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わたしはお人形/小山ルミ(試聴リンクあり)

1974年リリースのラストシングルです。

オープニングから洒落たアレンジとスキャットが印象的な楽曲で、曲中でクラビネットが使われているのが時代を感じるゆったり目のグルーヴ歌謡。そのクールさは前年にリリースされた、金井克子さんの「他人の関係」にも似た雰囲気を感じなくもありません。

小山ルミは「グット,,がまんして!!」のコミカルな表現力を聴いても分かるとおり、歌唱に表情のニュアンスを乗せるのが上手かったのではないかと思っています。しかしそれ以降のシングルでは良い曲はあるものの、どこかそういったボーカルのキャラクター性が鳴りを潜めてしまった印象があります。この曲では囁いてみたり、甘えるように歌ってみたりとその魅力が復活しているのではないでしょうか。非常に魅力的!

デビュー当時はどこか元気女子的なルックスで健康的なイメージだった彼女ですが、どんどん痩せていってこのシングルのジャケットでは少し心配になるぐらい細くなっています。加藤茶との失恋(当時は堂々と雑誌のインタビューなどで交際を公表していたのだからすごい時代です)などを経てそうなっていったのかは分かりませんが、このシングルを最後に渡米、表舞台から姿を消してしまいました。

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