魚亭ペン太(そのうち公開)

落語好きのペンギン。 趣味の日記やら詩やら文章を書きます。

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読書の苦手な人へ

厚かましい話ですが、読書が苦手な人へのアドバイスというか、楽になる考え方「読書してみようかな」むしろ「別に読書ができなくてもいいんだ」くらいの気持ちにできたらいいなという感じで記事を書きます。 もちろん持論ですから話半分に聞いてください。これから話す内容もそういうものです。 まず、読書は身構えるものではないんです。 例えばこんなふうに身構えてませんか? 読書は集中力が続かないと読み進めることができない。だから他人と比べて「読書が苦手」=「自分には集中力がない」とネガテ

    • 短編『何も気にならなくなる薬』その192

      人体自然発火現象 スポンジ インサイダー とあるバーにて。 「君、インサイダー取引って知っているかい」 「アレですよね、未公開情報を持っている内部者が有利な形で取引をすることですよね」 「世間一般ではそうだな。マスター」 マスターは頷いて男の持っていたウイスキーのグラスに炭酸水を注ぐ。 「これもインサイダーだ」 「何を真面目な顔してくだらないことを言っているんですか」 「たまにはこういうくだらないことも世の中には必要だよ。で、今回の件はこれだ」 「焼死体事件ですか」 「

      • 短編『何も気にならなくなる薬』その191

        色欲 痴話喧嘩 健康器具 健康器具なんてものは買って満足する類で、実際に続く人は殆どいない。 もしそうでないと否定するなら、中古品で売られている品々に説明をつけてもらいたい。 我が家でもすでに物干しになっているぶら下がり健康器は、ぶら下がれる物干しとして売った方がいくらかマシなような気がする。 「やっぱりすぐに飽きた」 私は言い捨てるようにして笑う。 それで焚きつけられて再開するわけでもないのだから、よっぽど飽きたのだろう。 そして痴話喧嘩が始まる。 「私が何に使おうと

        • 短編『何も気にならなくなる薬』その190

          これをいつまで書くのか、また折り返しはどこなのか。 考えても仕方のないことはわかっているが、それができなくなる日は必ずくる。 その時、私の心の拠り所はどこだろう。 読書をする時間も、ゲームをする時間も、運動をする時間もすっかりなくなってしまった。 今まではそれが拠り所で、それをすることで何とか生きてきた。 それが今ではほとんどやっていない。 歳を重ねるにつれて心の拠り所というのは変わっていくのかもしれない。 単に忙殺されているだけなのかもしれないが。 --- マーメイド

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          短編『何も気にならなくなる薬』その189

          四月が終わる。ゴールデンウィークが近づいている。 このゴールデンウィークを遊んで暮らせるのはごく一部だろうし、その遊んで暮らす人達にサービスを提供する側もいる。 だからといって優劣があるわけではない。 期間的にみれば羨ましいかもしれないが、逆もまた然りだ。 色んな商売や生き方があって、人は時間をお金に変えて生活をする。 自分の商売は素晴らしい。こんなにいい働き方はない。 そう考えていても、舞台俳優や映画、小説などの文化的な作品を創る人に憧れるのは誰にだってある。ごくごく自然

          短編『何も気にならなくなる薬』その189

          短編『何も気にならなくなる薬』その188

          連続殺人事件 拘束 殺戮衝動 --- 物騒な世の中だ。当たり前のように人が人を殺してしまう。 けれどもそんな歴史はずっと昔からあって、それが表沙汰になっているかいないかの違いしかない。 戦争で多くの人を殺した事実は消えない。 誰かが、誰かを攻撃することは何も大人の世界だけじゃない。 子供の世界でも当たり前のようにある。 子供が元気に仲良く遊んでいる。そんな幻想は都合のいい人たちの妄想でしかない。 国内で反乱が起きないために海外へ目を向けさせそれを標的にさせる。 誰で

          短編『何も気にならなくなる薬』その188

          短編『何も気にならなくなる薬』その187

          ゲーマー シュッとした 郵便番号 --- ゲーミングチェアに座る男性の体型はシュッとしている。 その体型でも健康的な人はいるのだが、そのデスクの上のエナジードリンクがどことなく不摂生な印象を与えている。 日課である動画編集を終え、次の企画のために通販サイトでネタを探り、使えそうなものを買い物カゴにクリックして入れていく。 スマホの通知は見るまでもない。現状を告げる内容が書かれているに違いない。彼はそう考えて見向きもしなかった。 向こうの都合だろうか、郵送先を求められそれ

          短編『何も気にならなくなる薬』その187

          短編『何も気にならなくなる薬』その186

          「空気を入れすぎたタイヤはパンクする」 言われてみれば当たり前だが、人間も同じだろう。 ともなればパンクしたタイヤにいくら空気を入れたところで、ふくらませることはできない。 やるべきことはひたすらに空気を入れるのではなく、パンクを直すか新しいタイヤに交換するかだ。 しかし人間の体は交換できない。 破れたら修理するしかない。 修理の傷跡はまたパンクを招きかねない。 タイヤにオンロードとオフロードがあるように人間にも得意な場面、環境がある。 今走っている場所は自分にとって得意な場

