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そっちのボーダーレス〈橋本治読書日記〉

相変わらず紅白のチーム分けは性別で決めてるのに今年のテーマは「ボーダレス」って冗談なの皮肉なのって思ってました。しかも日本はいつまでWBCやってんの、とも思うからそっちも観ないで結局テレビに向き合わないお正月。

あけましておめでとうございます。

でも話題になってたからYOASOBIは後追いで観たら、もう明らかにこれが目玉でありハイライトだったんですね。いつもは単独でステージに立つようなアイドルたちが次から次へ群像劇のように彩り、最後は同じステージで踊る。紅白歌合戦が言う「ボーダレス」はそういうことだったんだとある意味納得はあって、たぶんこの企画からテーマが導き出されてきたのだろうなと想像します。なんせ去年を振り返ればYOASOBIのアイドルが紅白出場カタいのはかなり早い段階で決まってたんだろうし。曲が「アイドル」であることと、旧ジャニーズが一掃されたことでめぐり合わせのように成立したステージ。ジャニーズがいる限り出られなかったアイドルもあの場にはいたのだろう。あと一歩、「ボーダレス」をテーマに掲げるなら紅白のチーム分けの基準を来年から変えますという発表があってもよかったのではないかと思う。この機会逃したら次いつなのよ?とか。

ダイハツとかパーティ券収入ネコババとかガザとかウクライナとか新年ハッピーどころじゃない人たちがいっぱいいて、その流れでなのかなんか知らん、私も浮かれる気持ちが沸き上がらない年末年始です。クリスマスからしてそうでしたが。読んでいる本が影響しているような気もする。
テレビやネットのアブクのような話題を掬いながら躍らされるのはやめよう、って與那覇潤さんの本を読みながら改めて思う。どこかに行きたいという気もない、興味がある映画はたくさんあるけど、どうしても観たいという気も起こらない。今はただ、深く潜り込むように本が読みたい。

「目標にはなるべく早く到達しなければならない」という直線的な思考が自分の首を締めていることを自覚しよう。
本が読みたい、あれもこれも読みたい、となったときに、寝る間も食べる間も喋る間も惜しんで、(自ら設定した)課題をクリアしていくことを理想とするのは、躁状態を目指すことと同じだから、健全ではない。今年は一歩ずつゆっくりでもいいからバランス取りながら進みたい。

新年に読んでいるのは、
與那覇潤『歴史なき時代に』、
橋本治『文學たちよ!』、
西田谷洋編『文学研究から現代批評を考える』を中心に、
橋本治も持っていたと思われる共感覚について知りたくて北村紗衣編『共感覚から見えるもの』、
去年から引き続き岩川ありさ『物語とトラウマ』、
個人的な興味から『仕事は辞めない!働く✕介護両立の教科書』、
岡真理『棗椰子の木陰で』、
長い積ん読の果てに遂に再読を決めた『中動態の世界』ほかを抱えて引きこもっている。

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