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無意識の裏面にある創造性

新しいこと商品やアプリに出会った時に、「そうそうそういうの欲しかったんだよね!」とか「そっくりなこと考えてた!」と思ってしまうことってありませんか?新しいことを考えられるのは「創造的」だと言えるかもしれません。しかしこのように既に知っていた、けれど気づかなかった感覚が強いのは偶然なのでしょうか?

フロー体験などの研究で著名なアメリカの心理学者であるクレアモント大学院のミハイ・チクセントミハイ教授は、創造性を「一般の信念を他の分野の知識で変える精神活動」としています。つまりはある考えに違う視点を持ち込むことで異なる考えを見出すことです。アイデアは既存の要素の新しい組み合わせと言われますが、それはどのようにして組み合わせが出来上がるのでしょうか?もちろん様々な偶然が重なってある日、天から降ってくるということもあるでしょう。しかしそれは「無意識を認識した瞬間」と言えます。

私たちは日々の生活を効率的に生きるために様々な判断を過去の経験に基づき自動的に行っています。例えばパソコンのキーボードの打ち方も最初はキーを確かめながら出ないと文字が打てなかったのが、慣れてくるにつれて話すかのように打つことが出来ます。もしくはスーパーの果物売り場で様々な果物が並んでいますが、色々食べたことのある経験から、たくさんの種類があってもおおよその味は知っていてその日の気分に合わせて味見しなくても何が食べたいか判断できますよね。

このように私たちの無意識は物事に対して「慣れ」を元にした自動化された一定の視点を固定する傾向があります。こうして私たちの行動や思考は効率化・高速化される反面、無意識の力によって別の角度で見ることには労力が伴います。例えばバナナは果物ですよね。でも敢えて野菜としてみたらどうでしょう?焼いたり炒めたりする料理が実際ありますし、新しい視点のように感じます。

私たちは日常の多くのことを無意識に判断しているので、それを意識することは簡単ではありませんし何でも意識していたら日常生活に支障をきたすことでしょう。けれども時々関心の湧いたある1点に対して、「無意識に判断しているところはどこだろう」と考えるだけで新しい視点が生まれるはずです。そしてそれを認識することで新しいアイデアを得ることができるのではないでしょうか。新しいアイデアが出なくて悩んでいる時、そもそも「勝手に判断してしまっていることは何か」というお題で悩みを捉えて見るのはどうでしょうか。

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