週１回の１冊の読書。
これが私の「目標読書ペース」である。
上手くいけば、２冊に届くこともある、
すると、年間１００冊ぐらいになるであろうか。
ときに、良書と呼ばれるものに出会う。
この場は良書の共有、内容の整理の場とさせていただく。

①「著者」
②「印象の残った内容」
③「まとめ」
を添えて。

作者紹介

鷲田清一とは？

鷲田 清一（わしだ きよかず、1949年9月2日 - ）は、日本の哲学者（臨床哲学・倫理学）。
評論家、大阪大学名誉教授、京都市立芸術大学名誉教授。せんだいメディアテーク館長[3]、サントリー文化財団副理事長。
関西大学文学部教授、大阪大学総長、京都市立芸術大学理事長・学長などを歴任した.

内田　樹とは？

内田 樹（うちだ たつる、1950年9月30日 - ）は、日本のフランス文学者、武道家（合気道凱風館館長。合気道七段、居合道三段、杖道三段）、翻訳家、思想家、エッセイスト、元学生運動家。神戸女学院大学名誉教授。学位は修士（旧東京都立大学・1980年、フランス文学専攻）。専門はフランス現代思想。立憲民主党パートナー。東京大学文学部卒業。旧東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。高校を中退したが、大学入学資格検定を経て東大に入学、文学部仏文科卒。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。フランス現代思想を専門とし、大学で教鞭を執る。

印象に残った内容

学びとは？

学びと言うのは、自分がこれからの学ぶものの意味や価値がまだわからない。
だから、学びを通じて自分が学んだことの意味と価値を事後的に知るという時間の順逆が逆転した形の営み。

大学で身に付ける力

大学で身につけるべき教養とは、「言っていることは整合的だけど何か胡散臭いもの」
と、
「言っていることはまるで分からないけど何かすごそうなもの」
その二つをちゃんと見分ける能力。

ディベートと対話の違い

ディベートは話し合った後で、考えが変わったら負けなんですが、対話は前と後で変わっていなければ意味がない。
自分を巻き込むまないと意味がない。
ところが対話と言いながらディベートばかりしている。

危機的社会で伸びる力が「どこでも寝れる力」

どこでも寝られる何でも食える。すぐに誰とでも友達になれる。そういう能力は危機的状況を生き延びるための生存戦略上、極めて有効なものですから、危険な社会を生きる人は、そういう能力が選択的に発達する。

成熟するとは？

人が成熟すると言うのは、網目がびっしりと詰まって、繊維が複雑に絡み合った、絨毯のように情報やコンテンツ(内容が詰まっていくということ

梅原猛

単に歌うことが目的ではなくて、歌うことによってその対象の持っておる内的な生命力というものを、自分と共通のものにする、自分の中へ取り入れる。
例えば、病気になったという場合にね、大河の流れの凄まじい姿だとか、海の波打つ姿とかね、花の咲き乱れる姿だとか、そういうものを文学的に色々美しく歌い上げる。
それによってその病気を治すというやり方がある。

子供が勝手に育つ環境

子育てや教育において、子供をどのように育てかではなく、子供が勝手に育つ環境をどのように作ったらいいかと腐心することの方が大事なように

子供は、同性の2人の年長者から、それぞれの別の生き方のモデルを提示されることを通じて成熟する。

メタメッセージは、子供に的に成熟すると告げている

両親が同一の価値観をもつと子供が育たない

結婚に際して、多くの若者たちは、価値観が同一であることを条件で掲げる2人で愉快に遊び暮らすためにそれでいいだろう。
だからそれは親族の再生産にとっては、無用のほとんど有害な条件であるとこと言っておかなければならない。
と言うのは、両親が同一の価値観、同一の規範意識を持っている。完全に思想統制された家庭で育てられた子供は長じて教えられた価値観に成功する事象以外の全てを存在するはずのないもの、あるいは存在してはならないものとして、意識から排除するようになるからである。
両親が同一の価値観を持つ家庭と言うのは、比喩的な言い方を許してもらえれば、北朝鮮化された家庭のことである。
思想統制された国家から、知的なイノベーションや創造的な技術が生まれることが極めて困難であることに、人々はすぐに同意してくれるが、構成員が同一の価値観を分かち合う、家庭からイノベーティブで成熟した市民が育つ可能性は、極めて低いということには、ほとんどの人は同意してくれない。しかし原理的にはこの2つは同じ事なのである。私たちの社会から成熟した大人が消滅しつつあるのはその当たり前のことを私たちが忘れたからである。

日本人の幼児化は日本社会の達成成果

私たちは、過去半世紀にわたって躍起となって、集団の内部から異質な価値観を排除してきた。そしてそれに成功した。だから、日本人の幼児化は、制度疲労や機能不全ではなく、私たちの努力の素晴らしい達成なのである。

場を主宰する

自分に対する他者を力で押さえ込むとか制するとか言うこととはちがう。
同化しちゃう。
相手の身体を自分の身体の延長のように感じる。
だから、もう自分の身体なんだか、他人の身体なんだか境界が不分明になって、一つの身体になる。
それを僕が制御している。僕の体が相手の体を制御しているんじゃなくて、2人で1つの体を作り上げて、それを僕が制御している。

身体感覚が良くなると、整列できる

初心者ばかりのクラスだといるところが異なる。変な具合に玉になる。
整列してもらって正面にいたり、お互い礼をするのにうまく整列できない。前後の幅も出たらめ。
身体感覚が悪いとこはそう。1番はっきり出る。
与えられた空間でこの空間に今これだけの人間がいるから、それが列を作る場合だったら何列作って隙はどれぐらいということは、本当は瞬間的に判断できないといけない。
でも初心者は大体それが苦手少年の部の子供たちも半年ぐらい稽古で通ってくると、自分はどこにいればいいのかと言う判断力が際立って上がる。
どこにいるべきかわかる能力ってかなり高い能力。
自分自身を含めた光景を見ることができるわけだから、自分を含めた全体の俯瞰。

足踏みとは、自分を含めた全体の俯瞰

足踏みと言うのは適切な時に適切な場所にいると言うこと。
それが武道の基礎であり、達成目標でもある。
変なところに人が固まっていたり、列が乱れていたりすると嫌な感じがするので、自分自身の立ち位置を変えることで全体の夫人を変えるということは、武道の傾向していると自然に身に付いてくる。

発達とは

発達と言うのは、要するに正しい時に正しい位置にいて、正しい姿勢をして正しい方向向いて正しい型をすることだと思う

社会性を獲得すると、演劇的になる

生まれて、すぐの赤ちゃんが感情を学ぶのって、母親の表情筋をミラーニューロンの働きによって模倣して、同じような表情筋の操作を通じて事後的に感情が発生するそうですから。
人の身振りや表情や声色を模倣していくことが、人間の感性や知性や霊性やすべての成熟の起点になる。
だから、社会性を獲得するのってある意味で演劇的になること。

感情は何千種類何万種類ある

本来感情と言うのは非文節的でアナログ的な連続体のはずなんです。
それを喜怒哀楽4つに分けるって相当に雑駁なんだと思う。
実際に分けようと思えば、何千種類何万種類と言う感情がある。

中途半端で非文節的なものを複雑なままに提示するのは、育児とか教育とか武芸の指導とか体を使うときにあまり効率的じゃないのかもしれない。
曖昧なことを言うと動きの線が出ない。
だから、昨日と今日で違っても断定する。
結果的に矛盾しちゃっていいじゃないかと思う。

まとめ