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パパはママのものじゃない/瀬戸内アケミ(試聴リンクあり)

1970年リリースのデビューシングルです。

よく存じ上げないのですが「歌のグランプリショー」というTV番組の出演がきっかけでスカウト、当時小学四年生だったそうです。同じ演歌系キッズ歌手には、少し年上ですが同年に「いなかっぺ大将」の主題歌でデビューした天童よしみ(当時の名義は吉田よしみ)がおり、こういったキッズ演歌歌手というのが流行った時期だったのかもしれません。

しかし、注目すべきは曲調が演歌ではなく馬飼野俊一さんによるR&Bアレンジの歌謡曲である点です。和とソウルの奇妙な融合、大人が中に入っているのでは?と思わされるほどこぶしをぶん回しながら、いかにパパが好きかという子供の感情を歌い上げます。

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ちなみにこの時期から70年代後半ぐらいまでの歌謡曲では、こういった「過剰に父親を好きな娘」「娘を愛しすぎている父親」「大人の男性と小さい女の子の可愛らしい恋」みたいなことをテーマにした歌詞をたびたび見かけることがあります(以前にご紹介した「おじさまいや?」なんかもそうですね)。

現代の感覚だと「なんだか危ねーな」と思ってしまうこういった「世間との忖度を考えずに書いちゃった系」歌詞もまた、今ではとてもじゃないけどリリースできない昭和歌謡曲の魅力のひとつではないでしょうか。

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