けなきゃいけないことはたくさんあるのに…。写真コミュニティに閉じこもって偏執狂的になったってしょうがないじゃないか。世間の人たちは写真なんかには興味なくて、せいぜい写真で盛り上がってるのはマニアかプロで、しかもどちらかというと写真よりもカメラが話

          2024.04.11 ストリートスナップ 新宿

          2024.04.10 ストリートスナップ 新宿

          やっぱ新宿。渋谷よりも新宿のほうがシャッターが切れる。渋谷は擦過でしか写真が撮れないから監視カメラのような目になってしまう。新宿を擦過で撮れるのは森山大道だけである。ぼくはどうしても新宿では湿っぽくなる。しかしその湿っぽさは情ってことだから、ぼくのスタイルと合っている。表現できているかはわからないけれど。とにかく、写真には撮影者の情が欲しい。アート写真を志さない者として、目の前にいない人や物のことを第一に想って写真を撮りたい。

          2024.04.10 ストリートスナップ 新宿

          2024.04.07 ストリートスナップ 新宿~渋谷

          春は悪天候が多すぎる。特に曇りの日が続くと写真を撮る気が失せてしまう。そして久々に晴れの日が来ると、今度は暑くて体が参ってしまう。春は好きだけれど、日向を歩いてるときの頭が焼ける感じは春らしい可愛さではない。それでも曇りよりかは遥かにマシで、光があると喜んで写真を撮りたくなる。日光が遮断されて薄暗くなる閑散とした裏道もまた、相乗効果で撮りたくなる。光と闇を交互に行ったり来たりして写真を撮るから感情がもっと写真に写る。しかし曇りの日は何も写らないから、個人的に乗り気にならない。

          2024.04.07 ストリートスナップ 新宿~渋谷

          写真探し 渋谷アッジェ 2024年3月号

          先月は天気が悪い日が多かったのも相まって、アッジェがなかなかできなかった。あと、カメラ付きの三脚を担いで移動していると、肩・背中・腰に負担が掛かりすぎて何日も痛みが取れないという事態になり三脚恐怖症に陥ってしまった。やはり、アッジェは強敵だ。朝食のパンと牛乳と砂糖だけで朝から晩までパリを撮り続けたというから驚きである。歴史に名を残す偉人はやはり只者ではない。アッジェは理性と心眼を兼ね備えた狂気の写真家だ。狂気とは、論理と理性を突き詰めていなければ到達しえない精神性だと思う。ぼ

          写真探し 渋谷アッジェ 2024年3月号