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龍と父

2024年、今年は辰年
辰(=龍)は、十二支の中で 唯一 架空の生き物です

『 龍 』といえば、みなさんだいたい同じようなイメージが思い浮かぶと思います
その姿は、実はさまざまな動物の部分が合わさってかたどられています

頭はラクダ、 角は鹿、 耳は牛、 眼は鬼、
背は蛇、 腹はしん(ヘビとキジが合体した幻獣)、
うろこは鯉、 爪は鷹、 手のひらは虎…

なんとも摩訶不思議な生き物
長く伸びるお髭もポイントですよね
これも何かの動物がモデルなのかな


そういえば、「リュウノヒゲ」の名をもつ草があります
日本原産で、暑さ寒さ日陰にも生きる 強くて丈夫な常緑の草
どこかでご覧になったことはありませんか

細長い葉っぱで、夏には白い花も咲かせ その後鮮やかな青い実をつけます
公園や花壇の縁取りや グランドカバーにもよく利用される身近な植物
きっとみなさんのお近くにもあると思います

花言葉は
『変わらぬ想い』
『不変の心』
『深い思いやり』




天に昇る龍を “昇り龍”といい、中国では古くから 成功や発展の幸運の象徴とされてきました

“昇り龍”は、人々の願い事を神様へ届け、
地上へ降りてくる“くだり龍”は、天から幸福をもたらしてくれると言い伝えられています

日本でも 龍神さまの祀られている神社も多く、水を司る “水神様”とされています
龍神は 地球を守ってくれる存在
辰年の今年は、そんな神社が注目されるのかもしれませんね


わたしは、次に京都へ行く機会に 貴船神社を訪れようと思っています
貴船神社は 全国に約2000社ある水神様の総本宮

本宮・結社・奥宮 のそれぞれに神様が祀られており、主祭神は 高龗神(たかおかみのかみ)と呼ばれる龍神様です

“日本三大龍穴りゅうけつ”のひとつとされ、奥宮の本殿の真下に「龍穴」と呼ばれるパワースポットがあるそうですよ
(龍穴は、いわば大地のエネルギーの吹き出し口とされる神聖な場所)

みなさんも機会があればぜひ行かれてみてください





1月28日は亡き父の誕生日
1940年(昭和15年)の辰年生まれです
生きていれば84歳の年男
75歳のときに他界しました

実家には いくつか龍の掛け軸や置物があります
そして生前、父のお茶碗はかならず龍の絵柄でした
割れても母はいつも同じような龍のお茶碗を買ってきました
父が辰年生まれだからだと 何も不思議には思わなかったのだけれど、今思えば 父のお茶碗だけが なんだかちょっと特別でした

鮮やかでピカピカしてて、いかにも強そうな龍が描かれていて
なんていうか…
すごみがあるというか…
いかついというか…
あんな派手なお茶碗どこで買ってたんだろ
あんまり見たことがないけれど

目の不自由だった父は、お茶碗の色も柄もわかっていなかったと思います
母はよく縁起を担いで大事にしていたし、信心深い人だったので、もしかするとこっそりと 父のための願いを龍へ込めていたのかもしれません




十二支が巡り、生まれ年と同じ干支を迎えた方を “年男” “年女”と呼んだりします

12年に一度なので、なんだかちょっと特別な感じもしますね
その年には、年神様のご加護をたくさん受けられるという言い伝えがあります

強い邪気払いの効果を持つとされ、神社などの節分神事では、邪気や鬼を追い払う豆まきの役割を 年男、年女 の方が担ったりします


節分は、暦の上で春となる “立春” の前日
その立春が一年のスタートと考えられたりもしますね
季節の分かれ目に 悪いものが現れやすいとされ、これからの一年を健康で幸せに過ごせるようにと 豆まきをして邪気を払いました

わたしも子供の頃は、毎年盛大に豆まきをしました
父が いつでも鬼役でした
年男でも鬼でした
豆まきのあとは 年の数だけ豆を食べ、
恵方を向いて太巻きにかぶりつき、願い事を浮かべながら 無言で一本食べきります
「途中で喋ったら幸せが途切れるで」 なんて脅されて 素直に守っていましたね

この恵方巻きの習慣は ふるさとの大阪がはじまりでした
関西以外の全国へ広く認知されたのは、まだここ20年ほどのことでしょうか
東京でも節分の日には スーパーやコンビニでカットされていない太巻きがたくさん並びます

わたしたちも いろんなところで縁起を担いでいますね
科学的な根拠は何もなくても、良いと信じることで気持ちが落ち着いたりします


今年は各地の神社でも節分行事が行われるようです
みなさんのお宅でも 豆まきなどをされるでしょうか
年男、年女の方は ぜひ豆をまいて、地域やお家の邪気をしっかりと払ってあげてください

恵方は、その年の年神様がいるとされる縁起のよい方角
そちらに向かい事を行えば 万事に吉といわれます
2024年は “東北東” だそうですよ
健康でよい一年になりますように

どうぞよい一日を、よい一週間を



#143.    『 龍 』

⭐︎龍の目がこわくて見つめられなくて 龍のなんにも知らないくせに

⭐︎目を閉じて父の背骨の凹凸をさする母の目は龍を見てた

     ー ちる ー


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