見出し画像

フリーランス妻は、今日も夫が掲げた「理想の家族像」を守り続けている。

最近よく「家で仕事できていいなぁ」と子育て中のママさんから言われることが増えました。会社員となれば、保育園に預けなくてはいけなくて、子供と過ごす時間が短いことを嘆く人もあり。妊娠・出産期となれば、止むを得ず会社を辞めて育児に専念しなければと諦める人もあり。

家で仕事をしていれば、子供との時間もしっかり確保できるし、仕事をセーブするのも自由だし。稼ぐこともできる。これぞ「理想郷!」と言わんばかりに羨ましがってもらえて何よりです。

と同時に「なんでフリーになったの?」とよく聞かれます。もちろん人間関係のしがらみが嫌いなことや、電話恐怖症であること、電車に乗りたくないこと。など色々話していて、やっぱり「理想郷!」と言われるんですが…。どれもこれも「我慢できないことではないけどね」と言われて、ハッとしました。

夫と約束した 「理想の家族像」 

わたしの夫は、結婚するときにわたしに言いました。

「子供ができたら、できれば専業主婦になって欲しい」

それは、夫が子供時代に両親が共働きで、少々寂しい思いをしていたこと。わたしが、仕事大好き人間(に見えていた)ため、家でしっかり子育てをして欲しいこと。を打ち明けられました。妻となったからには、主婦として家を守ってほしいというのです。

この平成(当時)の時代に。見た目は若くツヤツヤしたあどけなさ残る彼が、昭和感満載で「専業主婦」を命じたわけです。そりゃ当時は、わたしも「きゃっほー!働かなくてすむ〜」とぬか喜びしたわけなんですがね。

わたしは、どうやらこの当時の言葉を守るためにフリーランスになったようです。

子供が生まれてみたら 「現実」 は違った

結婚後、すぐに子供に恵まれ、すぐ2人目も授かり。わたしは言われた通りに専業主婦になりました。子供の面倒は、会社で働くよりも何倍も体力が必要で、バタンキュー状態。おまけに子供の服はあっという間に小さくなって、汚れたりするので、自分らの服もそっちのけで、子供に投資する毎日。

独身の頃は、夫もブランド服など好きで着ていましたが、そんな余裕もなくなり。もっと給料のいい会社へと転職し、夫にとってもわたしにとっても過酷な試練になりました。毎日忙しく、ノルマありの営業職で帰りは深夜。わたしはワンオペ状態となってしまい、1人で子供を2人みる毎日。話し相手もおらず、帰ってきた夫は深夜で疲れて、ただ寝に帰るだけでした。夫婦に溝ができました。

自分の好きなものも買えない。働いたお金はみんな子供に吸い取られてしまう。夜泣きも多くて、睡眠時間すら持てない。文句こそ言わなかったですが、毎日イライラした顔を見て仕事に行く姿を見て、わたしもイライラしていました。

夫の思う「専業主婦の妻が守る家」という理想の家族像とは到底離れていたことでしょう。この共働きの時代に、妻と子供二人を自分だけの稼ぎでなんとかしようとするのは、非常に大変だったようです。

何より、夫はとても若くして結婚しました。よって、仕事の楽しさ、自分で稼いだお金で楽しむことなど、大した経験もないまま、家族に投資するために仕事をする人になってしまったのです。そして、ここまで養うことが大変なのか。と思ったようです。

何度かわたしも「自分も働く」と言いました。働くことに不安はなかったので(仕事大好き人間だから?)。しかし夫は一度も首を縦に振りませんでした。必ず「いや、いい。家にいて」と言うばかりです。

夫に反発したこともありました。でも保育園は激戦区でとてもフルで働ける状態ではなく、無理に打開しようともしませんでした。

わたしだって夫と交わした「専業主婦になって家を守る」という約束を破りたくなかった。溝ができても、この約束を守りたかった。

・家をしっかり守ること  ・子供と一緒にいること、寂しい思いをさせないこと

この二つを守りながら、わたしにも少しお金を得ることはできないだろうか。そうして行き着いたのがフリーランスだったわけです。


フリーランスは、わたしにとって最高だった

働き方の選択として、現在6歳と4歳の子供を育てるわたしとしては、最高の働き方だとさえ思っています。

子供の体調が悪くても、仕事を休まないといけないわけではないし、夏休みなどは仕事をセーブしてたくさん遊びにも連れて行けます。特にわたしはいま、子供が幼稚園に行っている間だけ、とルールを設けて仕事をしているので、育児と仕事の両立に深く悩むこともありません。食事の支度も掃除も、自分のペースで適度にこなせるんです。

夫もかつての辛い営業職を辞め、少し給料は減っても、今は子供が起きている時間に帰ってくるようになりました。

そして、夫が自分の給料で養いたい。というかつての決断に傷をつけないように、わたしの売上は「家計費」ではなく、あくまで「ちょっと贅沢しちゃおっか!」のときにだけ出てくる「遊び費」になりました。

わたしは、家を守る、子供に寂しい思いをさせないように一緒に過ごす、そして夫の帰りをニコニコ待つ。その上、わたしは大好きな仕事をする。稼げるから好きなものをお互いに買える。お互いの誕生日にプレゼントをしあえたり、仕事をしてお金を稼ぎ、自分の好きなことに費やす、を実現することができました。

夫の理想とする「家族像」を今日も守っている

夫が思い描く理想の家庭は、なんども壊れそうになりましたが、信じて頑なに守ってきてよかった。疲れているくせに「ただいまー」と仕事から帰ってきて、ニコニコ出迎える、わたしと子供の姿に笑っている夫を見ていると、守ってあげられてよかったと毎日思います。

「満員電車が嫌だから」「嫌いな人と仕事したくないから」「好きなことしかやりたくないから」だけでは、フリーランスはできないです。自分はフリーランスになる!という信念のような「譲れない理由」が必要なんです。わたしの場合は夫でした。夫がいなかったら、いやでも仕方ないので「満員電車に乗って」「嫌いな人と」「嫌いな仕事」をしていたでしょうね。

夫の描く「理想の家族像」を一緒に作りたい。それが、わたしの「フリーランスになる譲れない理由」なんです。

自分の頭の中を紙に書き出す整理習慣が「自分の幸せ」を引き出す手法の1つとして広めたいです。わたしがそれで幸せになったので、メソッドを作りたいと計画中です。