見出し画像

まいまいで「ブラ鞍馬」ー③

【前回はこちら↓↓↓】

奥の院参道に入ると道は険しくなり、「木の根道」以降は本当に足元から目が離せない状態でした。

下記マップでは普通の山道のように見えるかもしれませんが、緩やかに描かれてはいても、実際には細かいターンを繰り返す「つづら折」だったのです。

鞍馬寺HP



奥の院・魔王殿

太古、護法魔王尊が降臨した磐坐・磐境として崇拝さ れてきました。

鞍馬寺HP

650年前、「尊天」のお一人である護法魔王尊サナート・クマラは、金星からやって来て奇石の上に降り立ち、その上に魔王殿が建てられ、祀られています。

護法魔王尊サナート・クマラは、16歳から永遠に年を取らず、天狗に似たお姿だそうです。
前回での「流星説」ですね。

中に入ってお参りできます。


🍁鞍馬寺の寺紋について

先ほどの「不動堂」や他のお堂の幕にもあったものと同じ「寺紋」がありました。
やや太いのと細い線の二重円の「子持ち輪」の中にあるものは何の疑いもなく、「天狗の団扇」だと思っていましたが、実はいろんな考え方があるようなのです。

(1) 天狗の団扇と子持ち
天狗の持つ団扇のモチーフである「ヤツデの葉」と「子持ち


(2) 十一面観音と日輪
羽が11葉なので「十一面観音」を表し、周りを囲むは二重の真円の「日輪」。
すなわち太陽神(日輪)に囲まれた十一面観音。
前回の②で触れた通り毘沙門天は「太陽の精霊」なので、
「鑑禎上人縁起」での「太陽の中から忽然と毘沙門天が姿を現した」という一文と状況が同じですね。

(3) ホタテ貝
イエスの12使徒のひとりである聖ヤコブのシンボル
これも②で触れた鞍馬の大天狗の「赤ら顔に鼻が高い」というのは外国人の可能性が高く、イスラエル人(ユダヤ人)であっても不思議ではありません。

寺紋ひとつとっても、いろんな説が考えられ、鞍馬寺はなんとも神秘に包まれています。

私としては単純にやはり(1)ではないかと思います。
他のは伝承話のこじつけのように感じるからです。

🍁その他のハイライトシーン

他にも見どころや伝承話はたくさんありましたがとても書ききれないので、まとめてみました。

与謝野晶子・寛夫妻は鞍馬山博物館である「霊宝殿」の先代館長・信樂香雲の歌の師でありました。その縁で、その辺りには夫妻の歌碑と晶子の書斎「冬柏亭」が移築されていました。

前回の「天橋立」から与謝野夫妻には縁があります


2018年の大型台風21号で大きな被害を受けて「大杉権現社」のあたりの景色はすっかり様変わりしてしまったそうです。
大杉も見事に根本から倒れて、被害の大きさを伺い知る事が出来ました。

この時、寒いと思ってたら雪が降ってきた!

嘘か真かわかりませんが、「兵法石」にある深い溝は義経が斬った痕だとか。
そして、「背比べ石」周辺にはつるんとした楕円形の石である「天狗の卵」が発見される可能性が高いらしく、全員で探してみましが、この日は見つかりませんでした。


「尊天」
基本の御朱印です



暗い・危険・寒い・空腹・疲労の5重苦

かねてから時間が押していて終了時間が遅くなるという事は聞いていました。
鞍馬山の日の入りは16時30分頃なので、予定の17時より遅くなるという事は、完全に真っ暗な状態で、足元が非常に悪い山道を下らねばなりません。

すでに膝が笑っていて太ももの筋肉痛も出ていたので、内心はうんざりしましたが仕方がありません。

木の根が下り道の至る所に露出していて、危険極まりない💧

心配していた通り、ここから急激に日は暮れてゆきました。
真っ暗になると、私を含め数名の方がスマホのライトを点けて、足元を照らしながらでないと、下る事はできなくなっていました。

そのうえ、手すりが突然途切れてしまう箇所もあり、あらゆることに細心の注意を払いながら街灯ひとつない暗闇のなか、さすがに景色をみたり写真を撮るゆとりなど誰にもありません。

