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#16 チャーハン定食についてくる中華スープのようなものについて

いきなり食の話からするけど、定食についてくる汁物がそんなに好きじゃない。

たとえば生姜焼き定食にくっついてくる味噌汁ね。白いご飯と生姜焼きで十分だし、喉が渇いたらお茶があるので、それ以上何もいらないのに、踏ん反り返ってお盆に乗っかっている味噌汁。ご飯と生姜焼きに負けないくらい主張してくる割には小物感が漂っている。虎の威を借る狐とすら思う。まぁ、生姜焼き定食だからこの場合「豚の威を借る味噌汁」だけども。

そりゃあね、味噌汁単体で食べたら旨いと感じることもありますよ。二日酔いの重い頭に染み渡るしじみ汁なんて、マザーテレサより優しいんじゃないかって思うもん。ただそれは味噌汁としての完成度であって、定食に出されたときは別。ご飯にも生姜焼きにも勝てるはずがないのに偉そうにすんなって思う。

汁物全般がダメかというとそうじゃなくて。チャーハン定食についてくる明らかに味噌汁的な中華スープあるでしょ。あれは別に何も思わないんだよね。あれは逆にないと。チャーハン食った気がしないくらい。

...今日は「チャーハン定食についてくる中華スープのようなものについて」。
ふざけた題でごめんなさい。でも内容は割と真面目です。

冒頭で散々こき下ろした通り、味噌汁に対して思うのは、主役じゃないのにデカイ顔すんなってことなんだよね。生姜焼き定食の主役は何ですかって言ったら当然、生姜焼きなわけですよ。それを差し置いてまで主張してくる感じがちょっと苦手なのね、味噌汁は。
一方、チャーハン定食についてくる中華スープのようなもの(以下、「中華スープ」と呼ぶ)は、チャーハンを別に邪魔してないし、味噌汁ほどの主張の強さも感じない。それでもちゃんと中華の味はして、「ああ、中華料理食ったな」って思わせてくれる力はある。

故 桂文楽師匠は、「らしく、ぶらず」を弟子に教えていたとか。つまり「落語家らしく、落語家ぶらず」ということ。例えが飛躍してる感じは否めないけど、味噌汁と中華スープも同じかなと。味噌汁は味噌汁ぶりすぎている。中華スープは「らしく、ぶらず」のバランスがちょうどいい感じがして、だから好感を持てるのかなあ、なんて。

ミュージシャンやギタリスト界隈には(自分を筆頭に)味噌汁みたいな奴らばっかり。思うに個性というのは我を主張すればするほど薄くなるのではないかと。黙ってそこにあるだけが個性ではないかもしれないけど、何も言わずとも君を振り向かせる力がその人の個性なのかな、と思う。

俺みたいな味噌汁は、具を多くするとか薬味をたくさん入れるとか、手数を多くして頑張ってる割にはびっくりするほど薄味で。こういうのをまさしく「箸にも棒にもかからない」と言うんでしょうねえ。。。

中華スープでありたいと思う、今日この頃でした。

追記
今日、Chira はオフですがプライベートでライブに出てきます。そこで弾くギターは中華スープというよりはむしろチャーハンのポジション狙っていきたい。笑

Chira

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