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イチジクの贈り物

母方の祖母と私達家族は仲良しだった。
私が産まれた時既に祖父は他界していた為、気丈に一人、何でもこなしていた。


数年前他界するまで
祖母は先祖代々の一軒家に暮らしていた。

幼少期からよく庭いじりをしていた祖母。
庭にはイチジクの木があり、毎年実がなると
〇〇ちゃん(私)食べる??
と丁寧に皮を剥いてくれた。


幼少期はちょっとねっとりしていて凄く美味しい!とは言えなかったかもしれない。。

祖母が他界後、その家には親族が住んでいるが
訪問する機会は殆ど無くなった。
以前の様に気楽にはなかなか。。

ある日疲れて帰宅すると
祖母が暮らしていた住所から宅急便が届いていた。

中には
祖母が大切に育てていた庭のイチジクが沢山入っていた。

まるで
(疲れたでしょう?ばあちゃんのイチジク食べな。)
と笑顔の祖母が自宅に届けてくれた様に見えた。

とても懐かしいイチジクの香り。
甘い。

生前祖母が愛情かけて育てた庭の木々や花々は、亡くなってもまだ祖母の面影と温もりを感じる。


まだそこに生きている。

それはまるでジョン・レノンの名曲の様に。


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