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読書人間📚 『もしも、私があなただったら』白石一文


『もしも、私があなただったら』白石一文


2006年 光文社刊
2008年 光文社文庫刊
2020年 第一刷



装幀画にうっかり、すっかり思い込んでしまいました。ミステリーかと思っていました(でもこの方の絵すき)。  
読み込めば読み込むほど、男と女の間に漂う色香がねっとりとした交わりを魅せています。

実は白石一文さんはお初でございます。
冴え渡ったミステリー作家というイメージがどこから来たのか、作中、妙なドンデン返しを期待し、全くもってその気配のない男女の情愛に魅了されるがまま読む手は止まらず読み終えました。
本作はまだ初期のものの様で、たしかに言われれば、何か足りなさを感じなくはないかもしれません。
もう少し何を言わんとする作品なのかわかると良いかもしれません。と、いやいや『もしも、私があなただったら』とタイトル通りではないですか。そのまんまでありました。本当にそのまんまなのかい?と拍子抜けもしますが、タイトルに偽りなしです。
なるほど、やっぱり上手く騙された感じがします。

なんて、取り留めのない感想になってしまいましたが、次に白石一文作品を読むとするならば、官能小説あたりが読みたいと思うのですが、その分野はないのでしょうか。『火口のふたり』がそれでしょうか。あの映像作品もかなりのインパクトでありました。
そうするとやはり、何気に本作の魅力は、官能の部分にあったのではないでしょうか。やっぱり白石さんの官能をもっと読みたい。



絵 武田鉄平



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