          短編『何も気にならなくなる薬』その186

          短編『何も気にならなくなる薬』その185

          オートバイ おはぎ 秋祭り 秋祭りといえば、個人的にはお月見泥棒が懐かしい。 小学生の子どもたちが「お月見泥棒です」と玄関先で言えば、家の中から住人がお菓子を持って出てくるという行事だ。 今の世ではなかなか難しい行事ではあるが、昔は子供のいる世帯も多かったため、ご近所付き合いも兼ねてお菓子を用意している家も多かった。 また近所にお菓子の工場があったので、そこの工場が穴場というか必ず行く場所だった。 けれどもそういった情報がネットで出回るわけではなく、 子どもたちが同士で

          短編『何も気にならなくなる薬』その185

          短編『何も気にならなくなる薬』その184

          「習慣は第二の天性なり」 なんて言葉がある。 「努力は実を結ぶ」に似たような感じだろう。 あくまで天性であり、それが世の中にどう作用するかはその時と運による。 自分にとっての習慣とはなんだろう。 毎日食事の内容を記録することも、三ヶ月経てば立派な天性だろうか? とりあえず3月の結果 総消費、約64420kcal 総摂取、約60700kcal 一日平均消費2080kcal 一日平均摂取1950kcal トータル -3720kcal マイナス7000kcalになれば1キロ

          短編『何も気にならなくなる薬』その184

          短編『何も気にならなくなる薬』その183

          給油口 サウンドトラック しわくちゃ ゆっくりと滑らかに車が停まると、車内から音楽が漏れて聴こえる。 助手席から降りてきたしわくちゃの老人が給油口を開け、慣れた手つきでガソリンを注ぐ。 若い男性がゴミ袋を持って受付へと歩いてくる。 そんな姿を見て思わず聞いてしまう。 「親子ですか?」 「いや、さっきヒッチハイクをしてたから拾ったんだよ」 「あのおじいさんを?」 「なんだか、よくわからないけど、面白いから乗せてみたんだが、金払いもいいし、音楽も趣味が会うから、一人でドライ

          短編『何も気にならなくなる薬』その183

          短編『何も気にならなくなる薬』その182

          屋敷 汚らしい カミングアウト 「肝試しをしよう」 そう皆で集まって、懐中電灯やインスタントカメラを持ち寄って汚らしい幽霊屋敷へ足を踏み入れる。 「やっぱりやめとこう、怒られるから」 「今更怖くなったのか」 「誰に怒られるんだよ」 「お父さんとお母さん」 「どうして」 「だってここ、僕の家だもの」 「変なことを言うなよ、おい、走って逃げることないだろ」 一人が怖がってその場から走り出すと他の子達も蜘蛛の子を散らすように逃げ出してしまった。 「おはよう、昨日のって夢じゃな

          短編『何も気にならなくなる薬』その182

          短編『何も気にならなくなる薬』その181

          「電子レンジ」 「レイシスト」 「アドバイス」 レイシスト、差別的な考え方を主義とする人のことをいう。 そうした言葉があるくらいなのだから、差別のない場所があるのかと思えばそんなこともない。 誰しもが差別的な考え方を持っていて、 「私はそうではない、彼らは過激派だ」とする人たちの言葉のようにも思えてしまう。 心がどうであるかは一度置いておいて、体が男か女かを判断するのは差別ではなく、区別だろう。 差別と区別の違いはなにか。 精神的に誰かを劣っていると考えることが差別な

          短編『何も気にならなくなる薬』その181

          短編『何も気にならなくなる薬』その180

          「アリ」 「マッチ棒」 「カステラ」 サランラップに包んで持ち込んだカステラを食べながら公園のベンチに腰を掛ける。 「これ、わかる?」 一人がマッチ棒を並べて問題を出す。 二本動かして別の式を作る。 みんなが頭を悩ませている。 わかったといって挑戦するも結局できない。 黙々とカステラを食べる奴もいれば、横から冷やかして騒ぐやつもいる。 誰かの食べていたカステラの欠片が落ちていて、それをアリがせっせと運ぶ。 誰かが剥がして置いておいたカステラの紙に、アリが群がっては何かを

          短編『何も気にならなくなる薬』その180

          短編『何も気にならなくなる薬』その179

          「毎日なんて物は退屈だ」 彼はよくそう愚痴をこぼす。 朝目覚め、顔を洗い、お湯を沸かす。 コーヒーを入れてトーストを食べる。 そうして布団の中にいる相方に声をかける。 「あぁ、もう朝か、また退屈な一日が始まる」 誰が彼を退屈にしているのだろうか。 --- 「その服、新しく買ったのか」 「いいベストだね」 「そうかい?二人に言われるとなんだか嬉しいね」 「しかし、変わった着回しだ」 「まったくだ」 「そうかい?二人に言われるとなんだか悲しいね」

          短編『何も気にならなくなる薬』その179

          短編『何も気にならなくなる薬』その178

          彼はすっかり駄目になってしまった。 精神的に壊れてしまった。 それをどうこうできる技量は私にはない。 心を壊してまでやる仕事があるのだろうか。 自分にはこれしかないと思い込む人ほど、好きな仕事が続かないと勝手に思う。 人生はいくらでも生きようがある。 楽なものもあれば辛いものもある。 でも、生きていけばきっとそうした世界は見つかる。 現にそうした人たちはたくさんいる。 自分を許して、他人を許す。 これは難しいことかもしれないが、いずれ彼が知らなくてはならないことの一つだ。

          短編『何も気にならなくなる薬』その178