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『幸せになる勇気』//岸見 一郎, 古賀 史健

この本は、アドラー心理学の教えをもとに、人生の悩みを解決する方法を対話形式で説明したものです。姉妹本の嫌われる勇気との違いは、より具体的なテーマに焦点を当てていることです。例えば、自立、教育、賞罰、承認欲求、共同体感覚などについて、アドラーの考え方を深く掘り下げています。以下に、本の内容を5つの部分に分けて要約します。

第一部 悪いあの人、かわいそうなわたし

この部分では、教育とは何かについて語られています。教育とは、自立をサポートすることであり、他人の問題に介入することではありません。教育の入口となるのが「尊敬」です。尊敬とは、人間の姿をありのままに見ることであり、相手の尊厳を守りつつ、関心を寄せていくことです。教育者がやるべきことは、自分で決定して成し遂げたと感じてもらうために、知識や経験をサポートすることです。

第二部 なぜ賞罰を否定するのか

この部分では、賞罰について語られています。賞罰があると、そこには必ず競争が生まれます。競争が生まれることで、「褒められること」を目的とした依存関係が生まれてしまいます。これでは自立はできません。自立とは、自分の人生を自分で選ぶことです。賞罰は、自分の支配下に置こうとする行為であり、むしろ自立の妨げになっているのです。

第三部 競争原理から協力原理へ

この部分では、承認欲求について語られています。承認欲求に終わりがありません。どれだけ褒められても、次に求めることは褒められることです。つまり、依存しているということです。これでは幸せになれません。幸せになるためには、協力原理を採用する必要があります。協力原理とは、人間は弱さゆえに共同体をつくり、協力関係の中に生きているという考え方です。人間には元々共同体感覚があり、共同体に所属したいという欲求があるとされています。協力原理になるためには、「他者の関心ごと」に関心を寄せることです。そうすれば、共同体感覚に到達すると、アドラーは言っています。

第四部 与えよ、さらば与えられん

この部分では、人生のタスクとは何かについて語られています。人生のタスクとは、人間が生きていく上で必ず直面する課題のことであり、以下の4つに分類されます。

  • 仕事のタスク

  • 人間関係のタスク

  • 社会性のタスク

  • 自己受容のタスク
    これらのタスクを達成するためには、「与えること」が重要です。与えることとは、自分の能力や才能を発揮して、他人や社会に貢献することです。与えることは、自分にも返ってきます。自分が与えることで、自分の存在意義や価値を感じることができます。また、与えることで、他人からも信頼や感謝を得ることができます。与えることは、自分の幸せにも繋がります。

第五部 愛する人生を選べ

この部分では、愛とは何かについて語られています。愛とは、決断であるとアドラーは言っています。愛するということは、自分の人生に責任を持ち、自分の選択に責任を持つということです。愛するということは、自分の人生を自分で創造するということです。愛するということは、自分の人生を愛するということです。自分の人生を愛することができれば、他人の人生も愛することができます。自分の人生を愛することができれば、幸せになることができます。幸せになる勇気とは、自分の人生を愛する勇気なのです。

以上が、幸せになる勇気という本の要約です。この本は、アドラー心理学の教えをわかりやすく解説したものであり、人生の悩みを解決するヒントがたくさん詰まっています。姉妹本の嫌われる勇気と比べると、より具体的なテーマに焦点を当てているので、実践しやすいと思います。アドラー心理学に興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

参考文献

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