いくら注意を払っていても、視界が暗すぎて良く解らないため、ミコさんがズッコケ、私もズッコケてしまい、本当に怖い思いをしました。

この日の昼食は、各自が持参した簡単なおにぎりを2個ずつほどを11 時30ぐごろに食べたきりなので空腹とも戦いながら、陽が落ちてさらに気温は下がり、そして何より身体は疲労度マックスでもありました。

それでも下方に「貴船神社」の灯がみえた時は、ホッとしたものの、まだまだ気が抜けない状況を恨めしくも思ったのです。

貴船神社辺りは街灯もあり人も多くて、やっと下界に戻れたという安堵感を初めて持つことができました。

まだ18時頃だったでしょうか?
すでに真っ暗な夜であるにも関わらす、先ほどまでの小刻みのつづら折りの寂しい山道とは違って、とても賑やかで明るく、鞍馬寺西門横の貴船川が「魔界」と「天界」の境目のように、まったく違う世界が広がっていたのです。

疲れて笑顔も出ない💦

少しでも貴船神社へお参りしようとしましたが、究極な疲労とあまりの混雑ぶりに、上を見上げただけで、今回は諦める事にしました。

「貴船神社はまたゆっくり来なあかんなぁ」

みんなでそう呟いたのも、今から思えばひたすら早く地元に戻ってお腹を満たしたかったのかもしれません。
何よりもこの日は「鞍馬寺」だけで、胃もたれするぐらいお腹一杯だったのです。

この日の大教訓⤵⤵⤵

鞍馬山へは朝から登って明るいうちに下山しよう!!

11月の14時スタートはあかん💧


よほど疲れた歩き方をしていたのでしょう。
鞍馬山西門から叡電・貴船口駅までの約2キロの道のりを、とぼとぼと歩いていると、どこからともなくタクシーが横付けしたかと思うと、ドアを開けてくれたのです。

なんてラッキ~💛
運転手さんが神様に見えた!


展望列車「きらら」

今回のお楽しみの一つが、叡山電車が推す展望列車・「きらら」に乗ることでした。

完全に窓の方に向いた座席があったり、天井の一部が透明になっていたり、沿線の豊かな景観を堪能できる仕様になっているのです。
特に市原~二ノ瀬駅間には紅葉のトンネルと例えられるほどの名スポットとなっています。

行きの「きらら」では満面の笑み

たまたま予定した電車が往復とも「きらら」だったのですが、行きのみ乗る事が出来ました。
「紅葉のトンネル」区間はスピードを落としてゆっくり走行してくれると聞いていたのですが、それでもまだ速く、動画はなんとか撮れても写真に収めるのは無理でした。

(↓↓↓動画の音声は消しています)

しかし、帰りは遅くなったため予定通りにはいかず、「きらら」ではない普通電車のうえ、混雑のため車両の先頭を陣取れず、思い通りの体験はできませんでした。


貴船口駅で次の「きらら」を待つような体力は1ミリも残っていなかったので仕方がありません。
本当はこんな動画が取りたかったのです。↓↓↓

それにしても、叡山電鉄は、本線には「比叡山」そして鞍馬線には「鞍馬山」という、指折りの二つの霊峰を目玉にしているのですね。
細々とした田舎の電車というイメージがありましたが、京都を満喫するためには欠かせない路線であることを今更ながら再認識しました。


【関連著書】叡山電車について触れています



反省会は「あべとん」で

ほぼ地元の「天王寺」に着いたのは、20時半ごろでした。
今回はお好み焼きの老舗、「あべとん」へ一目散に向かいました。

身体に美味しさが沁み渡るのを感じながら、みるみる元気を取りもどしていくのがわかりました。

あまりの美味しさにみんな一気食いです。
食べ慣れたお好み焼きが、これほど美味しく感じた事もなかったかも。

鞍馬山は本当にきつかった!
過去に登った「千早城」や「安土城」もかなりのキツさでしたが、それに匹敵するほどのハードさでした。

今後はもう登る事はできないと、私の中で確信したのですが、
内容的には充実度は高く、もう一度ちゃんと見直したい気持ちもあり、それを叶えるには大幅な肉体改造が必須なのは目に見えています。

まずはウォーキングから始めてみましょうか💦




【関連記事】




この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

サポートいただけましたら、歴史探訪並びに本の執筆のための取材費に役立てたいと思います。 どうぞご協力よろしくお願いします。